Archive for January, 2014

Google Glassのゲームは青空がタッチパネル ~ 現実と仮想を繋ぐ「グラス・ゲーム」は未来的

Friday, January 31st, 2014

Google Glass完全ガイド:ゲーム編】

Googleは「Mini Games」という、Google Glass向けのゲーム・アプリを公開した。Mini Gamesは五つのゲーム・アプリを含んでおり、「Tennis」は激しい動きのテニスゲーム。「Balance」は頭上に積み木を載せてバランスを取る。「Clay Shooter」はクレー射撃で、「Matcher」は神経衰弱で、「Shape Splitter」は手を刀にしてオブジェクトを切り裂く。Google Glassでゲームをすると、体の動きでプレーをコントロールし、周囲がゲーム空間となる。グラス・ゲームは、屋外でプレーでき、青空に並べられたカードにタッチしてゲームを進める。

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体を張ってプレーするテニス

Mini Gamesの中で一番激しいゲームがTennis (上の写真、出典はいずれもVentureClef) で、頭をラケットにして、テニスの対戦を行う。相手が打ったボールを頭を左右に傾けて打ち返す。右に来たボールは頭を右に傾けてレシーブする。右端一杯に打ち込まれたボールは、頭を右一杯に傾け、かつ、右に移動してリターンする。ゲームはシンプルで、ディスプレイに破線の円が表示され (上の写真の右上部分)、ここがラケットになりボールを打ち返す。ボールはストレートだけでなくカーブもあり、手元で変化するので、最後まで目が離せない。ゲーム難易度は三段階で、初級、中級、上級を選択できる。上級を選択するとプロ選手並みの打球を打ち込まれる。頭を傾けるだけでは付いていけず、テニスをする時と同じ構えで、俊敏なフットワークが要求される。低いボールを拾う時は、膝が地面につく。激しく動き回るので、上級レベルをプレーする時は、家の中より屋外が適している。ゲームというよりはエクササイズそのものである。但し、他人がゲームをしている様子を見ると、異様な光景に映るので、プレーする場所は選ばなくてはならない。TennisはGoogle Glassのジャイロスコープと加速度計を使っており、頭の傾け度合いや移動を検出して、「ラケット」の位置を把握する。スマートフォンのゲームはタッチ・インターフェイスが中心であるが、ウェアラブルのゲームは体の動きがインターフェイスとなり、ゲームの構成が根本から変わる。

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ちょっとした息抜きに最適のゲーム

BalanceはAndroid人形の半円形頭上に積み木を置き、頭をかしげてバランスを取るゲームである。頭の上に重なった積み木が下ろされ、これを一定時間安定に保つことが求められる。上の写真はLevel 4の事例で、四段の積み木を頭を左右に傾けながらバランスを取っているところである。成功するとメッセージが表示され、次のレベルに進む。Balanceは時間の合間に簡単にプレーでき、仕事につかれた時の息抜きにちょうどいいゲームである。

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かなりリアルなクレー射撃

Clay Shooterはクレー射撃を行うゲームである。操作は音声で行い、「Pull」と言うとクレーが発射される。上の写真がその様子で、黄色の円がクレーで、レンジ・ファインダーで狙いをつけて射撃する。弾を発射する時は「Bang」と発声し、命中するとクレーがばらばらになり、虹の破片が飛び散る (最後の写真)。クレーはストレート、左及び右に放出され、放物線を描いて遠ざかりながら落ちていく。これをGoogle Glassで追いながら弾を発射する。Clay Shooterは家の中でプレーするより、屋外でプレーする方が臨場感がある。上の写真はサンフランシスコ・ベイの草原でClay Shooterをプレーしている様子で、飛び立った鳥を標的に射撃する感覚となる。Clay Shooterは、銃を構えてターゲットを追いかけていく要領で、体を上下左右に捻りながらクレーを追っていく。実物の鳥を射撃するのは残酷であるが、バーチャルにこれを体験できる。

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天空に並べられたカードをめくっていく

Matcherは神経衰弱ゲームであるが、カードは巨大な球体内部に貼り付けてある。球体内部に入り、身の回り360度を見渡しながらゲームを進行する。上の写真がその様子で、六角形のカードが上空360度周囲に張り巡らされており、体を回転してカードを選択する。カードにタッチすると裏返り、黄色・緑色・紫色のカードが現れる。この色を覚えておき、別のカードを選び、同じ色になるとカードが消滅し得点を得る。上の写真は異なる色のカードをめくったところである。Matcherは自分の周囲すべてがゲーム空間で、全天空を使ってカード合わせを行う。家の中でも楽しめるが、広場などでプレーすると、青空をキャンバスにゲームが進み、壮大な気持ちでカードをめくることができる。ゲーム中に何人かが通り過ぎたが、特に気に留めている様子はなかった。

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忍者のように刀で切り裂く

Shape Splitterは手を刀としてオブジェクトを切るゲームである。目の前に様々な形のオブジェクトが投げ込まれ、手を左右に振ってこれを切っていく。空振りしないで上手くオブジェクトを切ると得点となる。爆弾を切るとゲームオーバー。右手や左手を振る様子をカメラが捉え、オブジェクトを切る動作に置き換える。アメリカで大人気の「Fruit Ninja」というスマートフォン向けゲームをGoogle Glassにアレンジした形となっている。

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屋外でゲームをすると楽しさが倍増

Mini GamesはGoogle Glassのジャイロスコープ、加速度計、カメラ、マイクなどのセンサーを活用したゲームである。これらのゲームはGoogleにより開発され、シンプルであるが体を動かしながらプレーするのが特徴である。Googleはこれらゲームを参照モデルとして位置づけており、簡単なコーディングで開発できることを強調し、ゲーム開発者が増えることを期待している。また、拡張現実機能を搭載したゲームはまだ無く、今後の開発に期待したい。

Microsoft Xbox Kinectは、利用者の体の動きを把握し、これをゲームに応用している。テニスやボーリングなど、体を動かすゲームのさきがけとなった。Google Glassは、これとは対照的に、ウェアラブルのセンサーが体の動きを感知し、これをゲームに生かしている。このため、Google Glassは屋内だけでなく、屋外でもプレーできるのが特徴である。屋外でプレーすると、ゲームが周囲の景色に溶け込み、楽しさが倍増する。

Google Glassを使うともうスマホには戻れない ~ ウインクして写真撮影し、買い物の支払いを行う

Friday, January 24th, 2014

Google Glass完全ガイド:イメージング編】

Google Glassをかけて生活すると、めっきりスマートフォンを使わなくなった。写真撮影に関しては完全にスマートフォンからGoogle Glassに乗り換えた。ポケットからiPhoneを取り出し、ボタンを押し、カメラ・アイコンをスライドする代わりに、見た瞬間にウインクするとGoogle Glassで写真が撮れる。ハンズフリーで右目でシャッターを切れる。写真だけに留まらず、ウインクしてデバイスを操作する「瞬きインターフェイス」となり、ヒトとマシンの関係が根底から変わろうとしている。

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(シリコンバレーのコンピュータ歴史博物館は歴史に名を残す機器を展示している。Street Viewのコーナーでは自動車に乗ってスクリーンを見ながら街並みを走る。)

シャッター・チャンスに遭遇するとウインクして写真撮影

Google Glassを使い始め、スマートフォンと比べ、写真撮影量が10倍になった。Google Glassで写真撮影を瞬時に行えるため、いいと思った光景をカメラに収めていくと、気が付くと大量に写真が溜まっていた。写真撮影には四つの方法がある。「ok glass, take a picture」と語りかけるか、「Take picture」カード (上の写真右上部分) にタッチするか、グラス・フレーム上部のボタンを押すか、右目をウインクすると撮影できる。使ってみて圧倒的に便利なのがウインクで、見た瞬間にシャッターを切れる。手に鞄を持って歩きながら、撮りたいシーンに遭遇すると、ウインクするだけでハンズフリーで撮影できる。Google Glassがオフ (待機状態) でも、ウインクするだけでいきなり撮影できる。スマートフォンではアプリを起動するまで手間がかかり、シャッター・チャンスを逃がすこともしばしばであった。

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写真撮影のコンセプトが根本から変わる

スマートフォンではディスプレイで対象イメージを確認してシャッターを切るが、Google Glassではファインダーは無く、おおよその目分量でシャッターを切る。Google Glassでは写真を撮るというよりは、印象に残った光景を記録する感覚に近い。カメラ・レンズはヒトが見ているイメージに近く、正面を向いて撮ると足もとまで写る。上の写真がその事例で、Google Glassを買って最初に撮影した写真で、弓矢の上部が途切れ、足元の花壇が写ってしまった。対象物を中心に入れるためには、頭を30度程度上に傾ける必要がある。また、ファインダーが無いので、画面を水平に保つためには、少し練習が必要である。またカメラの性能は初代iPhone程度で、画像の美しさや機能ではかなわない。愛用していたiPhoneカメラを使わなくなり寂しさを感じるが、利便性から写真撮影は完全にグラスに移行してしまった。

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(コンピュータ歴史博物館にはメガネ型コンピュータの展示があり、1968年、Ivan Sutherlandによりヘッドマウント・ディスプレイが開発された。)

ウインクしてもシャッターが下りないことがある

Google Glassで瞬時に写真撮影できる反面、ウインクしてもシャッターが下りないことがある。打率八割くらいで、ウインクの仕方が悪いのか、センサーが良くないのか不明であるが、検討が必要な部分である。Google Glass内側に赤外線カメラが内蔵され、両目の動きをセンシングし、ウインクを検知する。通常の瞬きより、大きく少し長めにウインクすると、その意味を認識しシャッターを下ろす仕組みである。シャッター・チャンスを逃さないためにも、ここしかないという写真を撮る際は、当面はボタンを押す方式と併用する必要がある。

プライバシー問題をどう解決するかが最大の課題

Google Glassでウインクし、ハンズフリーで写真撮影できる手軽さと、被写体のプライバシー問題は両刃の剣である。ウインクして写真を撮ると、いつ撮影したかが分からず、盗撮につながる危険性をはらんでいる。この問題にどう対処すべきか、Googleスタッフに尋ねてみたところ、「対面した相手に、写真撮影の方法を説明することに尽きる」とのアドバイスを受けた。相手に上述の写真撮影の方法を説明し、「ディスプレイが灯ると写真撮影した証拠で、反対に、ディスプレイがオフのときは写真撮影していない」ことをきちんと説明すべきとのことであった。製品についての理解を深めてもらうことが重要であると同時に、Google Glass利用者は今以上にマナーを守ることが求められる。

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ウインクは次世代のマンマシン・インターフェイス

Googleはウインクを写真撮影だけでなく、幅広く応用することを計画している。その一つが決済システムで、「タクシーを降りるとき、Google Glassでメーターを見てウインクすると支払でき」、また、「ウィンドウ・ショッピングで、気に入ったハイヒールがあれば、Google Glassでウインクすると支払いができ、自分のサイズの商品が家に届く」というものである。ウインクして支払いをするとは異様な光景に思えるが、Google Glassで世界を見ると、これは自然なインターフェイスである。Google Glassをかけて、レストランで食事をした後、支払いをする際に、同席の学生から「なぜGoogle Glassで支払いできないの?」と聞かれた。上の写真がその瞬間で、Google Glassで請求書のQRコードを読み込んで支払いできるようになれば便利である。Google Glassが両目の動きを把握できることで「瞬きインターフェイス」が生まれ、それを利用したユニークなアプリの登場が期待される。

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(Google Glassでビデオ撮影すると、ゆっくり走っているのに、再生するとF1レースのような迫力になる。)

Google Glassがアクション・カメラに

Google Glassはアクション・カメラとなり、利用者の視点でビデオ撮影ができる。「ok glass, record a video」と語りかけるか、「Record video」カードをタップするか、ボタンを長めに押すとビデオ撮影ができる。     多くの若者がGoPro Heroのようなアクション・カメラを自動車に搭載したり、自転車のヘルメットに装着して、ドライブやサイクリングの様子を撮影している。Google Glassはアクション・カメラの代用となり休日の楽しみ方が広がる (上の写真)。

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(コンピュータ歴史博物館に展示されているCray-1。スパコンの礎を築いただけでなく、コンピュータ・アーキテクチャに多大な影響を与えた。)

Google Glassで実況中継を行う

Google GlassはGoogle Hangouts機能を搭載しており、テレビ会議として利用できる。但し、Google Glassでテレビ会議を行うと、グラスに搭載しているカメラで捉えた映像を送信することになり、グラスを通して見ている光景が実況中継される。上の写真がその様子で、Google Glassから送信されたビデオ映像をiPhoneで見ているところである。利用法は様々で、シリコンバレーの「コンピュータ歴史博物館」の展示場を巡りながら、往年のスパコン「Cray-1」の姿を日本にビデオ中継できる。テレビ局のニュース・キャスターのように、シリコンバレーのいまをグラス目線でライブ中継できる。

Google Glassで撮影した写真は自動でGoogle+にバックアップされる。Google+で写真アルバムを作り、イベントごとに整理してきたが、グラス生活が始まり、写真撮影枚数が一桁増え、写真整理が追い付かない。撮影した写真をどう整理するのか、またそれ以上に、大量の写真をどう活用するのか、まだ模索中である。

Google Glass無しでは生活できない ~ メモを見ながら買い物し読めない言葉はグラスで翻訳

Tuesday, January 7th, 2014

Google Glass完全ガイド:インフォメーション編】

もうGoogle Glass無しの生活には戻れない。スーパーマーケットでは、両手でショッピング・カートを押しながら、Google Glassに買い物リストを表示して売り場を移動する。料理の途中でGoogle Glassでレシピを確認する。コーヒーを作りながら、Google Glassに語りかけ音楽をスタートする。スマートフォンと比較して、ハンズフリーで情報にアクセスでき、デジタル・ライフが劇的に便利になった。

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やはりGoogle Glassは買い物に便利

Google Glassは買い物で威力を発揮するといわれてきたが、実際に使うと、これを実感する。スーパーマーケットに行く前に、冷蔵庫をチェックして、買い物リストを作る。このリストをEvernoteに保存し、共有オプションで「Glass」を選択すると、Google Glassでメモを閲覧できる。上の写真 (出典はいずれもVentureClef) はEvernoteで作成したリストを見ながら、スーパーマーケットで買い物をしている様子である。買い物リストは右上に表示され、ショッピング・カートを押しながら、買い物アイテムを確認し、目的の場所に移動する。今まではスマートフォンにリストを表示して買い物をしていたが、メモを見る時は、カートを止め、ポケットからスマートフォンを取り出し、アプリを立ちあげていた。Google Glassではタッチパッドをスワイプするだけで、カートを押しながらリストを読める。両手が塞がっている時は、やはりGoogle Glassは便利である。年配の人は老眼鏡無しでディスプレイの文字を読むことができる。

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単語の意味が分からない時はGoogle Glassで翻訳

買い物で役立つのがGoogle Glassの翻訳機能である。これはカメラで捉えた単語や文章をその場で翻訳する機能である。上の写真はパスタ売り場で商品を閲覧しているところである。パスタに「Farfalle」という種類があるが、買ったことがなく、どんな食べ物か分からない。Google Glassに「Translate this」と語りかけ、商品を見ると、ディスプレイに「Butterflies」と表示される。上の写真の通り、右上部分に翻訳がインポーズされ、このパスタは「蝶」の形をしていることが分かる。いつも「Spaghetti」や「Fettuccini」など、代表的なパスタを買い、その他は内容が分からず敬遠していた。Google Glassの翻訳機能を使うと商品内容が理解でき、最近ではパスタ選択の範囲が広がった。これはイタリア語を英語に翻訳した事例だが、他にスペイン語、フランス語、ポルトガル語に対応している。これらの国に旅行した際には、Google Glass翻訳機能が力を発揮する。

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Google Glassでレシピを見ながら料理

料理している時、Google Glassでレシピを読めるのは嬉しい。Googleが推奨するレシピ・アプリは「Allthecooks Recipes」で、料理手順をGoogle Glassに簡潔に表示する。探しているレシピを音声で入力すると、関連レシピ・カードが表示され、その中から目的のカードを選択する。上の写真はスーパーマーケットで買ったパスタで「Pasta Salad」を作っている様子で、右上にレシピが表示される。カードにタッチすると、ステップ毎の調理法が示される。調理法が大きな写真と簡潔な文章で示され、一見しただけで手順が分かる。レシピ・カードはホーム画面左隣に表示され、必要に応じこのカードを表示する。タブレットにレシピを表示して使ってみたが、ディスプレイが汚れることが多く、結局、料理本に戻っていた。Google Glassは、汚れる心配もなく、調理しながら手順を確認でき便利である。

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コーヒーを作りながら音楽をスタート

Googleの音楽サービスである「Play Music」をGoogle Glassから利用できる。このシンプルな組み合わせが、驚くほど利用価値が高い。頭を上げ (これでパワーオン)、いきなり「Listen to Katy Perry」とグラスに指示すると、Perryの音楽が再生される (上の写真)。コーヒーを入れながら、聞きたい音楽を語りかければ、すぐに演奏が始まる。スマートフォンではイアフォンを耳に着装し、スクリーンをオンにして、アプリを起動して、アルバムにタッチしてやっと音楽がスタートする。使ってみると両者の相違は鮮明で、ハンズフリーで瞬時に聞きたい曲を再生できるのは、自由を手に入れた心境である。もう元の世界には戻れない。他に「I’m Feeling Lucky」カードにタッチするとGoogle推奨の音楽がラジオ形式で再生される。「My Stations」では、利用者が登録したアルバムが表示され、嗜好が似ている曲がラジオ放送形式で再生される。Google Glassの骨伝導スピーカで充分楽しめるが、高品質のサウンドを楽しみたい時は専用イアフォンを使う。公共の場所にいる時は、周囲に音が漏れる心配もない。

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最新ニュースを聞くならCNNがベスト

Google Glass向けに様々なニュース・アプリが提供されている。Google Glassは目の前に情報を表示でき、ニュース速報には最適のデバイスである。多くのニュース・アプリを試してみたが、その中で「CNN Breaking News」が一番バランスが良く使い易い。これはCNNニュースをGoogle Glassで放送するアプリで、タイムラインにタイトルが表示され、これをタップするとニュース・ビデオが再生される (上の写真) 。ニュース・ビデオは、テレビ番組の一部を1~2分のセグメントに分けて配信するもので、最新ニュースを映像と音声で把握できる。

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「New York Times」アプリは、ニュース速報をグラフィックスと伴にタイムラインに配信する (上の写真)。カードをタップし「Read aloud」を選択すると、ニュース記事を読み上げる。ニュースは十秒程度の長さで、極めて簡潔なサマリーを聞く構成となっている。「Wall Street Journal」アプリも類似形式で、カードをタップすると記事を読み上げる。記事の長さは数分程度で、サマリーではなく記事全体を読み上げる。ニュース・アプリの多くは記事を読み上げる形式であるが、CNN Breaking Newsはビデオ放送形式で、小型テレビでニュースを見ているようで、短時間に幅広い情報を吸収できる。

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(外出している時もサンフランシスコ49ersの試合経過をGoogle Glassが教えてくれる。)

Google Glassと拡張現実機能がキラー・アプリを生む

Google Glassで買い物をすると、便利であると同時に、どうして商品情報をグラスに表示できないのか、不足している機能が目立ってくる。スマートフォンでは値札のバーコードを読み込めば、商品情報を表示するアプリが提供されているが、Google Glassにも必須の機能である。バーコードをマーカーとした拡張現実機能であるが、これはGoogle Glassのキラー・アプリとなりそうだ。上述の翻訳機能の延長で、商品を見ると付随情報がGoogle Glassに表示される仕組みである。スマートフォンを操作する必要がなく、覗き込むだけで必要情報が見え、ショッピングが便利で楽しくなる。消費者にとってメリットがあるだけでなく、販売側としても、これは消費者の視線に飛び込む強力な販売促進ツールとなる。

Google Glassが今年最大のヒット商品となるか ~ ウェアラブル時代の幕開け

Saturday, January 4th, 2014

Google Glass完全ガイド:ナビゲーション編】

Google Glassを購入し「グラス生活」を送っているが、デジタル・ライフが激変した。音声操作で目の前に情報を表示でき、スマートフォンと比べ、情報アクセスへの敷居がぐんと下がった。Google Glassはクールなガジェットではなく、まさに生活必需品である。同時に、不足している機能も数多く、製品として完成するまでにはもう少し時間を要す。

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「グラス・スタジオ」で使用法の説明を受ける

Google Glassの一般販売は始まっていないが、Googleは開発者向けに「Explorer Edition」を提供している。このプログラムに申し込み製品を購買した。Google Glass専用サイトで購入手続きを行い、「Google Studio」で製品を受け取った。Google Studioとはメガネ・ショップで、専任スタッフがGoogle Glassのかけ具合を調整し、使い方を指導してくれた。サンフランシスコのGoogle Studioは、ベイブリッジに面したオフィスビルにあり、窓からの眺めが素晴らしい (上の写真、Google Glassで撮影したGoogle Studioからの眺め、出典はいずれもVentureClef)。製品説明は一時間に及び、操作方法だけでなく、マナーや安全性についてもアドバイスを受けた。iPhoneを買うと説明書がないが、Google Glassはその対極で、マンツーマンで説明を受けた。

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(上の写真はGoogle Studio内部の様子で、メガネ屋さんのように、グラスを試着して、好みの色を選ぶことができる。)

Google Glassを持ち帰り、自宅のWiFiに接続し、アプリ (Glassware) を登録するだけで、設定が完了した。屋外ではスマートフォンとBluetoothで接続し、ネットワークにアクセスする。このため両者でペアリングを行うが、iPhoneとは上手く接続できなくて、今はGalaxy Nexusと繋いで利用している。

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Google Glassで検索すると世界が見える

Google Glassと検索機能の組み合わせは予想外にパワフルだ。Google Glassに「ok glass, google」と語りかけて検索機能を起動する。これに続いて検索クエリーを音声で入力する。Google Glassは瞬時に疑問に答えてくれる。家族でカレーを食べに行こうという話になったが、レストランの名前が分からない。Google Glassに「カレー・レストラン」と語りかけ、店舗を検索した (上のスクリーンショット)。するとマップに該当のレストランがプロットされ、その中で探しているレストランにタッチすると、その詳細情報が表示された (下のスクリーンショット)。

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今までは、スマートフォンをポケットから取り出し、パワーオンし、アプリを立ち上げて検索していたが、Google Glassでは、一度頭を上げ (これでパワーオン)、「ok glass…」と語りかけるだけで検索できる。インフォーマルな会議や仲間とのお喋りで、疑問点を素早く検索できる。Google Glassの音声認識率は非常に高い。Google Glassの入力モードは音声しかなく、これが制限であり、同時に強みでもある。手で操作する必要がなく、小さなキーボードをタイプする苦痛から解放してくれる。

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Google Glassがカーナビを置き換える

目的地が検索できると、カードにタッチすると、Google Glassはナビゲーションを始める。又は、Google Glassに直接「ok glass, get directions to ○○○」と語りかけると、目的地までのナビゲーションを始める。操作法はスマートフォンのナビゲーション・アプリと同じであるが、道順がGoogle Glassに表示されるため、格段に使いやすい。上のスクリーンショットは、自宅からサンフランシスコ対岸のサウサリトまでの道順を尋ねたところで、「Show Route」を選択すると、目的地までの道順がGoogle Glassに表示される。

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車の運転を始めるとGoogle Glassに進行方向と、次の曲がり角の案内が表示される。上の写真はゴールデンゲート・ブリッジを渡っているところで、「この先右折、目的地まで1.6マイル」と案内が表示されている。走行中はナビゲーション画面はオフとなり、曲がり角の手前で画面がオンとなる。これと同時に音声で案内が流れる。

Google Glassと自動車の組み合わせは大きな可能性を秘めている

今まではスマートフォンを運転席前のダッシュボードに立てかけて、小さな画面に地図を表示して運転していた。これに比べ、道順がGoogle Glassに表示されるため、前方を向いたまま進行方向を把握できる。視線を下げてダッシュボードを見る必要がなく、安全に操作できる。カーナビと比べても安全性に遜色はなく、Google Glassと自動車の組み合わせに、大きな展望が見えてくる。雑誌WiredのDamon Lavrincは、自動車のデータポートとGoogle GlassをBluetoothで接続すれば、運転中に自動車の各種情報をグラスで見ることができるとしている。Google Glassで速度を確認し、エコな運転モードを把握する。また、Google Glassに内蔵されている加速度計で、頭部の動きをモニターし、居眠りをしそうになると警告を発する仕組みを提案している。現在、カリフォルニア州で、Google Glassが道路交通法に抵触するかどうかの裁判が行われており、司法の判断に注目が集まっている。

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(ゴールデンゲート・ブリッジを見下ろしながら、明日はサンフランシスコ49ersの重要な試合があると、Google Glassが教えてくれる。)

2014年はウェアラブル元年

2007年、発売と同時にiPhoneを使ってみたが、その洗練されたデザインと機能に、一瞬で惹きつけられた。一方、Google Glassを最初にかけた時は、ディスプレイが見にくく、あまりいい印象は受けなかった。しかし、Google Glassをかけて生活を始めると、その潜在能力の大きさに驚く。今ではGoogle Glass無しでは生活できない。同時に、使っていくとアプリが決定的に不足していることが分かる。日々の生活で、Google Glassで何故これができないの、というシーンに頻繁に遭遇する。これからのアプリ開発に期待するとともに、Google Glassの応用分野は奥が深いことが分かる。Google Glassは今年最大のヒット商品になるとの手ごたえを感じた。