Archive for May, 2008

Arastra, Inc. (Interop Las Vegas 2008より)

Friday, May 30th, 2008

10 ギガビット・スイッチで遅れを取っていたExtreme Networks (イクストリーム・ネットワークス) は、インターロップの会場で「Summit X650 (サミットX650) を発表し、遅ればせながら10ギガビット・スイッチ市場に参入した。これで主要ベンダーからの10 ギガビット・スイッチ製品が出揃い、ネットワーク市場での競合が熱を帯びてきた。

 

今回会場で注目を集めたのは、Arastra (アラストラ) というベンチャー企業で、「Arastra 7000 Series」という10 ギガビット・スイッチ(下の写真、出展:Arastra) を開発している。

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この製品は1Uのシャシに搭載され、ラックマウント型サーバーの一番上に乗せて使用する。この形態での使用方式を、文字通り、「Top of Rack(ラック最上部) と呼んでいる。Arastraが注目されたのはその価格で、10ギガビット・ポートあたり400ドルという低価格である。10 ギガビット・スイッチ製品が急速にコモディティに向かいつつあることを実感させる事例である。Arastraはサン・マイクロシステムズ創設者の一人であるAndy Bechtolsheim (アンディ・ベクトルシャイム) がエンジェルとして資金を投資している。Bechtolsheimは高速ネットワーク・スイッチ技術に注目しており、1995年にはGranite Systems (グラナイト・システムズ) を設立し、その後シスコがこれを買収している。高速スイッチが手の届くところまで降りてきて、次世代データセンタ構築の道具が揃った。

 

トレンド

クラウド構築での大きな問題が、サーバー間での大量データの移動である。今年のインターロップでは、大手企業やベンチャー企業から、高速ネットワーク・スイッチ製品が投入され、クラウド・コンピューティングの要素技術が揃いつつあると感じた。

Foundry Networks, Inc. (Interop Las Vegas 2008より)

Friday, May 30th, 2008

インターロップの展示会場に入ると、目の前に、Foundry Networks (ファウンドリー・ネットワークス) の大きなブースが目に飛び込んでくる。(下の写真、出展:VentureClef) ネットワーク市場での好調さを反映しているのか、Foundry Networksのブースは展示会場で最大の大きさである。

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Foundry Networksの主力製品は「BigIron (ビッグ・アイアン) という商品名の高速スイッチである。BigIronシリーズの最大構成である「RX-32」は、10 ギガビット・イーサネット・ポートを最大128個サポートする。Foundry Networksの特徴は、大規模なスイッチだけでなく、グリーン・コンピューティングにある。BigIronの最大構成での発熱量は11,353ワットで、10 ギガビット・ポートあたり88ワットの電力消費量となり、グリーンなスイッチである。ポートが使われていない際は更に30%の節電となる。また、BigIronEUの製造規格であるRoHS (ローズ、Restriction of Hazardous Substances Directive) に準拠し、製造過程で有害物質を使用しておらず、地球環境に優しい製品である。

Cisco Systems, Inc. (Interop Las Vegas 2008より)

Friday, May 30th, 2008

インターロップ創設時の最重要メンバーであるシスコであるが、すこし控えめに新製品の展示を行なっていた。基調講演ではスイッチング&サービス・グループの上級副社長であるJayshree Ullal (ジェイシュリー・ウラル、カンファレンスの後シスコを退職) が、次世代データセンターにおけるネットワークの役割について講演した (次章の写真、出展:Interop)Ullalはシスコの最新スイッチである「Nexus 7000 Series (ネクサス7000シリーズ) を中心に、「Network as a Service (NaaS) というコンセプトを紹介した。

Nexus 7000 Series10 ギガビットのイーサネット・ポートを持つ高速スイッチで、将来は40 ギガビットから100 ギガビットのイーサネットをサポートするとしている。この講演で興味深かったのは、高速スイッチを活用したデータセンターの構成事例である。

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Ullalはデータセンターの進化を、汎用機による「集中型」から、クライアント・サーバーによる「分散型」に移り、現在は仮想化技術を活用した「仮想型」に移りつつあるとしている。更に、「仮想型」の次に位置するのが「調和型」(Orchestration)であり、これを「Datacenter 3.0」と命名している。

現在、データセンターでは仮想化技術が幅広く採用され、このため膨大な数の仮想サーバーが企業内に散乱している。調和型では、これらのリソースを統合し、必要な際に必要なだけのサービスを提供する形式を目指しているとしている。ネットワークの観点からは、これを「Unified Fabric(ユニファイド・ファブリック) と呼んでおり、その中心にNexus 7000 Seriesが位置する。更に、ネットワーク機能を必要な際に必要なだけ切り分けて提供する形態をNetwork as a Serviceと呼んでいる。クラウド・コンピューティングではプロセッサーやストレージに注目が集まるが、これからはネットワークもユティリティとして提供される時代となる。

LifeSize Communications, Inc. (Interop Las Vegas 2008より)

Friday, May 30th, 2008

昨年から今年にかけて、テレプレゼンス (Telepresence) 製品の導入が広まりつつある。テレプレゼンスとは、テレビ会議などで、相手側がすぐ目の前にいるような臨場感を起こさせる通信手段のことを指す。

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具体的には、大画面のモニターに等身大の人物をハイビジョン (High Definition) で映しだすテレビ会議システムのことを指す。シスコやHPから製品が投入されているが、いずれも値段が非常に高く、導入へのハードルはまだ高い。LifeSize Communications (ライフサイズ・コミュニケーションズ) は、この市場に対して、LifeSize Express (ライフサイズ・イクスプレス) というテレプレゼンス普及型製品を発表し、システム導入の敷居を下げている。

 

前頁の写真 (出展:VentureClef) LifeSize Communicationsのブースで撮影したものである。製品は本体 (LifeSize Codec) 、カメラ・マイクからなり、モニターは別売りである。これを5000ドルで販売している。ブースでは製品責任者のDavid Morrison (デービッド・モリソン) が、LifeSizeは中堅企業だけでなく、大企業でも売れていると説明してくれた。アメリカの景気後退で出張費用が削られ、その代わりにテレプレゼンスを設置する企業が増えているとのこと。ガソリン価格の高騰で自宅勤務 (Telecommute) の形態が増え、テレプレゼンスが通信手段として使われているとのこと。なかなか普及が進まないテレプレゼンスであるが、普及版の登場とガソリン価格の上昇で、今年こそは流行る予感のするシステムである。

Palo Alto Networks (Interop Las Vegas 2008より)

Friday, May 30th, 2008

インターロップにはセキュリティ関連企業が数多く参加しており、 展示会場の一角を「Security and Compliance Zone」とし、ここでセキュリティ最新技術が紹介された。この中で注目を集めたのが、「次世代ファイアーウォール」(Next-Generation Firewall) を開発しているPalo Alto Networks (パロアルト・ネットワークス) である。

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展示されていた製品は「PA-4000 Series(上の写真、出展:Palo Alto Networks) である。PA-4000 Series は、OSI参照モデルの第七層 (アプリケーション層) でフィルタリングを行なうファイアーウォールで、次世代ファイアーウォールと呼ばれている。これは、従来型のファイアーウォールと比較して、通信トラフィックをアプリケーションのレベルで制御できる点に特徴がある。企業のIT管理者は、通信トラフィックから、P2P、スカイプ (Skype)、ジュースト (Joost) などのアプリケーションを判別でき、必要に応じてこれらの通信を遮断することもできる。

 

PA-4000 Seriesがアプリケーションを特定する仕組みは、まず、「App-ID」というモジュールが、アプリケーションが使っているプロトコールの種類 (HTTPなど) を特定する。通信がSSLで暗号化されていれば、複合化してから解析する。次に、App-IDはトラフィックからアプリケーションの「指紋」 (Signature) を読み取る。指紋とはアプリケーションの際立った特徴で、Palo Alto Networksは、頻繁に使われるアプリケーション600種類の特徴を採取しデータベース化している。Enterprise 2.0の時代に入り、インスタント・メッセージングやRSSやソーシャル・ネットワークが社内で仕事のツールとして使われ、私的なインターネットへのアクセスと見分けがつきにくくなってきた。ここが次世代ファイアーウォールの大きな市場であると改めて実感した。