Archive for the ‘demofall11’ Category

スマートフォン・セキュリティ (DEMO Fall 2011より)

Sunday, November 6th, 2011

DEMO Fall 2011では、College AlphaPitchというセッションが創設され、大学生の起業家がステージで、新製品について90秒間でプレゼンテーションを行なった。このセッションで注目を集めたのは、SeekDroidというAndroidスマートフォンのセキュリティ技術を開発している企業である。

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SeekDroid機能概要

SeekDroidは、Androidスマートフォン向けのアプリケーションで、スマートフォンのセキュリティ機能を提供している。利用者は、SeekDroidのウェブサイトにログインして、このサービスを利用する。利用者はこのサイトから、スマートフォンに遠隔でアクセスし、デバイスの運用管理を行うことができる。利用者はSeekDroidのサイトにログインすると、Google Maps上に、スマートフォンの位置が表示 (上の写真、出展:VentureClef) される。このサイトでLocate機能を選択すると、スマートフォンの詳細な位置情報をGoogle Maps上に表示する。利用者は、スマートフォンを紛失した際には、この機能を使ってスマートフォンを見つけることができる。下のグラフィックス (出展:GT Media, LLC) は、紛失したスマートフォンの位置を、Google Street Viewで表示している様子である。この機能はデバイスのGPS機能を使っている。もしデバイスのGPS機能がオフとなっている際は、遠隔でGPS機能をオンにする。(但しこの機能はAndroid 2.3.3未満まで。) また、スマートフォンが盗まれた時は、ウェブサイトでAlarm機能を選択すると、スマートフォンから警告音を発し、同時に、スマートフォンにメッセージを送ることができる。

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利用者がLock機能を選択し、Lock Codeを入力すれば、盗まれたスマートフォンの画面はロックされる。また、利用者がWipe機能を選択すると、スマートフォンのデータ、及び、SD Cardのデータが消去され、機密情報が第三者に流出することを防ぐことができる。SeekDroidは、Android Marketで購入し、価格は$4.99であるが、運用費用については無料である。

トレンド

この市場ではサンフランシスコに拠点を置くLookoutというベンチャー企業が早くからスマートフォン・セキュリティのサービスを提供している。最近ではApple iCloudでFind My iPhone機能が提供され、紛失したiPhoneを、Google Maps上に表示する。これは上述のSeekDroidのLocate機能に相当する。SeekDroidが提供している機能は目新しいものではないが、大学生の起業家が、限られた予算で製品を開発し、企業を運営できる時代となってきた。

バーチャル・メイクアップ (DEMO Fall 2011より)

Sunday, November 6th, 2011

DEMO Fall 2011で一際人目を引いたのはModiFace (モディフェイス) というベンチャー企業であった。ModiFaceは、仮想試着室や仮想メイクアップ技術を提供している会社である。消費者は、自分の写真をアップロードして、仮想的に洋服を試着し、メイクアップを行い、ヘアー・スタイルを変えてみることができる。下の写真 (出展:VentureClef) は、ModiFaceのブースで、サービスの説明を受けている様子である。

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ModiFace機能概要

ModiFaceの技術で印象的だったのが、Ultimate Beauty Virtual Makeoverという、仮想メイクアップのアプリである。下のグラフィックス (以下出展はModiFace) は、iPhone向けのUltimate Beauty Virtual Makeoverである。消費者は自分の顔写真をアップロードして、仮想のメークアップを行なう。画面左側はヘアースタイルを変えている様子で、画面右側はメイクアップを行なっている様子である。メイクアップでは、消費者は、Face、Eyes、Lipsを選択して、化粧をしていく。FaceではFoundationとBlushを、EyesではShadow、Liner、Mascaraを、LipsではLipstickとLinerを選択でき、色、濃淡、光沢、輝きなどを変えていく。

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メイクアップが終了すると、Finalizeボタンを押し、メイクアップ前と後の顔を比較 (下のグラフィックス) する。この際に、顔写真の下には、使用したコスメティック製品の一覧表が示される。製品名称の右側のBuyボタンを押すと、この製品を販売しているウェブサイトにリンクする。また、Mapボタンを押すと、自宅近辺でこの製品を販売している店舗が表示される。FacebookやTwitterボタンを押すと、メイクアップした顔写真を、それぞれのサイトに掲載し、友人の意見を聞くことができる。

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前述の通り、ModiFaceは、メイクアップの他に、仮想試着室も提供している。ModoFaceの狙いは、女性の頭から爪先まで、体全体を仮想化して、ファッションやコスメティック製品を試すための技術開発である。同様なサービスが登場している中で、ModiFaceのリアルで華やかな色彩でメークアップする技術は、他社と比べて一歩先行している。

スマートフォンで腰痛管理 (DEMO Fall 2011より)

Sunday, October 30th, 2011

DEMO Fall 2011への参加企業の中で異色の存在が、Lumoback (ルモバック) という、スマートフォンを使った腰痛を管理するシステムである。Lumobackは、スマートフォンとセンサーを組み合わせて、利用者の腰痛を防ぐためのソリューションを提供している。

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Lumoback機能概要

利用者は、センサー (上の写真左側、出展はいずれもzero2one) を腰に装着して利用し、センサーが利用者の姿勢をリアルタイムで計測する。センサーで計測されたデータは、Bluetooth経由でスマートフォン (上の写真右側) に送信され、スクリーン上に利用者の姿勢をアイコンで表示する。スクリーン上には過去5時間の平均値が表示される。上の事例では、iPhoneのスクリーン上に、「Slumped Chump」 (前屈みになっている) と警告メッセージが表示され、背筋が曲がった人形が示されている。また、姿勢が悪くなるとセンサーが振動して、利用者に姿勢が悪くなったことを知らせる。センサーは、利用者が座っているときだけでなく、立っているときや歩いているときも、姿勢をモニターする。センサーはリチウム電池で駆動し、背筋に合わせて曲がる構造となっている。上の写真のiPhoneスクリーンで、Real Time Avatarというボタンにタッチすると、上述の通り、リアルタイムで利用者の姿勢を表示する。Statsを選択すると、一日の姿勢スコア (どれだけ姿勢が良かったかの得点) など、統計情報を表示する。Goalsを選択すると、利用者が設定した正しい姿勢の目標値と達成率が表示される。更に、Back Supportを選択すると、ソーシャルネットで、利用者間で意見交換を行なうことができる。Lumobackは、現在はフィールド試験中で、製品出荷は2012年中ごろを予定している。

zero2one会社概要

Lumobackを開発しているzero2oneは、スタンフォード大学の卒業生により設立されたベンチャー企業で、Google会長であるEric Schmidtが出資しているベンチャー・キャピタルInnovation Endeavorsから15万ドルの投資を受けている。Innovation Endeavorsは、Palo Altoに拠点を置き、今後4年間に40社に$40Mの投資を行なうと表明している。Innovation Endeavorsの投資方針は、現行ベンチャー・キャピタルが投資している領域ではなく、新しい領域を対象にしている。ソーシャル・ネットワークやモバイルがホットな話題となっている際に、Innovation Endeavorsは、腰痛管理という殆ど未開の分野に投資を行なった。zero2oneによると、腰痛は風邪に次いで患者の多い病気で、巨大市場であるとしている。Lumobackは、Schmidtが出資するベンチャー・キャピタルが後押ししていることもあり、いま注目を集めている企業である。

クライアント・サイド仮想化 (DEMO Fall 2011より)

Sunday, October 30th, 2011

DEMO Fall 2011は、先月、Santa Clara (カリフォルア州) のHyatt Regency (下の写真、出展:VentureClef) で開催された。アメリカの景気に薄日がさしてきたが、ベンチャー・キャピタルはこれに先行して、大量の資金をソフトウェア企業に投資している。DEMOに登場した企業は70社を超え、参加人数も増え、盛況なカンファレンスとなった。このレポートでは、カンファレンスの中で注目を集めた企業を、ハイライトで紹介する。

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Virtuというベンチャー企業

Zirtu (ザーチュ) は仮想デスクトップ技術を提供する新興企業である。利用者はパソコン上に、仮想のデスクトップ環境を立ち上げて、パソコンに依存せず業務を遂行できる。パソコン上に仮想デスクトップを構築する際に、仮想化技術はサーバ・サイドではなく、クライアント・サイドに適用する。利用者のパソコンは、マシン・イメージ (Virtual DNA Containerと呼んでいる) が取られ、そのマシン・イメージをサーバ・サイドに格納しておく。利用者がパソコンを利用する際は、Virtuにログインして、サーバ上のマシン・イメージをパソコンにダウンロードして利用する。下の画面 (以下出展はいずれもZirtu)  は、Windows 7でZirtuを起動し、ログインしている様子である。デスクトップ上はブランクで、まだアプリケーションがインストールされていない様子を示している。

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次に下の画面は、利用者がZirtuにログインし、サーバ・サイドに格納していた利用者のマシン・イメージを、パソコン上に展開した様子である。ブランクだったデスクトップ上に、いつも使っているアプリケーションなどがインストールされている。マシン・イメージは、パソコン上の仮想空間で動いている。

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このサービスを利用すれば、社員は社内で、任意のパソコンからVirtuにログインして、自分のマシン・イメージを読み込み、業務を遂行できる。また、社員は出張先で、共用パソコンに、自分のマシン環境をダウンロードして仕事を行なえる。更に、社員が個人使用のパソコンを会社に持ち込んで、会社の業務環境を構築して業務を行なうことができる。この形態はBYOC (Bring Your Own Computer) と呼ばれており、いま、急速に企業で採用され始めている。