Archive for the ‘オフィス・アプリケーション’ Category

ブラインド・メッセージ (Launch:Silicon Valley 10より)

Friday, July 2nd, 2010

Launch: Silicon Valley 2010で、一番最初に製品紹介を行なったのが、BccthisのCEOであるDave Waldman (デーブ・ウォルドマン) である。Bccthisは、Outlook、Gmail、BlackBerryのプラグインとして、メール本文へブラインドのメッセージを追加する機能を提供している。

Bccthisの機能概要

下のスクリーンショット (出典はいずれもBccthis, LLC) は、OutlookでBccthisを使ってメールを作成している様子である。スクリーン・ショット上部は、いつものOutlookのメール作成画面である。Bccthisは、メール本文下部に、第二のボックスを開き、ここでブラインド・メッセージを作成することができる。ブラインド・メッセージの送信先は、右下のボックスにおいて、送信先アドレスを選択する。ブラインド・メッセージは、このアドレスで指定された受信者だけが、メール本分に加えて、読ことができる。通常のメール受信者は、このブラインド・メッセージは読むことはできない。

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次のスクリーン・ショットは、ブラインド・メッセージをOutlookで受信した様子である。画面上部の枠内に、ブラインド・メッセージが表示され、その下にメール本文が表示される。ブラインド・メッセージの利用方法は様々で、このケースでは、上司が特定の部下だけに、仕事の指示を出している様子である。Dave Waldmanという上司が、部下三人に、プロジェクトが完了し、労いのメッセージを送っているところである。ここで、Bccthisの宛先にBrian Elkanを指定し、Elkanだけにブラインド・メッセージで、慰労会のアレンジを依頼しているシーンである。

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Waldmanによると、電子メールは日常のビジネスで、標準コミュニケーション手法として幅広く普及しているが、電子メールでの情報伝達では、その半分が意思疎通が上手く行っていないとしている。その結果、受信者の誤解により、受信者が不快な思いをするケースが多いと分析している。Bccthisは、ブラインド・メッセージを添付することで、発信者の真意を伝える枠を設け、スムーズなコミュニケーションができるとしている。

考察

アメリカ人とのコミュニケーションでは、親切丁寧に説明してくれるケースが多く、特にブラインド・メッセージの必要性は感じない。一方で、日本人同士の交信では、言葉数が少ないケースが見受けられる。Bccthisは、アメリカではなく日本において、本文で言葉が足らない分を、ブラインド・メッセージで補う利用法が適しているのかもしれない。

iPhoneアプリケーション (4)

Friday, February 19th, 2010

iPhone向けビジネス・アプリケーションの中で、生産性向上のツールに、Documents Freeという製品がある。これは、オーストラリア・メルボルンに拠点を置く、SavySoda (サヴィー・ソーダ) という会社が開発した、iPhone向けのスプレッドシートとドキュメント製品である。

Documents Free概要

利用者は、iPhone上でDocuments Freeを使って、表計算を行い書類の作成をすることができる。下のスクリーンショット (出展:Apple) 左側は、Documents Freeの中の「Spreadsheet」という表計算アプリケーションを操作している様子である。年度ごとのバランスシートをiPhone上で作成しているところである。対象のセルを選んで、そこに数字、テキスト、関数などを、ソフト・キーボードから入力していく。フォーマッティング機能で、セル背景の色を指定できる。まさに、パソコン上での表計算操作を、iPhoneで行なうことができるアプリケーションである。

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スクリーンショット右側は、「Text Document」というアプリケーションで、メモ帳に相当する機能を提供する。このアプリケーションで、ソフト・キーボードから文字を入力し、文書を作成している様子である。これらスプレッドシートやドキュメント作成が完了すると、それらをiPhone上にファイルとして保存する。更に、Googleのアイコンをクリックすると、Google Docsへのログイン画面が表示される。ここでユーザ名とパスワードを入力すると、Google Docsへアクセスできる。利用者は、iPhoneで作成したファイルを、Google Docsに保存でき、また、Google Docsに保存しているファイルをiPhoneにダウンロードして編集することができる。また、WiFiボタンを押すと、iPhoneとパソコン間でファイル共有を行なうことができる。パソコンのブラウザーに、iPhoneのIPアドレスを入力すると、パソコンからDocuments Freeで作成したファイルを閲覧できる。また、パソコンからiPhoneにファイルをアップロードすることもできる。iPhoneの小さなスクリーンという制約はあるものの、iPhoneでMicrosoft Officeに匹敵した機能を使うことができる。

ビジネス・モデル

Documents Freeは名称の通り無償のアプリケーションである。利用者はApp Storeからダウンロードして自由に利用できるが、同時に広告が配信される。表計算のアプリケーションの最下部に、AdMob (アドモブ) という広告ネットワーク企業から、Comcast Business Classなど、中堅企業向けの広告が配信される。他に、Domino Pizzaの広告では、利用者がピザのスペックを細かく指定して、近所の宅配サービスに注文を出すことができる。表計算のバランスシートの内容まで分析して、ターゲッティング広告を配信しているとは思えないが、利用者のプロフィールを絞り込めるはずである。このように、SavySodaというソフトウェア企業は、オフィス関連アプリケーションへの広告収入で、ビジネスを構成している。

iPhoneアプリケーション (3)

Friday, February 19th, 2010

iPhone向けビジネス・アプリケーションの中で、社外で仕事をするときに使えそうなのが、Remote Desktop Liteという製品である。Remote Desktop Liteは、デンマーク国籍のMochaSoft Aps (モカソフト・アプス) という会社が開発したものである。

Remote Desktop Lite概要

Remote Desktop Liteは、iPhoneから遠隔操作で、会社のパソコンにアクセスするアプリケーションである。下のスクリーンショット (出展:Apple) 右側は、iPhoneから、リモートでWindows 7のデスクトップにログインし、スタート・ボタンをクリックした様子である。iPhoneの前景にはスタート・ボタンのメニューが表示され、その背景にはWindows 7の初期画面が見えている。

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スクリーンショット左側は、Windows Explorerを起動して、ドキュメント・ファイル名を入力している様子である。Remote Desktop Liteのキーボードを起動すると、iPhoneのソフト・キーボードが立ち上がり、ここからファイル名などを入力する。Remote Desktop Liteの仕組みは、WindowsのRemote Desktop機能をそのままiPhoneから使うものである。まず、アクセスされる側のパソコンで、Remote Desktop機能をオンにしておく。そして、iPhone側で、アクセスするパソコンのIPアドレス、ユーザ名、パスワードを入力するとリモート端末にアクセスできる。

実際に使ってみると、簡単にiPhoneから、WiFi経由でパソコンにアクセスすることができた。上述の認証プロセスが終了すると、ウインドウズの初期画面が表示される。ここでMicrosoft Wordを開いて、ソフト・キーボードで編集して保存するという、一連のプロセスを実行できた。他に、ExcelやPowerPointにアクセスして同様な処理をすることができた。処理速度は充分に速く、画面操作をスムーズに違和感なく行なうことができた。因みに、Remote Desktop LiteがサポートしているOSは、Windows 7とWindows Vistaである。

ビジネス・モデル

出張などで社外で仕事をする際に、ラップトップからパソコンにアクセスしていたが、これからはiPhoneでこの操作が可能となる。非常に便利な反面、iPhoneの小さなスクリーンでは、パソコン上の処理は、簡単なテキスト作成などに限られてしまう。操作上の制約はあるものの、iPhoneから手軽に、自分のデスクトップを参照できるのは、便利である。Remote Desktop Liteは、無料でApp Storeからダウンロードして使うことができる。MochaSoftは、機能強化した製品をRemote Desktopとして、$5.99で販売している。MochaSoftのビジネス・モデルは、無償製品を試供品として無償で提供し、有償製品の販売や会社知名度の向上に役立てている。MochaSoftは、無償で製品を提供しても、しっかりリターンを得ている。