Archive for April, 2014

スマートグラスでビジネスアプリが続々登場、Googleはグラスアプリ開発を支援

Wednesday, April 30th, 2014

サンフランシスコで開催されたDEMO Enterpriseカンファレンスでスマートグラス最新技術に注目が集まった。Remedyというベンチャー企業は、Google Glassを基盤とする医療アプリを発表した。XOEye Technologiesというベンチャー企業は、「XOne」というスマートグラスのデモを行った。スマートグラスはビジネスとの相性が抜群で、斬新なビジネスソリューションが続々と登場している。Googleはこの流れを受け、「Glass at Work」というプログラムを開始し、Google Glass向けビジネスアプリの開発を支援している。

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Google Glassで患者の様態を記録

Remedyはサンフランシスコに拠点を置くベンチャー企業で、Google Glass向けに医療アプリ「Beam」を開発している。医師はGoogle Glassでこのアプリを使い、患者の状態を撮影し (上の写真)、それを別の場所にいる専門医に送信する。専門医は受信映像をタブレットなどで閲覧し、治療に関するアドバイスを行う。Beamは担当医師が病状を正しく判断し、効率的な治療を目指している。

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上の写真はBeamデモの様子である。担当医師がGoogle Glassを着装して、患者の病状をビデオ撮影する。パソコン画面には、ビデオ撮影された患者の症状が、ライブラリーとしてまとめられている。皮膚にできた斑点や術後のスティッチなどが記録されている。別の場所にいる専門医がこのビデオを見て、担当医師に治療方針についてアドバイスを行う仕組みである。

大学病院での評価は上々

後日、Remedy創設者でCEOのNoor Siddiquiに、Beamのフィールド・トライアルについて話を聞いた。Siddiquiによると、BeamはHarvard Universityでパイロット・システムの検証が行われている。更に、University of Pennsylvaniaでシステムを展開する準備を行っている。Harvard UniversityのBeamへの評価は高く、ER (救急救命室) で担当医がBeamを使い、専門医からアドバイスを受けることで、医療効率が向上したとしている。また、一般病棟においても、担当医がBeamを使い、専門医と治療方針を決め、不要な入院が減ったとしている。Harvard Universityは、医師だけでなくナースなどがBeamを使い、医療コスト削減を目指すとしている。多くの大学でGoogle Glassトライアルが行われており、グラスは医療現場で必要不可欠の存在となってきた。

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独自仕様のスマートグラス

Google Glassに触発され、スマートグラス開発が加速している。テネシー州ナッシュビルに拠点を置くXOEye Technologiesは、独自のスマートグラス「XOne」 (上の写真) を発表した。XOneは一般消費者ではなく、企業ユーザを対象としている。XOneはビジネス・グラス仕様で、フレームの中央にカメラを搭載しており、バーコードをスキャンしたり、テレビ会議を行う。XOneにはディスプレイはなく、内側にLEDライトが搭載され、処理の完了を知らせる。

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宅配スタッフが商品をスキャン

XOneはオフィスの外で業務を効率的に行うことを目的に開発された。作業員や専門スタッフが着用して作業の効率化を図る。上の写真はXOneを着装した配送スタッフが商品を宅配しているところである。配送先で商品の写真撮影を行い、バーコードをスキャンする。商品梱包が傷んでないことを証拠として残し、バーコードをスキャンして配送完了を入力する。正常にスキャンされるとXOne内側のLEDライトが点灯する。

XOneは「Vision」というクラウドと連動して稼働する。XOneでスキャンしたデータはVisionに送信され、サーバ側のアプリケーションで処理される。XOneのカメラで撮影したビデオはVisionに送信され、別の社員がそれを閲覧できる。前述Beamのように、遠隔地の専門技術者がビデオを見て、作業員にアドバイスを与えることができる。作業員が電子機器内部の配線を撮影し、それを専門スタッフが見て操作手順をアドバイスできる。スマートグラスを使ったコラボレーションが新しいワークスタイルとなる。

Glass at Workでグラスアプリ開発支援

Google Glassは消費者向けに開発されたが、実は、ビジネス・アプリとの相性が抜群にいいことが分かってきた。Google Glassは多くの病院でトライアルが始まり、患者治療で必須のツールとなってきた。ビジネス・グラスは工場や作業現場で、安全と効率化の切り札となっている。一方、Google Glassを企業システムと連携するには、特別な作業が発生する。Google Glassをアメリカの病院で利用するためには、HIPPA (医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律) の要請で、セキュリティ機能が必要となる。データ暗号化が求められ、更に、データを施設外に持ち出すことはできない。つまり、Googleサーバにデータが格納されることは禁じられ、Mirror APIを使うのではなく、利用者側で専用システムの構築が必要になる。

このような背景で、Googleは「Glass at Work」プログラムを開設し、Google Glassの企業向けシステム開発を支援している。Google Glassがビジネス・ソリューションに向かう中、Googleのグラス開発戦略もビジネスに重心を移しつつある。

衝撃の新技術!! WiFiではなく地磁気を利用し建物内でピンポイントに位置を特定

Thursday, April 24th, 2014

GPSシグナルの届かない建物内で位置を特定するためにはWiFiシグナルが利用される。IndoorAtlasというベンチャー企業は、WiFiシグナルではなく、建物の磁気特性を利用して位置を特定する技術を開発した。ピンポイントに位置を特定できるだけでなく、ハードウェア機器は不要である。インドア・ポジショニングと呼ばれる、屋内で位置を決定する新技術の登場が相次いでいるが、IndoorAtlasはこの市場で波紋を起こしている。

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小売店舗のショッピング・アプリで利用

IndoorAtlasは、Mountain View (カリフォルニア州) に拠点を置くベンチャー企業である。創設者兼CEOのJanne Harverinen教授 (上の写真) は、DEMO Enterpriseカンファレンスで、製品デモを交えて、IndoorAtlas技術について説明した。同社が開発しているインドア・ポジショニング技術は、小売店舗におけるショッピング・アプリなどで利用が始まっている。

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上の写真はフィンランドのPrisma Storeというスーパーマーケットで、IndoorAtlasを利用したアプリのデモである。消費者が店舗で「Ben & Jerry」アイスクリームを買いたいが、売り場の場所が分からない。アプリの検索画面に「Ben & Jerry」と入力すると、売り場の場所が表示される (画面左上ポップアップ)。消費者の場所は青丸で示される (画面左下)。売り場に向って歩けば、画面上で青丸も移動し、目的地に到達できる。精度は1.8メートルで、売り場の場所を正確に把握できる。一方、小売店舗側としては、消費者がどの売り場の前に立っているのかを正確に捕捉できる。これにより、その売り場で販売している商品のクーポンを消費者にプッシュするなど、位置に応じたプロモーションが可能となる。WiFiを使ったインドア・ポジショニングは精度が低く、消費者がどの棚の前に立っているかまでは特定できない。IndoorAtlasを使うと高度な販売促進プログラムが可能となる。

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位置決定のメカニズム

Harverinen教授はブースでその背景技術について解説した。IndoorAtlasが屋内で場所を特定する仕組みは、建造物の磁気を読み取り、それをフロアプランにマッピングすることによる。建造物は固有の磁気特性を持っており、上の写真はそれをヒートマップで表示している。

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上の写真は同じ建造物のフロアープランを示している。上述の磁気特性をこのフロアープランにマッピングすることで、高精度で位置を特定できる。実際には、スマホ向け専用アプリでフロアープランに沿って歩き、磁気を計測し、測定したデータをフロアープランと共にIndoorAtlasクラウドに格納する。更に、店舗側でショッピング・アプリを開発し、IndoorAtlasが提供するAPIで、位置情報にアクセスする構造となる。

下の写真はIndoorAtlas専用アプリでフロアープランをHEREマップにアップロードしている様子である。この作業のあと、施設内でスマホを持ち、フロアープランに沿って歩き、磁気特性を計測する。

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iOS向けアプリ開発が加速する

Harverinen教授は新技術の特長について、IndoorAtlasは磁気特性を指標に位置を決定するため、スマホのコンパスをセンサーとして利用できると説明した。どのスマホもコンパスを標準搭載しており、そのままで利用できる。インドア・ポジショニングでは、前述の通り、WiFiシグナルを利用する方式が一般的である。これはWiFiポジショニングとも呼ばれ、受信シグナルの強度を測定し、三角測量のアルゴリズムから位置を決定する。測定結果は人の込み具合や温度に依存し、精度は3-10メートルと言われている。

それ以前に、AppleはiOS上でWiFi APIへのアクセスを制限しており、iOSクライアント上でインドア・ポジショニング・アプリを構築することができない。現在、iOSでWiFi位置情報を利用するためには、クラウド上にシステムを展開する必要がある。これに対しIndoorAtlasは、iOS上でインドア・ポジショニング技術を提供し、iOS上でのアプリ開発が可能となる。iOSにおける位置情報アプリ開発の道を開くことになり、その意義は極めて大きい。

ロボットが北に向って走らない

Harverinen教授はIndoorAtlas開発の切っ掛けについても説明した。教授は大学研究室でロボティックス研究に従事していた。屋内で北に向けてロボットを走らせたが、方向が頻繁に変わり真っ直ぐ進まない。二番目のロボットも同様に真っ直ぐ進まなかったが、一番目のロボットと同じ軌跡を辿った。これがヒントとなり、建物は固有の磁気特性を持つことを発見し、IndoorAtlasの開発に至った。

Harverinen教授はこちらの質問に丁寧に回答し、研究室で特別授業を受けているようであった。二階建ての建物で使えるかとの質問には、磁気特性は三次元であり問題ないと回答。教授はIndoorAtlasは地下でも使えるため、東京の地下街で実力を発揮するとも述べた。地磁気を使ったインドア・ポジショニングとは衝撃的な発想で、同時に、大学の基礎研究が事業に結びつくビジネス・センスの高さも感じた。

デジタルカメラは消えつつあるがアクション・カメラは人気爆発

Saturday, April 5th, 2014

デジタルカメラはスマートフォンに押されて、市場から姿を消しつつある。一方、アクションカメラ「GoPro」は、若者層を中心に絶大な人気がある。GoProの将来性は高く評価され、近く株式を公開する予定である。GoProは体に装着して利用するカメラで、ウエアラブル・カメラとも言われている。スマートフォン全盛時代に何故ウエアラブル・カメラは好調なのか、その秘密に迫る。

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誰でもプロになれるカメラ

GoProはシリコンバレーを拠点に、アクション・カメラを開発するベンチャー企業。カメラはスポーツなどのアクションを撮影する目的で利用され、専用ケースに入れて使用する。カメラにはファインダーは無く、身体や用具に装着し、シャッター・ボタンを押してビデオ撮影を開始する。再びボタンを押して撮影を終える。上の写真 (出典はいずれもGoPro) はGoProをサーフボード先端に固定し、波の壁を下っているシーンを撮影したものである。元々マリンスポーツを撮影するために開発され、GoProで撮ると誰でもプロ選手に見えることからこの名前が付いた。

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GoProはシンプルなカメラ

本格的なアクション・シーンの撮影ができるGoProであるが、その構造はシンプルである。GoPro最新モデルは「HERO3+」で、前モデルを小型軽量化している。上の写真はHERO3+のハイエンド・モデル (Black Edition)。ビデオ撮影では1080p60などのモードに対応している。写真撮影もでき、解像度は12メガ・ピクセルで、一秒間に30フレームのバースト機能がある。GoProを手動で操作する他に、Wi-Fi Remote (上の写真左側) を使って遠隔操作できる。

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GoProはカメラ・マウント装置を多数取り揃えている。上の写真は胸部とヘルメットにカメラを装着し、スキー滑降を撮影している様子である。スキーのポールにカメラをマウントし、自分撮りをすることもできる。この他に、自動車、オートバイ、ボートなどにマウントする装置を販売している。シリコンバレーでは、自転車通勤者の数多くがヘルメットにGoProをマウントしており、ロードバイク必須のアイテムとなっている。

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GoProビデオ専用チャンネル

利用者はGoProで撮影したビデオをYouTubeなどに公開し、アクションを通じて自己主張を行う。視聴者は息をのむビデオを楽しんでいる。GoProはYouTubeに専用チャンネルを設け、幅広い分野のビデオを公開している。ここには一般利用者が撮影したビデオだけでなく、提携しているアスリートや企業が撮影した、高品質のビデオが掲載されている。上の写真はその一例で、Bombsquadというスタント・チームが、断崖からベースジャンプした様子を、ヘルメットに装着したGoProで撮影したものである。パラシュートが開く前のダイビングで、鳥のように滑空しているところを捉えている。プロが撮影したビデオは、圧倒的な迫力で見る者に迫って来る。

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GoProで撮影されたビデオはスリリングなものだけではなく、海中を泳ぐ優雅なシーンも捉えている。(上の写真) これはPerformance Freedivingというフリーダイビング運営会社が撮影したもので、インストラクターがトンガの海で素潜りをしている様子である。深くダイブしてクジラに遭遇するシーンも記録されている。これらのシーンは同僚が装着しているGoProで撮影した。これがGoProチャンネルの一番人気のビデオで三千万回閲覧されている。

GoProは映画配信サイト

YouTubeに開設しているGoProチャンネルには、1700本近いビデオが公開されている。アマチュア・ビデオを綺麗に編集したものから、提携しているプロのアクションを撮影したものまで、多彩なコンテンツが揃っている。ジャンルごとに整理されたビデオ・ライブラリーとなっており、アクション映画として十分に楽しめる。Netflixで映画を楽しむように、GoProは映画配信サイトとして機能している。Netflixは有償であるが、GoProは無償でコマーシャルが入った映画を楽しむ構成となっている。

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コンテンツを航空会社に配給

GoProはアクション・ビデオをサイトに掲載するだけでなく、Virgin America航空へ提供している。同航空は機内エンターテイメントで、テレビ番組や映画に加え、GoProアクション・ビデオを放送している。乗客は機上でもGoPro放送を楽しむことができる。またGoProはこれらビデオをMicrosoft Xbox 360とXbox One向けに配信すると発表した。これによりXbox Live GoldメンバーはGoProアクション・ビデオをゲーム機で楽しむことができる。(上の写真) 利用者は家庭のテレビでアクション・ビデオを楽しむことができる。

GoProはコンテンツ企業

GoProはウェブサイトに高品質アクション・ビデオを公開し、映画ストリーミング事業を展開しいる。同時に、製作したコンテンツは航空会社に配信し、今後はXbox利用者にストリーミングする。GoProはカメラ・メーカーではなく、事業の中心は映画プロダクションである。GoProカメラは簡単に真似できるが、ユニークなアングルで撮影されたコンテンツで事業を展開するにはノウハウがいる。創設者でCEOのNicholas Woodmanは、GoProは「コンテンツ企業」であると述べている。更に、Woodmanは、GoProカメラは事業推進のための「Enabler (支える道具)」であるとも発言している。

高度な技術を有す日本の光学機器企業がスマートフォンに押されデジタルカメラ事業を縮小しているのとは対照的に、GoProはシンプルなカメラで急成長している。GoProでは、ウエアラブル・カメラを基盤とする独自事業が成長の原動力となっている。いま多くのウエアラブル製品が登場しようとしているが、成功の鍵はハードウェア基盤上のビジネスであることをGoProが示している。高度技術をEnablerとし、如何に魅力的な事業を構築できるか、日本企業の実力が問われている。

Facebookだけじゃない、IntelもMicrosoftもウエアラブルに向う

Tuesday, April 1st, 2014

Facebookは、3月25日、バーチャル・リアリティ (VR) ヘッドセット開発企業Oculus VRの買収を発表した。Intelは、同日、腕時計型ヘルス・トラッカー開発企業Basis Scienceを買収すると発表。これに先立ちMicrosoftは、ウエアラブル開発企業Osterhout Design Groupからスマートグラス関連技術を買収した。大手IT企業はウエアラブル開発に向って舵を切った。

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Intelはヘルス・トラッカー企業を買収

Intelが買収したBasis Scienceは、サンフランシスコに拠点を置くベンチャー企業で、「Basis」ブランドで腕時計型ヘルス・トラッカー (上の写真) を開発している。この市場ではJawboneやFitbitが有名であるが、Basisは四種類のセンサーを搭載し、身体データを多角的に解析できるのが特徴である。

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Basisはスマートウォッチのように腕にはめて利用する。上の写真は心拍数 (86) を表示している様子である。デバイス背面に搭載されているセンサーで血流を測定し心拍数を算定する。会社で仕事中に心拍数が高い時はストレス・レベルも高く、呼吸法などでリラックスする必要がある。利用者は心拍数からストレス・レベルを把握し、健康管理に役立てる。

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上の写真は利用者のアクティビティを表示している。ディスプレイに、30分23秒ウォーキングして328カロリー消費、と表示されている。加速度計が歩行数を測定し、専用ソフトウェアBody IQがデータ解析を行い、アクティビティの種類を識別する。ここではウォーキングであると認識している。他に、ランニング、サイクリング、睡眠などを把握する。

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クラウドで活動状態を管理

収集したデータはパソコン経由でクラウドにアップロードする。上の写真はアップロードしたデータを閲覧している様子で、活動の詳細がグラフで表示されている。ここには10月25日午前中の身体情報と活動情報が表示されている。身体情報は心拍数、消費カロリー量、発汗量が表示されている。体表面温度を見ることもできる。活動情報はアクティビティの種類を、ウォーキングやランニングのアイコンで示している。また睡眠を解析する機能もあり、睡眠時間や睡眠状態を時間軸に表示する。睡眠の状態はDeep、Light、REMで表示され、利用者は良く眠れているのか、睡眠の質を把握できる。

ウエアラブル開発環境を提供

Intelはニュース・リリースで買収の目的について述べている。Intelはウエアラブル製品を製造販売する訳ではなく、開発企業向けにその環境を提供する。具体的には、「ウエアラブル参照モデル」を開発し、半導体ではワンチップ・コンピューターである「SoC」を開発する。更に、開発者向けに「プラットフォーム」を提供する。開発企業はIntelが提供するSoCやプラットフォームを利用して、ウエアラブル製品開発を加速できる。Intelはウエアラブル開発環境を提供し、ここにBasis Scienceの技術と人材が活用される。Intelはパソコンからモバイルへの移行が遅れ苦戦しているが、ウエアラブルでは迅速な対応をみせている。

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Microsoftはスマートグラスに向う

Microsoftは水面下でウエアラブル技術開発を進めている。MicrosoftはOsterhout Design Groupからスマートグラス (上の写真) に関連する知的財産権を買収した。今月、TechCrunchが報道した。Osterhout Design Groupはサンフランシスコに拠点を置くベンチャー企業で、アメリカ軍や政府機関向けにウエアラブル装置を開発してきた。買収の対象は拡張現実 (AR) 技術やメガネ型ウエラブル技術で、昨年11月に合意が成立している。但し、Microsoft及びOsterhout Design Groupは、この買収について公表していない。

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スマートグラスの概要

Osterhout Design Groupは開発している技術について公開していないが、メガネ型ウエアラブルの特許を申請している。申請書類によると、この技術を「頭部に着装するインタラクティブ・メガネ」と定義している。上のダイアグラムがその構造で、メガネ・フレームに発光装置(ダイアグラムの122)が搭載され、プロジェクター(108)を通して、レンズ(104)に投影する構造となっている。レンズは透明で、前の景色が見える構成である。イヤフォン(120)を備え、無線通信機構(118)を搭載している。プロセッサーはTI OMAP4(112)。フレーム上部がアンテナ(110)となっている。このデバイスの主な用途はAR機能で、透明なレンズに付加情報を表示する。Google GlassでARアプリLayarを使うイメージである。但し、デバイスは軍事ミッションを意識して設計されており、AR技術を顔認識や光彩認識に適用し、戦場でテロリストを特定する利用法などが想定されている。

Microsoftは買収した技術を何に使うか公表していないが、Google Glassに対抗して、Microsoft独自のスマートグラスを開発するモデルも考えられる。又は、スマートグラスをMicrosoft Xboxと連携して、ゲーム端末として利用するオプションもある。Microsoftは水面下でウエアラブル技術開発を加速させている。

主要企業はウエアラブルに向う

FacebookはOculus VRの買収を発表し、市場を驚かせた。ソーシャル・ネットワークとウエアラブルはどう関係するのか、Mark Zuckerbergは長期的ビジョンとして、VRを使ったコミュニケーションが一般化すると述べている。GoogleはGoogle GlassやAndroid Wearでウエアラブル開発で先行している。AppleからはiWatchが噂され、FacebookもOculus VRでこの流れに乗る形となった。主要IT企業のベクトルがウエアラブルに向い始めた。