Archive for December, 2010

オープンソース・クラウド

Saturday, December 25th, 2010

来年大きく開花しそうな技術に、OpenStack (オープンスタック) がある。OpenStackとは、NASAとRackspace (ラックスペース) が中心となり開発が進められている、オープンソースのクラウドである。

OpenStackの概要

OpenStackは、大規模クラウド構築のためのオペレーティング・システムで、NASAとRackspaceにより創設され、コミュニティにより開発が進められている。OpenStackは、二つのコンポーネントから構成され、それぞれ、OpenStack Computeと OpenStack Object Storageである。OpenStack Computeは、仮想サーバを管理する機能を提供している。OpenStack Object Storageは、大規模ストレージを構成するための機能を提供している。ざっくり表現すると、OpenStack ComputeはAmazon EC2 (Elastic Compute Cloud) に相当し、OpenStack Object Storageは、Amazon S3 (Simple Storage Service) 相当する。利用者は、これらのコンポーネントに、API (Application Program Interface) を通じてアクセスする構造となっている。クラウド機能へアクセスする方式も、アマゾン・クラウドと同じである。OpenStackは、上述の通り、オープンソースの手法で、コミュニティにより開発が進められており、ソースコードはApache 2.0のライセンスで公開されている。利用者は、OpenStackを自由に使うことができるだけでなく、自由に改造し自社製品に組み込んで使うことができる。開発者向けの初期バージョン (Austinという版数) は、10年10月に一般公開されている。

OpenStackの開発経緯

オバマ政権になってから、連邦政府のコンピュータ・システムをクラウドに移行する指針が示された。これに呼応して、NASAのAmes Research Center (エイムス研究所) は、独自クラウドの開発を始めた。このクラウドはNabula (ネビュラ) という名称で、下の写真 (出展はいずれもNASA) の通り、コンテナーに高密度に実装されている。開発の指揮をとっていたのは、Chris Kemp (クリス・ケンプ) という若いCTO (Chief Technology Officer) であった。NASAは、オープンソース・クラウドであるEucalyptus (ユーカリプタス) をベースに、システムの開発を行なっていた。しかし、NASAは、09年11月頃に、Eucalyptusをベースとしたクラウドの開発を中止し、全てのコードを独自で開発することに方針を転換している。

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NASAのクラウド開発や、OpenStackの開発指針などについて、RackspaceのRon Peddeから聞くことができた。Peddeは、RackspaceのMosso部門 (クラウドで開発環境を提供している部門) のシステム・エンジニアで、OpenStackについて技術的な見地から、解説してくれた。まず、NASAがクラウド開発を開始した際に、「NASAはオープンソース・クラウドの評価を行い、Eucalyptusを選定した。」 NASAは、Eucalyptusをベースとしたクラウドの開発を進めていたが、「Eucalyptusは大規模システムに対応できないことが分かり、Eucalyptusベースでの開発を中止し、独自でコードの開発を始めた」と説明してくれた。このため、NASAはクラウドの開発を、ゼロから行なうことになった。ちょうど同時期に、Rackspaceも、独自クラウドの開発を行なっており、開発したソフトウェアをオープンソースとすることを計画していた。Rackspaceは、NASAに接触して、両者が共同でクラウドの開発を行なうこととした。共同開発のクラウドは、OpenStackという名称とし、開発したコードはオープンソースとして公開することとした。Peddeによると、「OpenStackはRackspaceのCloudFSと、NASAのNovaを統合した構成である」と述べた。CloudFSとは、Rackspaceが開発していたクラウド・ファイル・システムで、上述のOpenStack Object Storageとして開発が進められている。Novaは、NASAがゼロから開発していた部分で、OpenStack Computeとして組み込まれている。また、OpenStackの開発指針については、オープンソースの手法で開発するだけでなく、標準クラウドとなることを目指している。Peddeによると、「利用者が特定企業のクラウドにロックインされるのではなく、OpenStackは標準仕様のクラウドを目指している」と説明してくれた。

OpenStackの適用事例

OpenStackは、前述の通り、大規模クラウドの構築を目標としており、100万台の物理サーバと6000万台の仮想マシンを制御することを目指している。つまり、OpenStackは、世界最大規模のクラウドの構築を目論んでいる。この背景には、NASAは、研究所内の独自クラウド (Nebula) を、OpenStackで構成し、スパコン・クラスの性能を必要としているためである。NASAは、Microsoft Researchと共同で、火星の高解像度画像をリアルタイムで配信するプロジェクトをNebulaの上で展開する計画である。このプロジェクトは、WorldWide Telescope (宇宙全体を克明にマップするシステム) の一部で、火星表面を高画質・三次元で表示し、利用者はブラウザー上で火星を探索できることとなる。これは、Google Earthの火星版で、火星の名所旧跡を、案内に従って訪れることができる。計画されている有人火星探査船の着陸候補地や、Spirit Rover (火星に着陸した最初の無人探査車) の着陸地点などを見ることができる。これらの画像は、火星探査衛星 (Mars Reconnaissance Orbiter) から送信される写真を使い、火星全体が5億枚の升目で表現される。因みに、下の写真は、現行のWorldWide Telescopeで見たSpirit Roverの着陸地点。

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トレンド

OpenStackは、自らのソフトウェアを、クラウドOS (Operating System) と呼んでおり、クラウドOS市場でのAndroidとなることを目指している。OSの歴史を振り返ると、サーバOSではオープンソースのLinuxが市場を席巻し、モバイルOSではAndroid搭載携帯電話の数が急増している。クラウドOS市場では、Amazonという固有仕様のクラウドOSが突出しているが、ここにOpenStackというオープンソース・クラウドが登場した。来年は、オープンソース・クラウドの採用が始まるのか、市場が大きく動きそうである。

企業向けフェイスブック

Friday, December 17th, 2010

タイム誌は、Person of the Year 2010 (今年の人、下の写真、出展:Time) に、Facebook創設者であるMark Zuckerberg (マーク・ザッカーバーグ) を選んだ。

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記事の概要

タイム誌は、Zuckerbergを選定した理由として、5億人の会員を結び、友人関係を定義し、情報交換の新しい方式を生み出し、生活様式を変えたためとしている。記事では、Zuckerbergの人物像が新しい視点から描かれ、ソーシャル・ネットワークのビジョンが語られている。映画「The Social Network」では、Zuckerbergは、頭脳明晰だが女性にもてない裏切り者として描写されている。タイム誌では、一転して、社員に慕われる、ビジョナリーとして紹介されている。

記事の中で、Zuckerbergがソーシャル・ネットワークの構想について述べている部分が、興味深かった。Zuckerbergは、ウエブサイトを、「Facebookization」(フェイスブック化) することを目標としていると述べている。Facebookizationとは、「どのウェブサイトに行っても、自分の友人と出会えるようにする」ことである。「Amazon.comに行くと、友人と出会え、そこで友人が書いた書評を読むことができる。・・・ これらの書評は他人が書いたものより、重みを持っている。」と、ソーシャル・ネットワークの価値を説明している。タイム誌は、「次のGoogleは誰か想像できないが、人物を中心にウェブを整理する会社かもしれない。」と、技術トレンドはFacebookに向かっていることを示唆している。人物を中心に構成されたウェブを、「shift from the wisdom of crowds to the wisdom of friends」 (群集の知恵から友人の知恵へのシフト) と表現している。Web 2.0で話題となった集合知から、ソーシャル・グラフを使った、友人間での知恵に遷移を始めている。最後に、Zuckerbergは、会社の進む方向について、「今後五年間は、ソーシャル・プラットフォームを構築する期間」と述べている。この基盤上で、ソーシャル機能を持ったアプリケーションが稼動し、イノベーションが起こることを示唆している。また、「他の産業もソーシャル機能の重要性を認識することとなる」とも述べている。つまり、今後は、テレビのような家電製品もソーシャル機能を搭載し、友人と交流しながらテレビ番組を見ることになる、と予測している。

Yammerという企業

今年はFacebookで始まり、Facebookで暮れた年となった。Facebookは、日本や中国などを除き、世界における標準通信手段となっている。この仕組みを企業向けに提供しようとする動きが活発となってきた。Salesforce.comは、先月から、Chatter (チャター) というサービスを開始し、Facebookのインターフェイスで業務を推進できる機能を提供している。多くのベンチャー企業も、この市場に進出を始めている。その中で、Yammer (ヤマー) という、サンフランシスコに拠点を置くベンチャー企業は、Facebookの仕組みを、そっくりそのまま企業内のコラボレーションに応用している。Facebookが標準のコミュニケーション手段であるが、企業において、Facebookをそのまま業務で使用するには、セキュリティや会員管理など、多くの問題点を含んでいる。そこでYammerは、企業向けに、安全なソーシャル・ネットワーク機能を提供している。

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Yammerの機能概要

このサービスは同名のYammerという名称で、Facebookとそっくりなインターフェイスで機能を実装している。上のスクリーンショット (出展:Yammer) は、Yammerのホームページであるが、一見して、Facebookのホームページを思わせる作りである。一番上の箱の中に、Facebookと同様に、コメントを書き入れて情報を発信する。これは、Enterprise Microbloggingという機能で、業務の状況などを発信する際に使用する。左側のカラムで、Direct Messagingの項をクリックすると、同僚(個人又は複数人)に向けて、メッセージを発信できる。また、Facebookのように、ファイルや写真をアップロードして、同僚やグループ、又は、全社で共有することができる。このグループとは、社内のプロジェクト・チームや同好会などである。左側のカラムのGroupsの項をクリックすると、Facebookと同様に、グループを形成することができる。また、会員のプロフィールには、業務内容、過去の経歴、連絡先、顔写真などが掲載されている。

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上のスクリーンショット (出展:Yammer) は、Yammerを使って、業務が進行している様子を示している。Margaret Smithという社員のホームページを示しており、左側のカラムには顔写真や連絡先が表示されている。右側のカラムでは、Messagesタブ (FacebookのWallに相当) に、Smith宛に送付されたメッセージと、そのメッセージへの返信が表示されている。同僚のJon Grallから、新設したFAQに対する意見を求められ、それに対してSmithが返信している様子である。

トレンド

Zuckerbergが、タイム誌の記事の中で述べているように、ソーシャル機能が様々な局面で実装されている。Yammerは、元々企業向けTwitter機能を提供していたが、ソーシャル機能を企業内の業務推進に応用するサービスに急転回した。いまベンチャー・キャピタルは、企業向けソーシャル機能を開発している企業に、集中的に投資をしている。Facebookの急成長と同期して、企業向けFacebook市場が立ち上がり始めた。

映画ストリーミング配信

Friday, December 10th, 2010

サンフランシスコで開催された、NewTeeVee (ニュー・ティーヴィー) カンファレンスでは、テレビとインターネットの融合が進むに連れ、テレビ上でのキラー・アプリケーションは何かが話題となった。カンファレンスでの議論の中で、しばしばNetflix (ネットフリックス) という会社が引用され、同社が展開している、インターネット・テレビ向けの映画配信サービスに注目が集まった。

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Netflix会社概要

Netflixは、上述の通り、インターネットで映画配信を手掛けている企業で、1997年に、DVDレンタル・サービスの会社として創業した。現在でも、映画DVDを郵送する方式で、映画レンタル・サービスを展開している。真っ赤な封筒でDVDが郵送され、アメリカで人気のDVDレンタル・サービスである。2003年には、インターネット・ブームに乗って、Netflixはインターネット経由で映画コンテンツを配信する技術を開発し、セットトップボックス形状の機器を300ドルで販売を始めた。この機器を家庭に設置して、映画のダウンロードを行なう方式であったが、一本の映画をダウンロードするのに6時間以上かかり、普及には至らなかった。2005年頃には、YouTubeが絶大な人気を集め、市場ではストリーミング方式でビデオを観る方式が定着してきた。Netflixは、映画をダウンロードする方式ではなく、今度は、ストリーミングする方式で事業を再構築した。会員はパソコンのブラウザーから、Netflixのサイト (上のスクリーンショット、出展:Netflix) にアクセスし、希望の映画を選択して閲覧する方式である。希望する映画のPlayボタンを押すと、映画コンテンツがストリーミングされ、そのまま直ぐに映画を観ることができる。利用者はパソコンのブラウザーで、手軽に映画鑑賞を楽しめるようになった。

Netflixのサービス拡大

Netflixは、コンテンツ配信先を、パソコンだけでなく、リビングルームのテレビを目指して、新しいサービスを開始した。Netflixは、家電メーカーと提携して、コンテンツのストリーミングを、ゲーム・コンソール (Microsoft Xbox等)、ストリーミング・プレーヤ (Apple TVやRoku等)、薄型テレビ(Sony BraviaやPanasonic Viera等)、DVR (TiVo) 向けに開始した。利用者は、これらの機器をインターネットに接続し、ストリーミングされた映画を受信し、それをテレビ画面に表示して、映画を楽しめるようになった。このストリーミング・サービスは、従来型のDVDレンタル・サービスとバンドルして提供されていた。しかし今月から、Netflixは、ストリーミング方式単独のサービスを、月額7.99ドルで開始した。利用者は、月額7.99ドル払うと、観たい映画を何本でも観れるようになった。この価格は、Hulu Plusの月額7.99ドルに対抗するもので、市場での競争が激化してきた。

この新価格を契機に、我が家でも、このストリーミング・サービスを契約して、テレビでNetflixを見る生活パターンが定着してきた。今までは、NetflixをiPad向けに契約しており、9.7インチの小さな画面で、一人で観ていた。新契約に更新してから、改めて、映画はみんなで、テレビの大画面で観るものであることを実感している。

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映画閲覧の操作は簡単で、Netflixのウェブサイトで観たい映画を選択し、Playボタンではなく、Instant Queueボタンを押して、キューに登録する。次に、テレビ (上の画面、出展:VentureClef) でNetflixアプリケーションを起動して、キューに入っている映画のPlayボタンを押すと、映画のストリーミングが始まる (次の画面、出展:VentureClef) 。映画のストリーミングが始まるまでに、1-2分程度時間を要するが、一旦ストリーミングが始まると、映画は途切れることなく、スムーズに表示される。途中で映画をポーズして、後日観ることもできるし、また、異なるデバイスで観ることもできる。映画がストリーミングされるため、コンテンツは手元には残らないが、DVDを買って観る方式に比べ、格段に便利で、映画を観る本数が一挙に増えた。

コンテンツ配信企業

配信されるコンテンツは、映画とテレビ番組である。利用者は、それぞれのジャンルごとに、観たい映画やテレビ番組を検索できる。New Arrivalsのタブを選択すると、最新の映画やテレビ番組のサムネールを見ることができる。Netflixが配給を受けている映画会社は、ParamountやMGMなどである。映画会社としては、Netflixにコンテンツを供給すると、DVDなどの売り上げが落ちてしまう懸念がある。しかし、その一方で、映画会社は、不況で、DVDの販売不振が続いており、上述の映画会社は、Netflixにコンテンツを供給し、このチャネルでの販売増加を期待している。

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Netflixの急成長

Netflixは事業拡大に伴い、システムも大幅にアップグレードしている。コンテンツ配信機能については、Netflixは、自社サーバからアマゾン・クラウドに移行している。また、コンテンツ配信ネットワークについては、Akamai、Limelight、Level3の三社を使っている。Netflixの通信性能は2.9Tbpsで、100万人の利用者に同時に、高画質コンテンツを配信できるとしている。アメリカにおいて、ゴールデンタイムのインターネット・トラフィックの20%が、Netflixのコンテンツ配信であるといわれており、Netflixが各家庭に浸透していることを物語っている。Netflixは、ケーブルテレビや衛星放送と、正面から競合することになり、Cord Cuttingという現象を引き起こした張本人とも言われている。Netflixは、今年に入り、急速に業績を伸ばし、いまでは映画レンタルの半分以上が、ストリーミング方式によるものであると公表している。NetflixをAmazon Video on Demand (アマゾンの映画ストリーミング・サービス) などが追撃しているが、その差は歴然としている。当分の間、Netflixの独壇場が続きそうである。

Google TV発売 (NewTeeVee Liveより)

Saturday, December 4th, 2010

サンフランシスコで開催された、NewTeeVee (ニュー・ティーヴィー) カンファレンスでは、Google TVの開発責任者であるRishi Chandra (リシ・チャンドラ) が、カンファレンス主催者であるOm Malik (オム・マリック) との対談で、Google TVの製品概要や製品戦略などについて議論した。

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Google TV製品概要

Google TVは、10年10月から販売が開始され、SonyとLogitechから、製品が出荷されている。製品はスタンドアロン型と、薄型テレビに接続するセパレート・ボックス型として提供されている。Sonyからは、Internet TV (スタンドアロン型、上の写真左側、出展:Google) と、Internet TV Blu-ray (セパレート・ボックス型、写真右下) が、また、LogitechからはRevue (セパレート・ボックス型、写真右上) が出荷されている。両社の製品には、テレビを操作するために、専用のキーパッドが添付されている。Sony製品では、上の写真のキーパッドを両手で持って、テレビを操作する方式である。

Google TVは、テレビ機能とインターネット機能とが、一つに融合された形式となっている。Google TVでは、テレビを観るだけでなく、ウェブサイトへのアクセス、検索、アプリケーションの実行を行なえる。ここで言うアプリケーションとは、Androidアプリケーションで、製品にプレロードして出荷されている。

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上の画面 (以下出展はいずれもVentureClef) は、Google TVの初期画面でApplicationsを選択した様子である。CNBC Real-Time (CNBCウェブ・テレビ番組閲覧、下の写真)、Google Chrome (ブラウザー)、Netflix (映画レンタル) などのアプリケーションが表示されている。その下には、Pandora (インターネット・ラジオ)、TV (テレビを観るアプリケーション)、Twitter (ツイッター) などのアプリケーションが続く。今後は、Android Marketからアプリケーションを、Google TVにダウンロードして、利用することができる。

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Google TVとウェブサイト

Google TVは、テレビ機能とインターネット機能が、一体化して実装されている点に最大の特徴があり、上述のGoogle Chromeから、ウェブサイトにアクセスすることができる。Google Chromeをクリックすると、初期ページではGoogle検索エンジンが表示され、ここにキーワードを入力して、目的のサイトに到達する仕組みとなる。テレビから任意のウェブサイトにアクセスできるようになった。YouTubeにも、専用のアプリケーション経由では無く、ブラウザーから直接アクセスできる。このサイトは、YouTube Lean Backという、Google TV向けにインターフェイスが最適化された構造となっている。初期画面には、検索ボックスなどなく、すぐにビデオが始まり、テレビ番組を見る感覚でビデオを閲覧できる。

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Google TVでは、このブラウザー経由で、ウェブサイトに掲載されている、テレビ番組を観ることができる。上の画面は、NBCの人気ニュース番組である「Nightly News with Brian Williams」をGoogle TVで閲覧している様子である。テレビで放送されるニュースがそのままウェブサイトに掲載されており、視聴者にとっては大変うれしいサイトである。一方、同じNBCであるが、人気コメディー番組「The Office」はブロックされていて観ることはできない。下の画面はGoogle TVからThe Officeにアクセスした様子で、画面に「Sorry, the content….is not available on this device.」と表示され、番組を配信できない旨を説明している。他に、Huluは全てのコンテンツをブロックしているが、Hulu PlusでGoogle TVに対応することを検討中である。その一方で、Time Warner (HBOなど) やTurner Broadcasting System (CNNなど) ほか、多くのネットワークは、積極的にGoogle TVに番組を供給している。Huluを含む四大ネットワークは、人気コンテンツをブロックしているが、その他のネットワークは、コンテンツを提供している構図となっている。

Google TVの製品戦略

カンファレンスでは、Chandraが、四大ネットワークの人気テレビ番組が、Google TV向けにブロックされていることについては、次の通り説明した。多くのコンテンツ供給者は、Google TVを歓迎しており、Google TV向けに番組を供給している。Google TVの狙いは、ケーブルテレビを置き換えるのではなく、テレビとウェブが共存することを目指しているとし、Chandraは、Google TVがコンテンツ供給者に、新しいビジネス・チャンスを与えていることを強調した。

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実際にGoogle TVを使って見ると、ウェブ・ビデオとテレビ番組が、同次元で閲覧でき、チャネル数が一挙に増えた感覚である。今までテレビ内に閉じ込められていたが、壁を破って、インターネットという自由を手に入れた感慨がある。テレビでウェブ・サーフィンすると、ウェブ上には、数多くのテレビ番組が掲載されていることを改めて認識した。更に、これらウェブサイトのインターフェイスは、テレビ向けに最適化され始めており、ソファに腰掛けて快適に閲覧できる。利用者がテレビでウェブ・ビデオを観る生活様式は、早くやって来そうである。これに会わせて、コンテンツ供給者としても、Google TV上で新事業が開けてくる。Google TVは、製品としては荒削りのところはあるが、テレビとウェブの融合を加速させる製品である。