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Apple Watchを見据えたデジタルヘルス、臨床試験基盤「ResearchKit」で医学が進歩!

Friday, April 3rd, 2015

センサーやウエアラブルや人工知能の進化で、デジタルヘルスが転換点に差し掛かっている。Appleは昨年9月、「Health」アプリを投入し、健康管理市場へ参入した。先月は、臨床試験基盤「ResearchKit」を発表し、医療研究を下支えするフレームワークを投入。来月にはApple Watchが登場し、健康管理で重要な役割を担う。Appleのデジタルヘルス戦略のストーリーが繋がってきた。

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臨床試験を支援するサービス

医療現場でResearchKitが話題になっている。ResearchKitは医療機関向けの技術で、これを使えば簡単に臨床試験アプリを開発できる。一方、臨床試験に参加するモニターは、iPhoneでこのアプリを稼働し、身体情報を記録する。具体的には、臨床試験アプリは、健康管理アプリ「Health」が収集したデータを読み込み、モニターのアクティビティや健康状態を収集する。医療機関はこれらデータを解析し、医療情報に関する知見を得る構造となっている。

既に、ResearchKitで開発された臨床試験アプリが登場している。Stanford Medicine (スタンフォード大学医学部) は、心臓の健康状態を解析するアプリ「MyHeart Counts」を開発した (上の写真、アプリ専用サイト)。このアプリはモニターの日常生活をモニターすることで、生活習慣と心臓疾患の関係を医学的に解明することを目標にしている。更に、心臓疾患を予防するためには、どのような生活を送るべきかを理解する。

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モニターになってみた

筆者もこのアプリを使った臨床試験に参加した (上の写真左側、アプリ初期画面)。こう書くと仰々しいが、誰でも簡単に臨床試験に参加できるのがこのアプリの最大の特徴だ。アプリで研究目的や注意事項を読み (上の写真右側)、同意書に名前をタイプするだけで手続きが完了。スタンフォード大学病院に行って説明を受ける必要は無く、全てアプリで完結する。使用できるスマホは、iPhone 5s、iPhone 6、及びiPhone 6 Plusだが、既にApple Watch向け機能も実装されている。モニターは、身体情報を大学病院に”寄付”するが、その見返りとして、心臓の健康状態を把握できる。

モニターはアプリが指定するタスクを実行し、アンケート調査に回答する方式で進む。アプリはiPhoneセンサーでモニターの動きを自動で把握し、収集したデータから、行動パターンや心臓の健康状態を理解する。収集したデータは暗号化して送信され、名前はランダムに発生したコードで置き換えられる。身体情報を扱う研究なので、セキュリティー機能に配慮されている。ただ、収集したデータはスタンフォード大学以外でも使われる可能性ありとの記述が気になったが、ここは目をつぶってサインした。

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アプリが読み込むデータソース

試験開始前に、アプリが読み込む身体情報のデータソースを指定する。上述の通り、モニターの行動は、iPhoneに搭載されている各種センサーで、自動的に収集される。センサーが収集したデータはHealthに格納され、これをアプリが利用する構造となっている。上の写真左側がその設定画面で、Healthに格納しているデータの中で、アプリがアクセスできる項目を指定する。身長や体重などの基本情報へのアクセスを許諾した。また、血糖値や血圧など、健康診断情報へのアクセスも許諾した。最後に、アンケート調査に回答する。質問は、健康状態から家族の病歴まで、広範囲に及ぶ。上の写真右側がアンケート調査の画面で、ここでは仕事と運動量についての質問に回答している。

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データ計測は自動で行われる

試験中はiPhoneを携帯して生活するだけで、何も特別な操作は必要ない。iPhoneはズボンのポケットに入れるよう指定され、加速度計がアクティビティーや歩数を自動で計測する。一日が終わると、前日の睡眠時間など、簡単な質問に回答する。これで計測が終了し、その結果が円グラフで表示される (上の写真左側、下段)。円グラフの色が、アクティビティー種目 (睡眠、座ってる状態、運動している状態など) を示す。更に、一日の歩数が示される。アクティビティーや歩数は、上述の通り、健康管理アプリHealthで収集される。上の写真右側がHealthアプリの「Step」画面で、一日の歩行数を示している。アプリはここから歩数などのデータを読み込む。

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心臓年齢や病気に罹る確率

計測は一週間続き、最後に「ストレステスト」が行われる (上の写真左側)。これは名前の通り、心臓に負荷をかけ、心拍数を測定し健康状態を算定するものである。モニターは三分間、できるだけ早く歩き、アプリはその歩行距離を記録する。Apple Watchや他のウエアラブルで、歩行中と終了三分後の心拍数を計測する。アプリは年齢、性別、身長・体重に応じた歩行距離や心拍数をベースに、モニターのフィットネスを算定する。まだApple Watchは出荷されていないので、今回は歩行距離だけが使われた。

アンケート調査「Heart Age」に回答すると、モニターの心臓年齢を算出する (上の写真右側、サンプル)。心臓の健康年齢と病気 (心臓疾患と脳梗塞) にかかるリスクの割合が表示される。このケースでは、62歳のモニターの心臓年齢は60歳と若く判定されている。病気発症の確率は6%と、目標値 (7%) よりいい結果となっている。(筆者のケースでは、病気に罹るリスクが標準より高いと判定された。健康状態をデジタルに示されるとインパクトが大きい。これを契機に、食生活の改善や運動の強化を考えているところ。)

運動を促すコーチング

試験は7日間続き、これが1セットとなり、三か月ごとに繰り返される。一週間の試験が終わると、アプリはモニターに対し、毎日運動するよう「コーチング」を行う。三か月後に、再度、同じ試験を一週間にわたり行う。コーチングはゲームやメッセージなどで、アプリはどの方式が一番効果があるかを検証する。但し、筆者のケースでは、一週間のテスト期間が終了したが、コーチング情報は表示されていない。

大反響を呼んだ臨床試験アプリ

スタンフォード大学は、アプリを公開して24時間で、1万人が登録したと公表した。これだけの規模のモニターを募るには、通常、一年の歳月と50の医療機関が必要とされる。iPhoneアプリとHealthで臨床試験ができるようになり、多くのモニターを短期間で集めることができた。収集したデータはそのままクラウドに記録される。従来の紙ベースの臨床試験と比べ、はるかに効率的に知見を得ることができると評価している。

臨床試験アプリへのコメント

一方、ResearchKitで開発したアプリを使った臨床試験に対し、様々な意見が寄せられている。モニターから得られるデータの質が議論となっている。iPhone利用者は高学歴・高収入という統計情報があり、臨床試験モニターはデモグラフィックスを正しく反映していないのでは、という疑問の声も聞かれる。その一方で、FDA (米国食品医薬品局、新薬などの認可をする機関) はスマホを使った臨床試験について肯定的な評価をしている。アプリを使った臨床試験で、医療技術が進むことを期待している。因みに、このアプリは医療行為は行わないため、FDAの認可は不要である。

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パーキンソン病研究アプリなど

MyHeart Counts以外にも、ResearchKitで開発されたアプリが登場している。その一つがパーキンソン病研究のためのアプリ「mPower」で、University of RochesterとSage Bionetworksにより開発された。アプリで敏捷性、バランス、記憶力、足並みを測定することで、日常の行動と病気の関係を理解する。モニターはアプリを起動し、人細指と中指で画面を早くタップしたり (上の写真)、マイクに向かって長く「アー」と発声する。俊敏性や発声とパーキンソン病の関係を解析する。研究に寄与するだけでなく、モニターは自身の病気の予兆を早く知ることができる。また、糖尿病研究のためのアプリ「GlucoSuccess」や乳癌研究のアプリ「Share the Journey」などもリリースされている。

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IT企業はデジタルヘルスに向う

Googleは2014年7月、人体の研究を行うプロジェクト「Baseline Study」を開始した。Baseline Studyは175人の健康なモニターから遺伝子と分子情報を収集し、健康な人体のベースライン情報を把握する。心臓疾患や癌の兆候を早期に発見することを目的とする。身体情報はウエアラブルで収取される。Googleが開発したコンタクトレンズを使うと、血糖値をリアルタイムで測定できる。測定したデータは、個人の遺伝子情報と共に、人工知能を使って解析される。健康な人体を定義し、医師は病気予防に重点を置いた措置が可能となる。他に、Microsoft、IBM、Samsungなども、デジタルヘルス分野で技術開発を加速している。IT企業がデジタルヘルス事業を展開する背後には、テクノロジーの進化がある。プロセッサーやセンサーや人工知能の技術開発が進み、低価格で生体情報を収集・解析できるようになった。

AppleはResearchKitで、Healthやウエアラブルを束ねるアプローチを取っている。ResaerchKitを使うと、病院や製薬会社は、簡単に臨床試験を展開できる。現在は、iPhoneで身体情報を収集するが、やはり最適なデバイスはウエアラブルで、Apple Watchを見据えた設計となっている (上の写真)。Apple Watchの機能は心拍数の計測に留まるが、将来は、幅広い生体情報を収集すると期待されている。消費者にとってはResearchKitは無縁の存在であるが、医療現場では医学研究にインパクトを与える画期的なツールとして評価が高まっている。今年はデジタルヘルス市場でブレークスルーが起ころうとしている。

お洒落だけど革新的でない?Apple Watchの狙いを読み解く

Wednesday, March 11th, 2015

Appleは、3月9日、サンフランシスコで、Spring Forwardと題した発表イベントで、Apple Watch詳細情報を発表した。改めて、Apple Watchは洒落なスマートウォッチで、ハイエンドモデル「Watch Edition」は息をのむほど美しい (下の写真)。一方、Apple Watchで生活がどう便利になるか、分かりづらいという意見もある。Apple Watchの機能は革新的でないとの評価もあるが、発表されたアプリを子細に検証すると、別の姿が見えてくる。

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パートナー企業が開発したアプリ

発表イベントで、CEOのTim Cookが、Apple Watchについて詳細情報を公表した。機能については、驚くような情報は無かったが、パートナー企業が開発したアプリについては、新鮮な情報が揃っていた。技術担当副社長Kevin Lynchが、Apple Watchを使って、これらアプリをデモし、新しい使い方を示した。アプリを子細に見ていくと、Apple Watchの狙いが浮き上がる。

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おサイフケータイ付き腕時計

Apple Watchでおサイフケータイ機能「Apple Pay」が使えることが大きなアドバンテージとなりそうだ。店舗で買い物をし、サイドボタンをダブルクリックし、リーダーにかざすだけで支払がいできる (上の写真、左側)。ポケットからスマホを取り出す必要は無く、腕時計で支払いができるのは、圧倒的に便利。セキュリティーに関しては、Apple Watchを着装する際に、四桁のPINを入力して本人確認をする。Apple Watchを外すとログオフした状態となり、他人が支払いをすることはできない。リーダーとはNFC (Near Field Communication) 方式で交信する。筆者は、スターバックスでリストバンド「Microsoft Band」で支払いをしているが、この方式はヒットの予兆を感じる。

ホテルのルームキーとなる

Apple Watchをホテルのルームキーとして使える。これはホテルチェーン「Starwood Hotels & Resorts」が開発したアプリで、Apple Watchがルームキーとなる (上の写真、右側)。ホテルに到着するとアプリでチェックインし、そのまま部屋に向う。アプリには「Room Number 237」などと、部屋番号が表示される。部屋のドアにApple Watchをかざすと鍵がアンロックされる。このケースもドアの鍵とはNFC方式で交信する。ホテルカウンターで長い行列に並ぶ必要は無く、スマートにチェックインできる。ホテル側としても、業務の効率化に役立つ。

駐車場で料金を支払う

Apple Watchで駐車料金を支払うことができる。パーキング・メーターにApple Watchかざすと、駐車場のスロット番号が自動で入力され、登録しているクレジットカードで支払いができる。これは「PayByPhone Parking」というアプリで、パーキング・メーターとはNFC方式で通信する。アプリは駐車時間終了10分前にメッセージを表示する。時間までに戻れそうにない時は、アプリで追加料金を払い時間を延長できる。

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自動販売機で料金を支払う

NFC方式での支払いは駐車場だけでなく、自動販売機にも広がっている。Coca-Colaは、今年末までに、北米でApple Payに対応した自動販売機を10万台導入するとしている。iPhoneをかざすだけで、清涼飲料水を購入できる (上の写真)。今回の発表イベントでは、Apple Watchで同じ処理ができることを明らかにした。日本ではSuicaを使って自動販売機で支払いをするのは普通の生活だが、米国でもApple Payの影響力でこの流れが始まった。Apple Watchの登場で、ポケットからスマホを取り出す代わりに、腕時計で買い物する方式が注目されている。

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スマートホームを操作する

スマートホームとウエアラブルの連携がトレンドとなっている。Apple Watchとスマートホームが連動するアプリが登場した。上の写真左側は、スマート・サーモスタット「Honeywell Lyric」と連動するアプリ。時計のディスプレイで「外出中」や「就寝」ボタンを押すと、空調が省エネモードとなる。利用者が自宅から遠いところにいると、アプリはメッセージで確認したのち、「旅行」モードで運転する。サーモスタットはApple Watchで利用者の位置を把握し、帰宅すると室内が最適な温度になっている。

上の写真右側は、スマートホーム機器「Lutron」と連動するアプリで、家庭内の電燈をApple Watchで操作する。ソファに座ったままで、「映画モード」を選択すると、室内の照明が落ちる。寝室で「就寝モード」を選択して家全体を消灯する。家を離れている時も操作でき、防犯のため、夜間に電燈を点けることもできる。電燈を点けたまま外出すると、アプリが消すかどうかを尋ねる。

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大型店舗で買い物をする

Apple Watchが買い物の手助けをする。これは大型店舗「Target」が開発したアプリで、買いたい商品の売り場に近づくと、アプリがそれを教えてくれる。事前にiPhoneで買い物リストを作っておき、店舗ではその売り場に近づくと、Apple Watchにメッセージが表示される (上の写真左側、スポーツ用品売り場で自転車を表示)。アプリは消費者の場所を把握し、売り場に関連する買い物リストを表示する。これ以上の説明は無いが、店舗にBluetoothビーコン「 iBeacon」を備えておけば、ピンポイントで消費者の位置を把握できる。スマホにメッセージが表示されるのとは異なり、腕時計を見ながらの買い物は便利に違いない。

定番のランニングアプリ

ウエアラブルの必須アプリはランニング管理。上の写真右側は「Nike+ Running」で、アプリがランニングの走行距離、時間、ペースなどを表示する。iPhoneとペアで利用し、走りながらApple Watchで途中経過を確認できる。ランニング中に友人から応援メッセージが届くと、それをApple Watchで閲覧できる。ヘッドセットとBluetoothで繋ぐと、走りながら音楽を聞ける。ランニングが終わるとアクティビティーのサマリーを表示する。取り立てて新しい機能は無いが、ウエアラブルで一番人気のアプリ。

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Bring Your Own Wearable (BYOW)

早くもApple Watchを仕事に活用するアイディアが登場した。上の写真左側は、米国の先進医療機関「Mayo Clinic」が開発した、医師向けのアプリ。アプリは忙しい医師のスケジュールを管理する。医師はApple Watchを見て、患者がロビーで待っているのか、検査を終えたのかなどを把握する。診察する際には、アプリで患者の年齢、性別、体重などを閲覧し、お洒落に情報にアクセスする。BYOD (Bring Your Own Device) の次は、BYOWが話題になっている。

上の写真右側は、コントラクターが仕事をした時間を管理し、請求書を発行するアプリ「Invoice2go」。コントラクターは、Apple Watchをして仕事場に到着すると、アプリはそれを把握。職場はGeofencing機能で定義され、Apple Watchがその中に入ると、仕事をしているとみなされ、働いた時間を記録する。コントラクターはこの情報を元に、請求書を発行する。支払いを受領すると、アプリが知らせてくれる。

登場しなっかたアプリ

発表イベントでは新しいアプリが数多く紹介されたが、期待に反し登場しなかったアプリもある。これはデジタルヘルス関連で、Apple Watchは、血圧、心電図、皮膚の電気伝導率 (ストレスの度合いを測定)、血中酸素濃度を測定する機能を搭載すると噂されていた。しかし、昨年9月の発表でこれら機能は公表されず、Apple Watchはデジタルヘルスから大きく路線を転換したことが明らかになった。今回もこの路線を踏襲し、高度なデジタルヘルス機能は登場しなかった。これら重要な機能が欠落したままのApple Watchは考えにくく、将来製品に順次搭載されることを期待している。

今まで述べてきたアプリに共通しているのは、Apple WatchがNFCやBluetoothなどでネットワークに繋がり、センサーの役割を果たしていること。Internet of Thingsとして機能し、バックグランドで必要なデータを送受信し、利用者に便利な機能を提供している。Apple Watchが、クレジットカードやドアの鍵となり、リアル社会のツールとして使われる。Apple Watchは、情報表示端末ではなく、Internet of Thingsのセンサーとして捉えれば、製品の狙いが分かり易い。将来は、上述の通り、Apple Watchが身体情報をモニターするバイオ・センサーとしての役割が期待されている。

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お洒落にITを楽しむのがニューノーマル

Appleは製品発表に先立ちPRを展開してきた。上の写真は女性雑誌「Vogue」三月号で、中折の部分に12ページにわたり、Apple Watchのコマーシャルが掲載された。ドレスやバッグと並び、Apple Watchがファッションアイテムとして位置づけられている。Apple Watchのテレビコマーシャルも始まった。お洒落なApple Watchで、秒針が時を刻むように、その機能を次から次へと紹介した。プライムタイムで女性を対象に、ファッション性を前面に押し出したコマーシャルだった。お洒落にITを楽しむのがニューノーマルであるとのメッセージを感じた。

Apple Payの使い心地は快適!この安心感は日本人の心を掴むか?

Tuesday, October 28th, 2014

Apple Payの運用が始まり、早速使ってみた。決済処理はスムーズで、あっけないほど簡単に使えた。Apple Payは高度なセキュリティー機能を搭載しており、安心してカードで買い物ができる。アメリカはオバマ大統領の号令でカードセキュリティー強化を急いでいる。Apple Payの役割に期待が寄せられている。モバイル決済先進国の日本でも、Apple Payの安心感は消費者の心を掴むかもしれない。

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Apple Payを使ってみる

Apple Payの機能は良く知られているが、実際に使うと、製品コンセプトを実感できる。iPhone 6でApple Payを利用したが、操作性は快適で、完成度の高い製品デザインに驚かされた。Apple PayはiOS 8.1から利用できる。iPhone 6にインストールすると、設定画面に「Passbook & Apple Pay」という項目(上の写真左側、三段目) が追加となり、ここでApple Payの設定を行う。この項目にタッチするとApple Pay設定画面に移り (同右側)、クレジットカードやデビットカードを登録する。

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クレジットカードを登録

カード登録画面でApple IDによる本人認証を行った後、カード情報の入力を行う。上の写真はAmerican Expressを登録している様子で、名前、カード番号、有効期限、セキュリティー番号を入力していく (上の写真左側)。カメラアイコンにタッチしてカードの撮影を行うと (同右側)、カード番号と有効期限が、自動で入力される。

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登録が完了すると、サムネールとカード名称が表示される (上の写真左側)。この画面で利用するカードを選択し、住所、メールアドレス、電話番号などを設定する。登録されたカードはPassbookに格納される (同右側)。

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店舗で買い物をする

カード登録が完了したApple Payで買い物をした。ドラッグストアー「Walgreens」でハロウィン用にチョコレートを購入。レジにはクレジットカードを読み込むリーダーが備え付けてある (上の写真)。リーダー上部の楕円形の部分がNFCリーダー。スマートカードなどで利用される。支払いの際にiPhone 6をNFCリーダーにかざすと、ロック画面にApple Pay画面が表示される (上の写真、iPhone画面)。ここに登録したカードが表示され、「Pay with Touch ID」と操作の方法が示される。リーダー側にはApple Payのロゴが表示され、正常に処理が進んでいることを確認できる (リーダー画面右下)。

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ここで親指をホームボタンにあて本人認証を行うと、支払いプロセスが稼働 (上の写真)。支払処理に要した時間は瞬間的で、通常のカード処理と変わらない。支払いが完了すると、そのログがPassbookのApple Payに表示される。ここでリアルタイムに支払い金額をチェックできる。

実はApple Payで支払いが完了した直後、後ろで「ウァーオー」と歓声が上がった。振り向くと年配の婦人が、一連の様子を見ており、「電話で買い物ができるの?」と話しかけてきた。日本では馴染みの方式であるが、婦人には衝撃的な光景に映ったようだ。アメリカではなじみの薄い”おサイフケータイ”であるが、Appleの参入で認知度が上がり、状況は一変する兆しを感じた。

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アプリ内決済でも利用できる

Apple Payはアプリ内での支払いにも利用できる。対象アプリは、Groupon、OpenTable、Starbucks、Target、Uberなど。上の写真は共同購入型クーポン「Groupon」で買い物をしている様子。アプリでクーポンを購入する際は、最下部のApple Payボタンにタッチして支払いする (上の写真左側)。実際にApple Payで支払いを行ったが、決済処理は非常にスムーズ。ボタンにタッチすると、Touch ID画面が表示され、ここに指をあてて認証を行った。認証が完了すると購買完了画面が表示された (同右側)。一連の流れは店舗での買い物と同じで、ワンタッチで安全に買い物ができ、大変便利。Amazonの1-Click注文と同等の便利さだ。Apple Payのアプリ内支払いはバグが多いと聞いていたが、全く問題なく進んだ。ここでもApple Payの完成度の高さを感じた。アプリ内支払いは最新のiPad (iPad Air 2とiPad mini 3) でも利用できる。店舗での決済はiPhone 6 Plusでも利用できる。

Apple Payを利用できるカード

Apple Payは主要銀行やカード会社から支持を集めている。Apple Payで利用できるカードはVisa、MasterCard、及びAmerican Express。対象となるカード発行銀行はBank of America、Citi、Chaseなど五行。Apple Payを使える小売店舗は、Macy’s、Walgreens、Whole Foods、Apple Storeなど22万店舗。これら店舗は、前述のWalgreensの事例の通り、スマートカード向けにNFCリーダーを搭載したターミナルを設置している。一方、アメリカのNFCリーダー普及率は高くなく、Apple Payを使える店舗はまだ少ないというのも事実。

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カード会社は積極的

American ExpressはApple Payを積極的にプロモーションしている。American ExpressからApple Payの利用を促すメールを受信した (上の写真)。また、Apple PayにAmerican Expressカードを登録すると、その確認メールを受信し、関連サービスも充実している。American Expressは、Apple Payは非接触型決済でスマートに買い物ができる点のほか、リアルタイムで支払い監視ができ、安全である点をアピールしている。カード会社にとっては、Apple Payの安全性が売りになっていることを窺わせる。

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銀行はApple Payでイメージアップ

カードを発行する銀行もApple Payを積極的にプロモーションしている。 上の写真はBank of Americaの事例で、専用サイトで製品をアピールしている。多くの銀行はApple Payの採用で売り上げが増える他に、マーケティング効果があると見ている。銀行はApple Payで決済を行うと、決済金額の0.15%を手数料としてAppleに支払うが、それに見合う効果があると期待している。アメリカの銀行は先進技術の導入に消極的との印象があるが、Apple Payの採用でイメージアップを目指している。

一番安全な決済方式

Apple Payはアメリカで一番安全な決済システムとも言われている。カード番号などはデバイス固有の番号「Device Account Number」に変換され、Secure Elementに格納される。支払処理ではトランザクション毎に固有な番号が生成され、Device Account Numberと共に決済システムに送信される。所謂ワンタイム・トークンによる決済方式で、カード情報が送信されることは無く、カード情報の盗聴や窃取による犯罪を防止できる。また利用時にはTouch IDを使った指紋認証で本人を確認する。三重に安全対策が取られている。

アメリカで多発するカード犯罪

アメリカでは昨年末から、サイバー攻撃によるカード情報流出事件が多発している。ディスカウント百貨店「Target」から昨年12月、4000万件のクレジットカードとデビットカード情報が流出した。百貨店「Neiman Marcus」は、今年1月、110万人のクレジットカード情報が流出したと発表。ホームセンター「Home Depot」は今年9月、5600万件のクレジットカード情報が流出したと発表。これが最大規模のカード情報流出事件となった。

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カードに対する信頼は失墜

上述Neiman Marcusの事件では筆者宅も被害に合った。American Expressからレターを受け取り、「カードを使用した小売店でデータファイルへの不正アクセスを検知した」と説明を受けた (上の写真)。店舗名は記載されていないが、ニュース報道などでNeiman Marcusと特定できる。「貴方の氏名とカード情報が影響を受けたが、不正使用は検知されていない」とも説明されているが、心中は穏やかでない。この事件以来、月々のステートメントは細かくチェックし、不正使用が無いか確認している。またこの事件以来、American Expressの使用は控えている。著者だけでなく多くの人が被害に合っており、アメリカ社会のカードに対する信頼は失墜したと言っても過言ではない。

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でもICカードへの移行は緩やか

アメリカはICカードの適用が大きく後れている。ICカードの正式名称はEMV (Europay, MasterCard, and Visa) カードで、カードにICチップを搭載した形式で、安全性が大幅に向上する。利用者はICカードをリーダーに差し込み、ディスプレイの指示に従って操作する (上の写真)。ICカードはワンタイムコードを生成し、なりすましを防ぐことができる。利用者は四桁のPINを入力し認証を行う。Visaなどは2015年10月1日より、ICカードに移行することを発表している。これ以降は、ICカードに対応していない小売店舗はなりすまし不正に対して責任を負うこととなる。ヨーロッパや日本で普及しているICカードであるが、アメリカはようやく動き始めた感がある。

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オバマ政権が普及を後押し

上述のカード情報流出事件を受け、オバマ政権が動き出した。オバマ大統領は、10月17日、「BuySecure Initiative」というプロジェクトを発足し、EMV仕様カードへの移行を促した (上の写真)。連邦政府が発行するクレジットカードはICを搭載し、PINで本人認証を行う。この方式を「Chip & PIN」と呼んでいる。連邦政府内のリーダーはICカードに対応する。このプロジェクトは、民間企業の取り組みについても規定している。Home Depot、Target、Walgreens、 及びWalmartは2015年1月までに、Chip & PIN対応のターミナルを導入する。オバマ大統領の号令で、小売店舗とカード会社は、安全なカード決済に向けて歩みを速めた。

アメリカで一気に普及するか

オバマ政権の後押しで、事件当事者の小売店は一斉に、ICカード対応に向い始めた。このようなタイミングでApple Payの運用が始まった。カード決済でのセキュリティーの重要性を理解したアメリカの消費は、一気にApple Payの利用を始める可能性を含んでいる。著者自身も、使用を控えていたAmerican Expressを、Apple Payで安心して利用できる。

この安心感を日本の消費者はどう評価

おサイフケータイが普及している日本はモバイル決済先進国であり、Apple Payに新鮮さを感じない向きもある。また、Apple Payの無線通信規格はType A/Bで、FeliCaとは非互換であり、これが参入障壁になるとの見方もある。しかし、実際にApple Payを使ってみると、この安心感は日本の消費者の心を掴む可能性を秘めているとも感じた。セキュリティー技術とアップルブランドで、Apple PayはGoogle Wallet (Google版モバイル決済) を使ったときと比べ、格段に安心感が高い。圧倒的にリードしているおサイフケータイであるが、再度、日本の先進技術が国際標準で置き換えられる事態も想定され、予断は許されない。Apple Payはアメリカだけでなく、世界市場を巻き込んで展開する可能性を秘めている。

Apple Watchの健康管理機能は意外に普通?既に次期モデルが話題に!

Friday, September 12th, 2014

Appleはウエアラブル端末「Apple Watch」を発表。お洒落なデザインで話題となっているが、健康管理に限ると、画期的な機能は登場しなかった。Apple Watchは高機能ウエアラブルと言われてきたが、基本機能の搭載に留まった。しかし、これは出発点で、次期モデルに搭載される高機能センサーが、既に話題となっている。

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二つの健康管理アプリ

Apple Watchは健康管理機能を二つのアプリで提供。それらは「Activity App」 (上の写真左側、出典はいずれもApple) と「Workout App」 (同右側)。Activity Appは活動状態をモニターする。アプリは三つの機能で構成され、活動状況がグラフで表示される。「Move」は消費カロリー量を、「Exercise」は運動量を、「Stand」は立っている時間を示す。一日の目標値を設定し、それに到達すると円グラフとなる。

Standとは聞きなれないコンセプトであるが、一時間のうちに一回以上立ち上がった回数を記録。仕事中に椅子に座ったままでなく、立ち上がることを奨励している。最近では、長時間座っていることは、喫煙と同じくらい健康に悪いと言われている。Standは、一日12時間のうち、各時間で立ち上がることを目標値としている。

Work Appはトレーニングのためのアプリ。ランニング、ウォーキング、サイクリングなどで使う。アプリは過去の履歴を参照し、目標を自動で設定する。目標値は走行距離や走行時間など。勿論、利用者がマニュアルで変更できる。トレーニングをしている最中は、途中経過情報を表示し、目標を達成すると本物そっくりのバッジを貰える。

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センサー情報を解析

Apple WatchはiPhoneとペアリングして利用する。Apple Watchは加速度計と光学センサー (上の写真、四つの円形の部分) を搭載しており、それぞれ、体の動きと心拍数を計測する。iPhone側に搭載されているGPSとWiFiで位置を把握する。またiPhone 6に搭載されるM8コプロセッサーは気圧差の測定ができ、垂直方向の移動(階段の上り下りなど) を測定できる。Activity AppやWorkout Appは、これらセンサーで収集した情報を利用する。アプリで解析した情報は健康管理プラットフォーム「HealthKit」で管理され、医療機関と共有することができる。

光学センサーに特徴あり

Apple Watchは、上述の通り、背面に光学センサーを四基搭載している。センサーは可視光と赤外線のLED光源を持ち、フォトダイオードで反射波を読み取る。腕表面の血管に光をあて、その反射波から心拍数を測定する。心拍数測定では、ECGのように電気信号を読み取るのが一般的で、病院などで使われている。ウエラブルでは、心拍数測定に、可視光か赤外線のどちらかを使う。これに対しApple Watchは、両者を併用する点に特徴がある。

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リアルタイムで心拍数が測れるか

Apple Watchは腕の血管の血流を読み取り、心拍数を算定する。高機能スマートウォッチBasisも同じ方法で心拍数を測定する。但し、Basisは赤外線だけでセンシングする。Basisは心拍数を測定する際は、静止状態である必要がある。運動しながら測定することはできない。つまり、トレーニング中にリアルタイムで心拍数を把握できない。Appleは前述の通り、二つの光源で心拍数を測定する。Appleは詳細機能については公開しておらず、運動しながらApple Watchで心拍数を測定できるのか、関心が集まっている。因みに、BasisはIntelに買収され、高機能ウエアラブルでは、Apple対Intelの構図が生まれた。

Apple Watchは心拍数の測定結果をコミュニケーションで利用している。これはDigital Touchという機能の一つで、利用者の心拍を相手に送ることができる (上の写真)。受信者は送信者の心臓の鼓動を腕で感じることができる。離れているカップルが使うのか、今の気持ちを振動で伝えることができる。

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以外に標準的なセンサー

これらの機能は概ね他社から提供されており、革新的センサーと言う訳ではない。なぜ、Apple Watchは標準機能に留まったのか、議論が起こっている。その一例がスリープトラッカー。これは睡眠状態をモニターするセンサーで、FitBitなど多くのウエアラブルに搭載されている。Apple Watchにスリープトラッカーが搭載されなかった理由は、バッテリー容量と言われている。バッテリーは一日しかもたず、毎晩充電する必要がある。このためApple Watchをつけたまま寝ることはできない。一方、Appleは睡眠研究の第一人者Roy Raymannを採用し、開発を重ねている。この問題が解決すると、スリープトラッカー機能が搭載されると言われている。

センサーよりファッション性を優先

Apple Watchは、フィットネス情報だけでなく健康情報を収集し、HealthKitに格納する。Appleはこれらの情報を病院と共有し、治療に役立てる構想を打ち出している。そのためには、Apple Watchで身体情報を幅広く収集する必要がある。前述の通り、このための高機能センサーは、搭載が見送られた。今回は光学センサーで心拍数計測だけに留まった。これはファッション性を優先し (上の写真)、高機能センサーを無理やり実装することは避けたためと思われる。まずは、ファッションや使い易さを優先したデザインとなっている。また一説では、AppleはFDA (アメリカ食品医薬品局) の認可が必要な医療機器としてのセンサーを、あえて搭載しなかったとも言われている。

次期モデルで血圧、心電図、血糖値などの測定ができるのか、すでに議論となっている。今回の発表で、Apple Watchのスタートラインが明らかになり、これからの技術進化に期待が寄せられている。

「Apple Pay」で決済サービス事業に参入!Apple Watchから利用できる

Wednesday, September 10th, 2014

Appleは9月9日、スマートフォン「iPhone 6」とウエアラブル端末「Apple Watch」を発表。更に、Appleは決済サービス「Apple Pay」を発表。iPhone 6やApple WatchのNFC (近距離無線通信) 機構でカード決済ができる。Apple Watchは洗練されたデザインで、アップルらしい製品仕立てとなった。

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お洒落な製品

Apple Watchは三つのモデルから成り、それぞれ、「Watch (標準)」、「Watch Sport (スポーツ)」、「Watch Edition (ハイセンス)」。使う目的によりデザインが異なる。上の写真 (出典はいずれもApple) はWatch Edition。フレームは18Kイエローゴールドでバンドは赤色レザー。

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このモデルを身に付けると上の写真のようなイメージとなる。お洒落な製品で消費者の心に訴求する。ディスプレイサイズは38mmと42mmで大小二つのモデルを投入。出荷は2015年初頭で、価格は349ドルから。

Apple Payとは

iPhone 6とApple Watchに次ぐ発表ハイライトはApple Pay。Apple PayはNFCによる決済サービスで、おサイフケータイのアップル版と言える。但し、通信プロトコールは異なる。Apple PayはiPhone 6とApple Watchで利用できる。

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iPhone 6でApple Payを使う際は、指をTouch IDにあて、デバイスをリーダーにかざす (上の写真)。Touch IDで本人認証を行う。支払いが完了すると、デバイスが震えて知らせる。

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Apple Watchで支払いする際は、下側のボタンをダブルクリックし、リーダーにかざす (上の写真)。Appleは認証方式については言及しなかった。(Watch背面のセンサーでバイオメトリックな情報を読み、これを認証で利用するのか。) 読み込みが終わると、Watchが震えて知らせる。

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アプリ内でも利用できる

Apple Payはアプリ内の支払いに利用できる。アプリで買い物して支払いする際は、「Apple Pay」ボタンにタッチし、指をTouch IDにあてる。上の写真左側は、レストランPanera Breadでランチをオーダーしている様子。中央は大手デパートTargetでの買い物。右はライドシェアUberで車を呼んでいるところ。いずれも画面最下部のApple Payバーにタッチして支払いする。

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カードの登録

Apple Payのセットアップはシンプル。クレジットカードやデビットカードをPassbookに格納する (上の写真左側)。チケットなどを入れておくPassbookが財布となる。iTunesにカードを登録している場合は、カードのSecurity Codeを入力し、Passbookに移す。新規にカードを登録する際は、カードの表面をカメラで撮影して、カード情報を読み込む (同右側)。

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Apple Payのセキュリティ

カードをPassbookに格納する際は、カード番号ではなく、デバイスに固有の番号「Device Account Number」が生成される。これを暗号化して、デバイスのSecure Elementに格納する。Device Account Numberはデバイス内に留まり、Appleサーバーには格納されない。

支払処理では、トランザクション毎に固有な番号が生成される。Device Account Numberとこの番号が決済システムに送信される。所謂、ワンタイム・トークンによる決済方式で、クレジットカード番号やデビットカード番号が送信されることは無い。

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iPhone 6やApple Watchにカード番号が格納されないため、デバイスを紛失してもカード情報は洩れない。デバイスを紛失した際は、「Find My iPhone」機能を使って (上の写真)、デバイスを「Lost Mode」にする。これでApple Payなどの機能が使えなくなる。

既に多くのパートナー

Apple Payは、Visa、MasterCard、American Expressに対応している。Apple Payを使える小売店舗は、Macy’s、Walgreens、Whole Foods、Apple Storeなど22万店舗。Apple Payを利用できるアプリは、Groupon、OpenTable、Starbucks、Target、Uberなど10アプリ。カード会社はApple Payでカードが使われる毎に、Appleに手数料を支払うと言われている。iPhone 6やApple Watchでカードを使うことで、消費者の購入金額が増えるとみている。

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アメリカ市場に受け入れられるか

日本では馴染みのおサイフケータイ機能であるが、アメリカではほとんど使われていない。Googleは「Google Wallet」でおサイフケータイ機能を提供しているが、あまり人気が無い。このためGoogleは、Google Walletをオンライン決済を中心に展開している。

このところTargetなどが攻撃に合い、クレジットカード情報が盗まれる被害が続出している。Apple Payは決済処理でカード情報を使わないため、このような問題を回避できる。また、Apple Watchで支払いができ、ポケットやバッグからスマートフォンを取り出す必要はない。AppleがNFC決済ビジネスに参入することで、市場が活性化するか、期待が寄せられている。