Archive for January, 2013

Facebookが機能強化した位置情報サービス

Friday, January 11th, 2013

Facebookは、2012年12月17日、Nearby機能を強化したことを発表した。NearbyとはFacebookが提供する位置情報サービスで、友人や他の会員が推奨する場所をマップ上で閲覧できる機能である。

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気に入った場所でチェックイン

Facebookは2010年11月からNearby機能を提供し、試行錯誤を重ねてきた。この度、機能強化したNearbyをiOS及びAndroid向けに公開した。新版Nearbyは機能拡充だけでなく、モバイルを強く意識したデザインとなり、大変に使い易くなった。Nearby機能にはFacebookアプリのタブからアクセスする。上のスクリーンショット左側 (出展はいずれもVentureClef) がその様子で、画面を右にスライドするとタブ画面が現れる。ここでNearbyカラムにタッチするとNearby画面が表示される (同右側) 。最上部にマップが表示され、下部に店舗や施設がリストされる。ここで希望の店舗・施設にタッチすると、その概要が表示される。利用者は訪問した店舗・施設についてコメントを残すことができる。下のスクリーンショットは、訪問したCaffe Riaceというレストランで、チェックインしている様子である。左側は住所や営業時間など、レストラン概要が表示されている画面である。このページでLikeボタンを押して、このレストランが好きだと意思表示できる。Check Inボタンを押すと、ここに足跡を残せる。右側画面がCheck Inボタンを押して、コメントを記載している様子である。Postボタンにタッチしてコメントを発信する。ここではメニューについてのコメントを友人に発信している様子である。オプションを指定すればコメントを一般に公開できる。

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友人がチェックインしたコメントを読む

Caffe Riaceでチェックインした内容は友人のNews Feedに掲載される (下のスクリーンショット左側)。友人がこのフィードにタッチするとNearbyページに移り、Caffe RiaceのPageが表示される (同右側)。

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友人はこのページでレストランの概要を読み、Friend Activityの項で私がレストランに関して記載したコメントを読むことができる。Nearbyはレストランなどの場所を介して友人間でコミュニケーションが展開される構成となっている。

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ローカル検索エンジンとしての機能

Nearbyはローカル検索エンジンとして利用できる。Nearbyのマップで領域を指定して、Places Nearbyバーにタッチすると、検索画面が表示される (上のスクリーンショット左側) 。ここで検索カテゴリーを指定するか、キーワードを入力して検索を開始する。同右側はRestaurants・Italianで検索している様子で、Union Square近辺のイタリア料理のレストランを表示している。これらのアイコンにタッチすると、レストランのFacebook Pageが開き、内容を読むことができる。

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上のスクリーンショット左側は検索結果でKuleto’sというレストランのアイコンにタッチした様子である。マップ最上部のボックスにタッチすると、Kuleto’sのPageが表示され、ここでレストランの概要を読むことができる (右側画面)。このレストランでは友人はだれもチェックインしていないが、Facebook会員がコメントを残し、推奨記事を書いている。これらの記事を読みレストランを把握し、気に入れば予約を行う。利用者はこのように不案内な街でレストランやカフェを探すツールとしてNearby機能を利用できる。店舗側としてはNearbyが広告の新しいメディアとなる。FacebookはNearbyに表示する店舗・施設は、これら店舗・施設がFacebook Pageに登録した内容を利用している。検索結果を表示する順番は、友人がコメントした店舗、星の数、チェックインの数、Like数などをベースに、利用者が好むであろう順に掲載される。San Francisco出張中に、レストランやカフェを探すとき、Nearbyは威力を発揮する。

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Facebookは、2011年12月、都市のソーシャル・ガイド機能を提供してきたGowallaを買収した。新版NearbyはGowallaの技術を使って開発された。チェックイン機能を提供するアプリではFoursquare (上のスクリーンショット左側) とYelp (同右側) が有名である。Foursquareは根強いファンがいるものの会員数は伸び悩んでいる。Yelpは機能が充実しているが、対象がレストラン分野に限られている。Facebookは10億人の会員を対象に、新版Nearbyで位置情報サービスに本格的に乗り出してきた。

消費者の位置情報を正確に把握

Friday, January 4th, 2013

Under the Radarでは、ソーシャルとモバイルの分野で斬新な技術が登場し、後者では消費者の位置情報を解析する、ローケーション・インテリジェンス技術の進展が目立った。

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モニターを募集して消費者位置情報収集

Placed (プレイスト) はSeattle (ワシントン州) に拠点を置くベンチャー企業で、消費者の位置情報を収集し解析するサービスを提供している。Placedは消費者の位置情報をGPSなどで収集しているが、2012年10月に、専用アプリであるPanel App (上のスクリーンショット、出展は断りがない限りVentureClef) をリリースした。消費者はPanel Appアプリをダウンロードしモニターになり、Placedはモニターの位置情報を収集する仕組みである。初期画面で、消費者は位置情報をPlacedに収集されることに同意する (上のスクリーンショット左側)。次に、消費者は、年齢、性別、収入、人種、学歴などの個人情報を入力 (同右側) して登録が完了する。

消費者は位置情報をモニターされることの見返りとして、ポイントを貯めて特典を得ることができる。消費者はPoints Panelで、現在のポイントや一か月後の予想ポイントを閲覧できる。消費者は貯まったポイントを特典と交換する。200ポイントでAmazonギフトカードの抽選会に参加でき、抽選に当たると100ドルの商品券を入手できる。

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消費者位置情報解析の仕組み

Placedは消費者の位置情報を追跡し、その消費活動をモニターするサービスを提供している。小売店舗などは消費者動向を把握するため、Placedが提供する位置情報サービスを利用する。小売店舗などはモバイル・ウェブやスマートフォン向けアプリにPlacedのコードを実装して消費者の位置情報をトラックする。家電製品量販店であるBest Buyがこのサービスを利用している。Best Buyは、同社が提供しているモバイル・ウェブ (上のスクリーンショット左側) やモバイル・アプリ (同右側) にPlacedのAPIを実装しており、消費者がこれらにアクセスすると、Placedは消費者の行動を位置情報とともに収集する。

位置情報はGPSのデータを使うが、GPSの精度は消費者が訪問した店舗を特定できるほど高くない。Placedは独自技術でこれを補完し、消費者が訪問した店舗を特定する。PlacedはGPSで収集した位置情報をClean UpしContextualizeする。Clean Upは収集した位置情報からノイズを除去する技術で、加速度計、コンパス、ジャイロなどのデータを利用する。次にクリーンアップした位置情報を周囲の店舗などと関連付ける操作を行う。これをContextualizeと呼び、消費者の近くにある店舗、人気のある店舗、店舗の種別などから、訪問した店舗を推定する。Placedは消費者が訪問した店舗をGPSの物理データだけで決定するのではなく、消費者の行動の意味を解して、複数の角度から訪問した店舗を推定する。

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Panel Appで位置情報を絞り込み

Placedは、上記の方式に加え、モニターから収集した消位置情報から、訪れた小売店舗を決定する方式を導入。Placedは前述のPanel App経由で、モニターの位置情報をGPSなどで収集し、消費者が訪問したと思われる小売店舗を算出する。更に、Panel Appは、モニターに質問を送信する (上のスクリーンショット) 。Panel Appは、モニターが滞在したエリアに関する質問を送付し、それにモニターが回答する。左側画面がその様子で、木曜日の3:00PM頃にどの店舗を訪問したかとの質問を受信。ここには訪問したエリアにある小売店舗の名称がリストされ、訪問した店舗を選択する形式となっている。ここで、Luckyというスーパーマーケットを選択し、回答している。右側画面は、別の日の質問で、この日はショッピング・モールではなく、多くの企業が入居しているオフィスビルを訪問したケースで、訪問先のSquire Sandersを選択して回答している様子である。この操作により、Placedはモニターが訪問した場所を正確に把握できる。

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消費者位置情報を何に使うのか

収集した位置情報は小売店舗などが展開するプロモーションなどで利用されている。Placedはサンプルとして様々な位置情報統計データを公表している。上のスクリーンショット (出展:Placed) は、Heat Mapという形式の統計情報で、条件を指定し消費者が訪問したセグメントを表示する。この事例では2012年11月に消費者が訪問した市場分野 (レストランやホテルなど) をヒートマップ形式で表示している。セグメントの大きさは訪問者数を表している。これにより店舗側は、消費者がどの店を訪問したかなど、消費者の挙動を把握でき、消費者に対して位置情報に応じた広告を配信できる。位置情報に応じたターゲッティング広告の配信は既に行われているが、Placedはこのベースとなるデータを高精度で提供する。テレビ視聴率調査ではNielsenが、ウェブサイト閲覧調査はcomScoreが有名であるが、小売店舗訪問者調査ではPlacedがPanel Appでサービスを開始した。消費者の位置情報に応じた様々なサービスが登場しているが、これらサービスの基礎情報となるローケーション・インテリジェンスが、益々重要な技術となっている。