Archive for September, 2011

ソーシャル・テレビ

Friday, September 30th, 2011

Huluは、Hulu on Facebookというアプリを発表し、Facebook上でHuluが提供するテレビ番組を見て、コメントを書き込める機能をスタートした。テレビを見る行為がよりソーシャルになってきた。

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IntoNow機能概要

ベンチャー企業もソーシャル・テレビ技術の開発を進めている。IntoNowというベンチャー企業は、テレビ番組を介した、ソーシャル・ネットワーク機能を提供している。IntoNowは、同名のiPhoneとAndroidスマートフォン向けのアプリケーションを提供している。IntoNowは、テレビで放送されている番組を言い当てる機能を持っており、スマートフォンをテレビにかざすと、いま放送されているテレビ番組名を回答する。実際にテレビの前でIntoNowを起動して、試してみた。IntoNowのテレビの形をしたボタンを押すと、音声を読み込み解析が始まった。(上のスクリーンショット右側、出展はいずれもVentureClef)。しばらくすると、放送中の番組は「Seinfeld」(サインフェルド)であると表示 (上のスクリーンショット左側) し、正しい答えを返してきた。他の番組でも試してみたが、IntoNowは20秒以内で、全ての番組を、正しく言い当てた。コマーシャルの時は、「This is a commercial」と回答し、これも正しく回答した。

IntoNowの使い方

利用者は、IntoNowが言い当てたテレビ番組を介して、友人とコミュニケーションを行なうことができる。利用者は、いま見ている番組について、コメントを記入して、ソーシャル・ネットワークに投稿できる。下のスクリーンショット左側は、前述のSeinfeldの番組について、コメントを書き込んでいる様子である。これをIntoNowだけでなく、FacebookやTwitterに発信できる。また、他の利用者が投稿したコメントを読むことができる。(下のスクリーンショット右側) IntoNowはテレビをソーシャルに見るためのツールである。

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IntoNowが放送中の番組を特定する機能は、SoundPrintという技術を使用している。SoundPrintは、過去五年間に放送したテレビ番組の音声解析を行い、そのデータベースを構築している。SoundPrintは、テレビで放送されている番組の音声と、データベースに格納されているインデックスを比較して、番組を特定する。番組の音声が固有に持っている特性を比較することで、新規に放送された番組も特定することができる。IntoNowを利用することで、テレビ視聴者は、単独でテレビを見るのではなく、ソーシャル・ネットワークでつながり、仲間と一緒にテレビをみる環境が生まれる。

スポーツ番組ディスカバリー (Launch: Silicon Valley 2011より)

Friday, September 30th, 2011

新興企業の登竜門という位置づけのカンファレンス「Launch: Silicon Valley 2011」が、Microsoftのシリコンバレー・キャンパスで開催された。このカンファレンスは、誕生したばかりの企業が、ステージで製品発表を行い、審査員が将来性を評価する形式で進行した。ベンチャー企業版スター誕生といえるイベントであった。

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Thuuzという企業

ベンチャー企業とテレビの関係が密接になってきた。Thuuz (スーズ) という企業は、スポーツ番組について、見所を視聴者に伝えるサービスを提供している。上のスクリーンショット (出展:VentureClef) は、Thuuzから受信したメールで、野球中継の見所を示している。このメールは、9月5日に行なわれた大リーグのOrioles対Yankees戦で、九回表から試合を見るように薦めている。実際の試合の流れは、七回までは11対8とYankeesがリードしており、これで試合が決まるかと思われた。しかし、Oriolesは八回と九回に1点ずつ返し、一転して、緊迫した試合運びになった。九回にOriolesが一点差まで詰め寄り、Thuuzが推奨している通り、九回が試合の山場となった。Thuuzはウェブサイトにおいて、それぞれの試合の流れを解析している。下のスクリーンショット (出展:Thuuz) は、上述の試合の解析結果である。下部の折れ線グラフはExcitement Graphといわれ、試合の盛り上がり度を示している。七回裏から試合が白熱してきた様子をデジタルに示している。

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スポーツ番組の見かた

Thuuzは試合をリアルタイムで解析し、試合運びや得点差などから、試合の盛り上がり度をインデックスで表示する。試合開始は50点で、100点満点で評価する。利用者はトリガー (例えば85点) を設定して、このポイントを超えるとメールを受信する。メールを受信した利用者は、上の画面のComputerのカラムで、ウェブサイトへのリンク (MLB.com Media Centerなど) をクリックしてパソコン上で試合を見る。また、On Your TVには、ケーブルテレビのチャンネル (ESPN 038など) が表示され、急いでテレビに行って、指定のチャンネルで試合を見る。ThuuzのCEOであるWarren Packardは、「スポーツ番組は生鮮食料品であり、時間がたてば腐ってしまう」と説明し、これが全てを語っている。スポーツ番組をニュースのハイライトで見るのではなく、盛り上がった箇所だけを、ライブで見る楽しみ方が広がっている。

Facebook Timeline

Friday, September 23rd, 2011

Facebookは、2011年9月22日に、開発者向けのカンファレンスであるFacebook f8 (フェイスブック・フェイト) をサンフランシスコで開催した。Facebook f8は毎年開催され、Facebookの新機能やロードマップなどが示される。今年のトピックスは、TimelineとOpen Graphであった。カンファレンスの模様は、同社のウェブサイト(http://www.facebook.com/f8) でライブで中継された。下の画面 (出展:Facebook) は、CEOであるMark Zuckerbergが基調講演で新機能について説明している様子である。

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Timelineの機能概要

TimelineとOpen GraphでFacebookの機能が大きく進化した。Timelineとは、改良版Facebook Profile (プロフィール) である。現在のProfileでは、トップに写真が表示され、その下にアクティビティが羅列される構造になっている。Timeline は下の画面 (以下出展はVentureClef) の通り、利用者の活動を時間軸で表示する構成となっている。Timelineは利用者が過去に掲示したフィードや写真を綺麗にアレンジして表示する。Timelineの最上部はCoverで、本人のプロフィールを代表する写真が大きく表示される。Coverの右横が時間軸で、利用者は好みの月や年を選択して、その時期のフィードを表示できる。このスライドを動かして、簡単に過去に遡ることができる。

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Coverの下はViewsというカラムで、ここに本人のプロフィールの纏めが表示される。Friendsでは友人の一覧が、Photosでは掲載した写真アルバムが、Mapでは本人が活動した場所と回数がMicrosoft Bing Mapに表示される。Likesでは本人がLikeボタンを押した音楽、本、映画、テレビ番組等が表示される。

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Timelineでは、特定のアクティビティが大画面 (上の画面下段) で表示される。これはFeatureという機能で、利用者が、特に強調したいアクティビティを☆印のFeatureボタンを押して指定する。結婚や出産など、利用者の人生の中で節目となる出来事をTimelineの中で、大画面で表示する際に使用する。他にHideというオプションを指定すると、そのアクティビティはTimelineに表示されない。

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Timelineでフィードをポストする際には、従来のPhotoとPlaceのオプションの他に、内容を区分けするオプションが追加された。区分けは、Work and Education (仕事と教育) やFamily and Relationships (家族と結婚、上の画面) やLiving (生活) 等である。アイコンを選択すると上の画面の通り、その項目が表示され、Get Marriedを選択して、結婚に関する記事や写真をポストする。

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Open Graphを使った新機能

Facebook f8でのもう一つのトピックスは、Facebookとアプリの連携機能である。Open Graph (ウェブサイトとFacebookを結ぶプロトコール) を拡張して、Facebookとアプリを連携する機能を開始した。その一つがSpotifyというアプリとFacebookの連携機能である。Spotifyは音楽ストリーミング・サービスで、利用者はSpotifyの会員となりログインして音楽を聴く。上の画面はSpotifyでBeyoncéの「Best Thing I Never Had」を聴いている様子である。下の画面はFacebook Timelineに、Musicというボックスの中で、Recent Activity on Spotifyという項目が表示され、Listened to Best Thing… by Beyoncéと掲示されている。つまり、友人は、利用者がどんな音楽を聞いているかをリアルタイムで把握でき、かつ、その音楽をTimeline上でプレーヤーを起動して簡単に聴くことができる。このような形で音楽に関する情報が、ソーシャル・グラフの中で伝播していく。この他のアプリを使うと、利用者がどんな料理を作っていて、どんなニュースや本を読み、ジョギングでどんなコースを走っているかを把握できる。

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トレンド

Facebook f8でのZuckerbergの基調講演を聴き、Facebookは大きく進化したと感じた。FacebookはGoogle+の新鮮なデザインに押され、Facebookのインターフェイスが陳腐化していた。Timelineは綺麗に整理された写真アルバムを開いているようで、デザインが大幅に改良された。またアプリとの連携では、何かの行為を行なえば、その情報が自動的にFacebookに掲載される。Likeボタンのように、ボタンを押す行為は必要なくなった。一方で、便利な機能の背後では、利用者のセマンティック情報がFacebookにどんどん集約されていく。Facebookの包囲網もどんどん広がっていく。

スマートフォンでの会計

Thursday, September 15th, 2011

Pago (ペイゴー) は、スマートフォンで商品の注文と決済ができるアプリケーションである。iPhone上のPagoで商品を注文し、会計を済ませ、店舗に出向いて、専用窓口で商品を受け取るサービスである。Pagoという名前は、スマートフォンでペイして、お店にゴーすることを意味しており、和製英語のようであるが、サンフランシスコに拠点を置く企業である。

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Pagoの機能概要

Pagoのサービスは、2011年8月から、Las VegasとMountain View (カリフォルニア州) で、試験的に開始された。Mountain Viewにおいては、およそ50店舗がPagoのサービスに加入している。サービスが始まったばかりのPagoを試してみたが、手軽に買い物ができ、意外に快適な、新しい形態の消費様式である。まず自宅で、iPhoneのPagoを起動して、Mountain Viewを選択すると、Pagoに加入している店舗の一覧 (上のスクリーンショット左側、出展はいずれもVentureClef) が表示される。この中からNeto Caffe & Bakeryを選択 (上のスクリーンショット右側) した。このお店は、コーヒーショップで、ベーカリーも兼ねており、パンやケーキなどを持ち帰ることができる。次に注文画面に移り、希望するアイテムを選び、数量を入力し、金額を確認して、Submitボタンを押して注文した。Submitボタンを押すと、発注処理と供に、クレジットカードでの会計処理も行なわれる。このため、事前にクレジットカード情報 (番号、期限、郵便番号) をPagoに登録しておく必要がある。

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注文が完了すると、実際に店舗に出向いて、注文した商品を受け取ることになる。商品を受け取る際には、Pagoを起動して、支払いレシートを表示し、それを店員さんに提示した。店舗では、注文した品が用意されていて、それを受け取るだけで買い物が完了した。店舗内 (上の写真) では、壁にiPadが備え付けられており、店舗向けのPagoが起動していた。店員さんは、パネルにタッチして、注文商品を確認して、商品を手渡す手順となる。iPadには電源ケーブルが接続され、通信はWiFiで行なっている。Pagoを使ってみたが、店舗ではレジの行列に並ばないで、直ぐに品物を受け取ることができる気楽さが快適である。一方で、Pagoにクレジットカード情報を登録しておくのは、少し抵抗感がある。店舗側としては、会計処理が不要となり、業務を簡素化できる。更に、顧客情報を把握でき、今後は、ターゲッティング広告が可能となる。多くの企業から、新方式の金融決済サービスが登場し、スマートマネー経済圏が形成されつつある。

クレジットカードのモバイル決済

Thursday, September 15th, 2011

Square (スクェアー) が急速に広まっている。Squareとは、Square, Inc.が提供している金融サービスで、iPhoneやiPadに専用のカードリーダを差し込んで、クレジットカードの決済を行なうシステムである。同社はTwitter創設者であるJack Dorseyが創業した会社としても有名である。

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Squareの機能概要

このサービスは2010年5月から始まり、いまでは街中で見かけるようになった。Squareでのクレジットカード決済 (上の写真、出展はいずれもVentureClef) を使ってみたが、iPadだけでスムーズに処理が完了し、次世代の金融サービスの息吹を感じた。店舗で買い物をし会計の際に、店員さんはiPad上のSquareで、売り上げアイテムを選択し、数量を入力した。次に、iPadに着装したカードリーダー (上の写真右下隅の白色のデバイス) でクレジットカードをスワイプした。今度はこちらが、金額を確認して、iPad上に指でサインをした。購買レシートについては、電子メールまたはIMで受信することができ、こちらのメール・アドレスを入力した。これで一連の処理が完了し、電子メールでクレジットカード決済のレシートを受信した。レシートのリンクをクリックすると、Squareのウェブサイトでレシートの詳細 (下のスクリーンショット) を閲覧できた。購買金額、購買日時、商品名、購買場所、サインなどを確認することができる。但し、指先でサインしたため、書体は歪んでいるが、トランザクションは成立している。

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消費者としては、iPhoneやiPadでカード処理ができるスマートさに惹かれ、このため利用者のSquareに対する好感度は上昇中である。また、小売店舗側としては、カード処理の専用機器やインフラが不要である。更に、Squareのほうがカード決済手数料が安いため、個人店舗や小規模店舗での普及が進んでいる。Squareでは、クレジットカード決済での手数料は売り上げ金額の2.75%で、American Expressの3.5%などと比較して割安である。また、多くの店舗がSquareを導入するのは、低コストであることに加え、料金の透明性であるともいわれている。携帯電話が繋がる限りどこでも手軽に使える便利さのため、Squareは、駅前の小さなコーヒーショップや路上で営業している花屋さんなどで使われている。Squareは話題が先行した金融サービスであったが、社会に根を下ろしつつある。