Archive for June, 2014

Google I/OでクールなAndroid Wearアプリが登場!スマートウォッチの便利さが見えてきた

Saturday, June 28th, 2014

Googleは、開発者向けイベントGoogle I/Oで、Androidを多角展開することを明らかにした。スマホ向けには「Android L」を発表し、タッチ・インターフェイスが大幅に改良された。自動車向けには「Android Auto」を、テレビ向けには「Android TV」を発表。スマートウォッチ向けには既に「Android Wear」を発表しているが、今回はアプリのデモでその利便性をアピールした。

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Googleが開発しているアプリ

ステージ上でAndroid部門ディレクターDavid SingletonがAndroid Wearについて説明 (上の写真)。Googleは今年3月にAndroid Wearを発表しており、今回はアプリを実演し、ウエアラブル時代のライフスタイルを紹介した。日々の生活でスマートウォッチをどう利用するかが示された。

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朝起きると、まず天気を確認する (上の写真左側、出典はいずれもGoogle)。スマートウォッチはサンフランシスコにいることを把握しており、当地の天気を表示。カードを右にスワイプすると会社までの通勤時間と、道路渋滞情報が表示される (同右側)。スマートウォッチは、利用者の勤務先を把握している。これらは「Google Now」をスマートウォッチに展開したもの。Google Nowは利用者の場所、時間、嗜好などに沿った情報を提示する。これは「Contextual Information」と呼ばれ、スマートウォッチは優秀な秘書のように、利用者が指示しなくても、阿吽の呼吸で必要な情報を提示する。このコンセプトは3月に発表されており、今回はこれをデモで証明した形となった。

パートナー企業からのアプリ

今回のハイライトはパートナー企業が開発したアプリが紹介された点である。これらアプリはスマートウォッチという新しいデバイスをどう活用しているのか、デモを通して紹介された。同時に、ウエアラブルに対する開発コンセプトも読み取れる。

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最初の事例は写真共有アプリ「Pinterest」。Pinterestには綺麗な写真が掲載されており、気になる投稿者をフォローできる。気に入った写真を自分のボードにピン止めすることもできる。Pinterestでピン止めしたレストランの近くに来ると、スマートウォッチに通知が表示される。上の写真左側がその様子で、「Han II Kwan (韓国料理店) のそばにいる」と表示されている。画面をスワイプすると詳細情報にアクセスでき、そこまでの道順が示される (同右側)。興味を持っていたレストランに行くことができる。通知を受信した際、スマホを取り出すより、スマートウォッチを見るほうが便利である。道案内に沿って歩くときも、やはりスマートウォッチのほうが便利だ。

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料理を注文し支払する

「EAT24」はレストランで宅配を注文するアプリ。Singletonはこのアプリを使いスマートウォッチでピザを注文するデモを実施。画面を上方にスワイプして料理の種類を選択する (上の写真左側)。そこでピザ選び、画面を左側にスワイプすると、前回注文したレストランとメニューが表示される (同右側)。この画面にタッチして発注する。次に値段が表示された画面にタッチすると支払いが完了。スマートウォッチで20秒間でピザを注文するというデモはインパクトがあった。オンライン・ショッピングをスマートウォッチで行う時代が到来した。

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音声でタクシーを呼ぶ

音声で操作するアプリも注目を集めた。「Lyft」はタクシー・ネットワークで、利用者はスマホから配車のリクエストをする。これをスマートウォッチで行うデモが実演された。スマートウォッチに「Call me a car」と語りかけタクシーを呼ぶ。スマートウォッチは現在地 (747 Howard St、Google I/O会場) を認識しており、Lyftに配車指示を行う (上の写真左側)。アプリは、「あと3分で到着」と、Lyftからのメッセージを表示 (同右側)。車が到着するとその旨のメッセージが表示される。スマホでは地図上にピンを立て、配車位置を連絡する。スマートウォッチではこの操作はできないため、音声での入力となる。では別の場所に配車を依頼する時は音声で住所を入力するのか、インターフェイスの説明は無かった。日頃「Uber」という類似アプリでタクシーを利用しているが、車が到着するまで、頻繁にスマホを取り出し車の位置を確認する。スマートウォッチなら、腕時計を見るだけですみ、やはり便利。

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スマート家電を操作する

Runtasticは人気のフィットネス・アプリ。ジョギングしている時、スマホに走行距離や走行時間を表示。Runtasticはスマートウォッチ向けアプリを開発しており、利用者はスマホを取り出さなくても、腕のスマートウォッチを見ると、これらの情報が分かる (上の写真)。スポーツなど体を動かしている時は、スマートウォッチのほうが使い易い。

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電機・家電製品メーカーPhilipsは「Philips Hue」というスマート・ライトを販売している。Philips Hueは1600万色を発光し、利用者はスマホからライトをコントロールし、好みの色に設定できる。今度は、スマートウォッチからこれらの操作を行うことができる (上の写真)。ソファーに座って、スマホを取りに行かなくても、腕のスマートウォッチで、室内の色を変えることができる。今後は、テレビや空調などをスマートウォッチで操作するアプリが登場すると思われる。Philips Hueはスマートウォッチがスマートホームのリモコンとなることを示唆している。

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多くのアプリが開発されている

Googleは、上記を含め、60本のアプリがAndroid Wear向けに開発されていることを明らかにした (上の写真)。このリストを見るとスマートウォッチ利用形態のトレンドが見えてくる。「Delta」はデルタ航空のアプリで、スマートウォッチでフライト情報を確認し、QRコードの搭乗券を表示し、そのまま搭乗できる。搭乗ゲートでポケットからスマホを取り出す必要が無くなる。「LevelUp」はカード支払いアプリで、店舗で買い物をした際に、クレジットカードを出さなくても、スマートウォッチで支払いができる。「Mint」は家計簿アプリで、スマートウォッチで銀行口座残高を照会できる。市場はモバイル・バンキングからウエアラブル・バンキングに向っている。「Salesforce」などの名前もあり、スマートウォッチが仕事のシーンで活用されることになる。既に「Bring Your Own Wearable (BYOW)」という造語も登場しており、BYODの次の流れを示している。

これらスマートウォッチ向けアプリは、利用者がダウンロードする必要はない。スマホ向けアプリをダウンロードすると、自動的に、スマートウォッチ向けアプリもダウンロードされる。スマホ・アプリが更新されると、スマートウォッチ・アプリも自動でアップデートされる。

Android Wear成功のカギは

上述の通り、Googleが提供するアプリは、Google Nowをスマートウォッチに焼直したものである。利用者のコンテキストを把握し、利用者が欲していると思われる情報をプッシュする。それに対して、パートナー企業が開発しているアプリは、スマートウォッチという形状に最適な使い方を目指している。今回の発表でその外郭が見え、スマートウォッチ活用法が形となってきた。スマートウォッチが単にスマホのセカンドスクリーンであるなら、その利用価値は限定的である。Android Wearが成功するためには、腕時計という形状を生かしたクールなアプリの登場が鍵を握る。Googleとパートナー企業からのイノベーションに期待が寄せられている。

街中でレストランを見れば評価がわかる!Google Glassがリアルとデジタルを橋渡し

Sunday, June 22nd, 2014

拡張現実 (AR) 技術で市場をリードしているBlipparはGoogle Glass向けアプリ開発に重心を移している。Blipparは今月、「Glass Vision」として、Google GlassとARが結びつくことで、日々の生活が飛躍的に便利になるというビジョンを発表した。ここにはGoogle Glassでの新しいライフスタイルが描かれている。

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Google Glass向けAR開発

BlipparはLondonやSan Franciscoなどに拠点を置くベンチャー企業で、イメージ認識使ったデジタル広告技術を開発している。スマホでBlipparアプリを起動し、商品や雑誌を読むと、その上にマルチメディア・コンテンツが表示される。これがAR機能で、人目を引く広告方式として、市場で幅広く使われている。いまBlipparは、これをGoogle Glassに応用する取り組みを始めた。Glass Visionでは、Google GlassとARが結びつくことで、日々の生活が如何にインタラクティブになるかを示している。

手のひらがキーボード

Google GlassでBlipparを起動し、手のひらを見ると、そこがキーボードとなる (上の写真)。キーボード下段にはTwitter、Facebook、SMS、Saveのアイコンが並び、これらにタッチして利用する。キーボード上段には+アイコンが並び、これらにタッチすると、写真や情報をそのままFacebookなどに掲載できる。中段は着信メッセージで、アイコンにタッチしてメールを読む。ARを使うとGoogle Glassをキーボードで操作できる。

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Google Glassで時計を見ると、その周りに他国の時間が表示される (上の写真)。いまLondonにいて、腕時計は11:44 amを指している。この周りに時計アイコンが表示され、東京は2:44 pmであることが分かる。また今日の日付は10月21日。

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レストランの前で評価を読む

Google Glassでレストランを見るとディスプレイに店舗情報が表示される。上の写真がその事例で、通りから店舗を見ると、ここは「Tuttons」というイタリア料理店で、評価は四つ星で、美味しいが高い、ということが分かる。店内の様子や料理の写真も掲載されている。店の前でこれらの情報を読み、入るかどうかを決めることができる。勿論、スマホでアプリを起動し、「Tuttons」と入力すれば、同じ情報を読むことができる。しかし、Blipparを使うと、何も入力することなく、目の前にこれらが表示され、格段に便利である。

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商品を見ると値段が分かる

Blipparは買い物するのに便利なアプリである。ウインドウ・ショッピングをしていて、気になるスニーカーを見つけた。Google Glassで商品を見ると関連情報が表示される (上の写真)。この商品の価格はAmazonが31.99ドルで、Asos  (英国のオンラインストアー) は29.99ドルと表示されている。つまりこの店で買うより、Asosで買う方が安いことが分かる。+アイコンを押すとそのまま購入できる。また関連商品も表示される。

利用者は店舗で販売されているスニーカーでも、駐輪場に置かれている自転車でも、Google Glassで見れば、価格や商品情報が分かる。Amazon Fire Phoneのカメラで品物を読み込むと、Amazonで購入できるのと同じ原理である。しかし、Google Glassでは対象物を見るだけで処理が完了し、スマホを取り出してかざす必要はない。消費者にとってGoogle Glassは究極のショッピング・マシンとなり、買い物のコンセプトが根底から変わる。一方、小売店舗としては、商品は常にオンライン・ストアーと値段が比較され、今以上に、Showrooming (実物を店舗で見て買い物はオンラインで行う方式) が進行する。

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これは不動産物件を探している時にも利用できる。Google Glassで気に入った物件を見ると、その不動産情報が表示される (上の写真)。このケースでは物件価格は250万ポンドと表示され、建物内部の写真も掲載されている。アイコンにタッチすると間取りや詳細情報が表示される。

AR搭載の美術館ガイド

Google Glass向けAR機能はBlippar以外の企業も注目している。GuidiGOはNew YorkとParisに拠点を置くベンチャー企業で、スマホ向けに観光案内アプリを開発している。GuidiGOは今月、Google Glass向けアプリ「GuidiGO for Glass」を発表。これは美術館ガイドで、Google Glassをかけて絵画の前に立つと、アプリは作品を認識し、作品案内を音声と写真で行う。

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具体的には、利用者は作品の前に立ち、Google Glassで作品イメージを読み込む (上の写真)。アプリは画像認識機能を使って、この絵画はVincent Van Gogh作「Harvest in Provence」であると認識し、この作品についての解説を音声で行い、画像をGoogle Glassに表示する。利用者は作品解説をマルチメディアで楽しめるほか、作品番号などを入力する必要はない。このアプリはルーブル美術館などで絵画鑑賞ツールとして実証実験が始まっている。長い紐で音声ガイドを首に吊るし、片耳にヘッドセットを装着する、古風な方式から解放される日も近い。

AR市場で統合が始まる

Blipparは先週、AR老舗企業Layarを買収した。BlipparとLayarが統合することで世界最大規模のAR開発会社が誕生する。この買収により、両社の資源が統合され、消費者向けのAR技術開発が加速することとなる。Blipparは、前述の通り、Google Glass向けARに注力しており、グラスアプリ開発が本格始動する。

同社 CEOで共同創設者のAmbarish Mitraは、ARをGoogle Glass向けに展開する理由を次のように述べている。ウエアラブル市場でGoogle Glassの位置づけは 「ビジュアル層」で、素早く情報にアクセスできるのが特徴である。Blipparは、利用者が特別な操作をすることなく、必要な情報にアクセスできる方式を目指している。Mitraの発言を代表する事例は上述のレストランで、Google Glassで見るだけで、その店の評価が分かる。インターネット上には膨大な情報が集約されているが、Google GlassとARがこれをリアル社会にマッピングする役割を担っている。

Google Glassが遠隔医療の扉を開く!お母さんはグラスで授乳法を学ぶ

Tuesday, June 17th, 2014

Google Glassはアメリカの大学病院で必要不可欠の医療ツールとなっている。今度は、医師ではなく、患者側がGoogle Glassをかけて治療を受ける、新たな試みが始まった。その最前線をレポートする。

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お母さんがGoogle Glassをかけて授乳

お母さんがGoogle Glassをかけて (上の写真)、医療関係者から授乳法を学ぶ取り組みが話題を集めている。これはサンフランシスコなどに拠点を置く、Small Worldという企業により開発された。同社は世界各国を舞台に、最新テクノロジーを使って革新的なソリューションを開発しており、「技術の国連」と呼ばれている。Small Worldはオーストラリアで、Australian Breastfeeding Association (ABA) と共同で、「母乳で育てるプロジェクト」を立ち上げた。これはお母さんが新生児に授乳する際に起こる問題をGoogle Glassで解決する取り組みである。

お母さんは病院で子供を出産して授乳を始めるが、うまく授乳できなくて、止めてしまうケースが増えている。乳の出が悪いまま退院し、家に帰っても授乳が上手くいかないことが原因である。病院などに相談し、電話で指導を受け、問題を解決するケースもあるが、多くのお母さんがうまく授乳できず困っている。これらお母さんに対して、ABAがGoogle Glassを貸出し、カウンセラーがグラスを通して、お母さんや新生児を見ながら、授乳法を指導する。

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Google Glassでカウンセリングを受ける

Small Worldは今年2月から、オーストラリア・ビクトリアで10名のお母さんを対象に実証試験を開始し、その効果を検証している。お母さんは6週間から8週間、Google Glassをかけて授乳を行う。お母さんは、まず、Google Glassで授乳法を学習する。「ok glass, breastfeed」と語りかけると、Google Glassに授乳法が表示され (上の写真)、お母さんはこれに従って授乳する。

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このガイドでうまく授乳できないお母さんは、Google GlassでABAカウンセラーとビデオ会議を行い、アドバイスを受ける。お母さんは「make a video call with breastfeeding counselor」と指示し、Google Hangouts機能を使って、カウンセラーとビデオ会議を始める。お母さんは授乳の様子をGoogle Glassで撮影し、カウンセラーにストリーミングする。カウンセラーは、パソコンで授乳の様子を新生児と共に見ることができ (上の写真)、適切なアドバイスを行える。ビデオ画像は暗号化して送信され、ABA側でデータが保存されることはなく、プライバシー保護に配慮されている。Small Worldによると、今のお母さんは両親と離れて暮らすケースが増え、授乳についての相談相手が少なくなった。母親に代わり、このシステムが授乳の相談相手になれるよう、開発が進んでいる。

Google Glassで遠隔医療

Small Worldは将来構想については何も触れていないが、このケースはGoogle Glassによる遠隔医療の可能性を示唆している。子供が病気になった時は、お母さんがGoogle Glassをかけて子供の様子を病院にストリーミングし、医師の診断を仰ぐことが可能となるのか。また、年老いた両親を介護する際も、Google Glassが病院との窓口となるのか。患者と病院の関係が、大きく変わろうとしている。

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Google Glassで子供たちの夢をかなえる

入院している子供たちの夢をGoogle Glassでかなえることはできないか、アメリカで新たな試みが始まった。テキサス州のChildren’s Memorial Hermann Hospitalは小児科専門病院で、Google Glassを使った医療プログラムを開発している。入院している子供たちは、病院に隣接している動物園が気になる。病室の窓から動物園が見え、子供たちは行ってみたいと思っていた。入院患者Jayden (6歳) もその一人で、糖尿病で一年前から入院している。

病院は入院している子供たちにGoogle Glassを貸出し、動物園を”訪問”するプログラムを開始した。JaydenはGoogle Glassをかけてみて、早速、「take a picture」と言って、ぬいぐるみの写真を撮った (上の写真)。「ok glass, google, diabetes」と語りかけ、Google Glassで糖尿病を調べた。

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そうしていると、ある日、動物園からJaydenのGoogle Glassに電話がかかってきた。Jaydenは電話を取ると、それは動物園飼育係のRyanからであった。RyanはJaydenに「Houston Zooから電話している」と告げた。Ryanは、早速、動物園の様子をGoogle Glassで撮影し、Jaydenにビデオを送った (上の写真)。Ryanは「これはMeerkatという珍しい動物である」と説明。Ryanは動物園内を歩き回り、Jaydenは一緒に動物園を”散策”することができた。

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子供たちはGoogle Glassをかけて動物園からの映像を見るほかに、病院内を歩き回り、ビデオ撮影を行った。Children’s Memorial Hermann Hospitalによると、子供たちはグラスをかけている時は子供に戻り (上の写真)、動物園を楽しんだとしている。これがGoogle Glassを患者向けに導入した最初のケースである。医師がGoogle Glassを着装して高度医療を展開する方式が広まっているが、Google Glassを患者が着装することで、入院のストレスを解消する試みが始まった。

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非健常者がGoogle Glassでキャンプ参加

Google Glassは非健常者が自分を取り戻すためのツールとしても使われている。Alex Blaszczuk (上の写真) はコロンビア大学法学部の学生で、三年前に交通事故に合い、下半身不随となった。BlaszczukはGoogle Glass Explorer Programに参加し、グラスをかけて生活をしている。

車椅子の生活であるが、仲間とキャンプに出掛けた。テント設営などはできないが、BlaszczukはGoogle Glassで情報検索したり、写真撮影などを行った。自動車でキャンプ場に向う際は、Google Glassで道案内を行った。キャンプ場では、Google Glassで必要情報を集めた。例えば、このキャンプ地 (Catskill、ニューヨーク州北部地域) にはクマが出るのかなどをGoogle Glassで検索。その結果、クマはでないことが分かり、みんな安心してキャンプを行った。

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自分の感情を表現できるツール

キャンプ場ではカメラマンとして、写真やビデオ撮影を担当 (上の写真)。Blaszczukはブログの中で、「Google Glassが障害を取り除いてくれる訳ではないが、自分の感情を表現できるツールである」と述べている。障害者が「Google Glassで話題や情熱を共有できると人間らしくなる」とも表現している。Blaszczukは弁護士になり、活動家として障害者を代表して、社会に意見を述べることを目指している。「障碍者が社会に置き去りにされることに終止符を打ちたい」と述べている。

Google Glassは医療分野において、なくてはならない存在になってきた。医師ではなく手助けを必要とする患者が着装することで、Google Glassが日常生活への復帰を後押しする。

Google Glassで支払い可能に!世界の金融機関は「ウエアラブル・ワレット」に注目

Monday, June 9th, 2014

欲しいと思っていた機能が遂に登場した。Google Glassから支払できるアプリである。レストランで食事をして、会計する際に、Google GlassでQRコードを読み込み、二回うなずくと支払い完了。金融機関は、Google Glassなどウエアラブルを対象とした新システムの開発を始めた。

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QRコードを読み込んで支払い

これは「Eaze」というアプリで、オランダ・アムステルダムに拠点を置く同名のベンチャー企業により開発された。買い物をして支払いする際に、スタッフは請求書の代わりに、タブレットにQRコードを表示して提示する (上の写真)。顧客はこれをGoogle Glassで読み込んで支払いをする仕組みである。

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実際の手順は次の通りとなる。利用者は支払いをする際に、Google Glassに対して「ok glass, make a payment」と語りかける。次にタブレットに表示されているQRコードをGoogle Glassで読み込む (上の写真、イメージ)。

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そうすると、Google Glassに支払金額が表示される。上の写真がその様子で、金額は1004.40ユーロで、ビットコイン建値では1.3463 BTCと表示される。現在、決済はビットコインで行われる。但し、将来はユーロやドルでも利用できる。

ウエアラブルでの決済サービス

利用者はこの金額を確認し、二回うなずくと、これがOKサインとなり、支払いプロセスが起動される。具体的には、利用者のCoinbase (ビットコイン売買サイト) 口座から送金される。支払処理が完了するとGoogle Glassに完了メッセージが表示される。ビットコインは多くの問題を抱えながらも、インターネットとの相性が良いため、金融サービスでの利用が拡大している。

Eazeを使うと、カードやスマホを取り出す必要が無く、身に付けているGoogle Glassで手軽に支払いできる。Eazeは、Google Glass以外に、スマートウォッチ、ブレスレット、リングなどのウエアラブルで支払いを行うサービスを計画している。この方式は「ウエアラブル・ワレット」と呼ばれ、文字通り、ウエアラブルを金融決済に利用するアイディである。おサイフケータイの次はウエアラブル・ワレットに向うのか、注目すべき技術である。

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Google Glassでオンライン・バンキング

大手銀行もGoogle Glassを利用した、金融サービスの開発に着手している。オーストラリアの大手銀行Westpacは、Google Glassを活用したオンライン・バンキングを開発している。銀行顧客はこのアプリを使って、Google Glassから、口座残高照会、銀行送金、ATM検索、アラート受信などを行える。上の写真は、銀行顧客がGoogle Glassで、最寄りのATMを探しているところ。利用者が「find me a closest ATM」と語りかけると、Google Glassは近くのATMの場所を地図上に表示し、そこまで道案内を行う。

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残高照会や銀行送金

上の写真は、利用者がウインドウショッピングをしていて、気になるシューズを見つけたところ。このシューズを買いたいが、口座残高が気になる。そこで利用者は、Google Glassに「show me the balance」と指示すると、Google Glassは、写真の中のカードの通り、「当座預金の残高は93.74ドル」と回答する。

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これではシューズを買うことができないので、利用者はGoogle Glassに送金を指示する (上の写真)。グラスに「quick transfer」と語りかけ、銀行口座間で送金処理を開始。次に利用者は「100ドル」と金額を指定し、更に、「from saving account to checking account」と、送金元と送金先口座を指定する。アプリはこの指示に従って送金処理を実行。当座預金の残高が増え、利用者は晴れて気に入ったシューズを買うことができた。

スマホの次の金融サービスを模索

世界の金融機関は、スマホの次の時代をにらんだ金融サービスを模索している。市場ではモバイル・バンキング向けアプリ開発が一巡し、今は、スマホの次のデバイスと期待されているウエアラブル向けに、システム開発を始めた。Google Glass以外にも、Samsung Galaxy Gear 2スマートウォッチ向けの金融サービスも登場している。ウエアラブルの特性に応じ、如何にクールな金融サービスを展開できるのか、次世代に向けた顧客獲得競争が始まっている。