原発事故と米国エネルギー政策

東北関東大震災で、被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。地震と津波による甚大な被害のほかに、福島原子力発電所での、復旧作業が難航しており、アメリカのエネルギー政策に大きな影を落としている。

GE Mark 1

福島原子力発電所の事故を受けて、アメリカ国内で稼動している原子力発電所の安全性について、一気に疑問が噴出した。NBCやNew York Timesは、事故直後、GE (General Electric) 社製のMark 1という原子炉について、その危険性を指摘した。Mark 1は、1960年代に、GEにより設計された原子炉で、冷却装置が停止し、燃料棒がオーバーヒートすると、原子炉格納容器が破壊される弱点があると報道している。この問題は、1972年から指摘されているが、福島原子力発電所で使用されていることから、再度、注目されることとなった。

g202a_earthquake_energy

New York Timesによると、Mark 1は、アメリカ国内において、16箇所 (上のグラフィックス、出展:New York Times) で23基が運転されているとしている。国外も含めると、32基が運転されている。GEは、この原子炉を販売する際に、低価格で容易に建設できることをPRしていた。一方、GEはこれらの報道に対して、原子炉に対して必要な補強を実施済みである、とコメントを出している。

危険な原子力発電所

アメリカ国内では、旧式の原子力発電所が、数多く運転されており、その危険性が指摘されている。アメリカ国内で最も危険な原子力発電所は、Indian Point Energy Center (下の写真、出展:Orange County, New York) である、といわれている。この原子力発電所は、Entergy (エンタジー) という電力会社により運用されており、1962年に運転が開始された。現在は、Indian Point 2と3という二基の原子炉が運転されている。

g202b_earthquake_energy

Entergyによると、福島原子力発電所は、地震ではなく津波による被害だと主張している。原子力発電所は、想定外の地震には耐えており、Indian Pointもこの地区で予想される地震には対応できるとしている。一方、メディアからは、Indian Pointの問題は、事故発生の際の非難区域であると指摘されている。Nuclear Regulatory Commission (NRC、原子力規制委員会) の規定に従って、避難範囲を50マイル (80キロ) と設定すると、ニューヨーク市を含み、二千万人が避難の対象となる。Google Maps (下のグラフィックス、出展:VentureClef) に発電所の位置を表示すると、ニューヨーク市の直ぐ北に位置していることが分かる。Indian Pointは、9/11事件の後、テロ攻撃の対象となる危険性があり、早急に運転を停止すべきとの意見が出されている。

g202c_earthquake_energy

原子力発電所建設抑制論と推進論

アメリカ国内では、福島原子力発電所事故直後から、オバマ大統領が進めている、原子力エネルギーへの回帰について、賛否両論が激しくぶつかっている。アメリカ議会においては、民主党から、原子力発電所推進について、慎重な意見が出ている。3月17日に開催された、連邦議会委員会公聴会で、カリフォルニア州選出の上院議員であるBarbara Boxer (バーバラ・ボクサー) は、福島原子力発電所の問題の概要が分かるまで、国内の旧式の原子力発電所について、運転を停止すべきだとの見解を示した。一方で、この公聴会において、NRC会長のGregory Jaczkoと、Department of Energy (エネルギー省) 長官であるSteven Chuは、アメリカの原子力発電所は安全であることを強調している。公聴会とは別に、共和党は原子力発電所建設を支持しており、下院議長であるJohn Boehner (ジョン・ベイナー) は、CNBCとのインタビューの中で、日本の原子力発電所事故から学ぶ必要があるとしながらも、原子力発電所建設を推進していく考え方を示している。

オバマ政権のポジション

オバマ大統領は、福島原子力発電所の事故の後も、原子力エネルギー開発の方針を維持している。オバマ大統領は、先に、原子力発電所建設のために、545億ドルのLoan Guarantee (負債保障) を行なっている。また、オバマ大統領は、国民に向けた演説 (下の写真、出展:The White House) の中で、NRCに対して、原発の安全性を再検証するよう指示を出していることを説明した。これを受けてNRCは、Callaway Nuclear Plant (ミズーリ州) など、安全性に懸念のある発電所にスタッフを派遣して、現地での点検を実施している。更に、NRCは、原子力発電所の安全基準の見直しに着手していることを明らかにしている。オバマ大統領としては、原子力エネルギーが、地球温暖化防止に寄与できるだけでなく、アラブ諸国に原油を依存する必要性から開放されるため、エネルギー政策を見直すことは痛手となる。

g202d_earthquake_energy

調査会社であるPew Researchは、3月17日から20日にかけて、1,004人を対象に世論調査を実施した。これによると、アメリカで原子力発電に反対する人の割合が、前回調査の44%から52%に急増している。テレビのニュースは、福島原子力発電所の建屋が、大きく破損している様子を、連日報道しており、アメリカにおいて、原子力エネルギーに対する反対意見が大勢を占めてきた。今後、事故処理が難航するようであれば、オバマ政権としては、原子力発電への回帰路線を維持するのが困難となってくる。

エネルギー政策

政治を離れ、アメリカの識者の間で、これからのエネルギーはどうあるべきか、議論が活発になっている。もしアメリカが、全ての原子力発電所を停止して、石炭による火力発電に切り替えると、二酸化炭素排出量が14%増加するこという試算がある。火力発電だけに頼るのは、世界の時流に逆行する。それでは、2050年までに、アメリカのエネルギー需要を、全て再生可能なエネルギーで賄うためには、62万台のウインド・タービン (5MW)、14,000箇所の大型太陽光発電施設 (300MW) が必要となり、家庭においては2.6億戸の住宅で、屋根にソーラーパネル(3kW) を設置する必要があると試算している。(「Providing all global energy with wind, water, and solar power」より引用、アメリカ国内のケースに換算)

g202e_earthquake_energy

世界の流れは、クリーン・エネルギーであるが、これも、今すぐに実現できる訳ではない。その代替案として、Shale Gas (シェール・ガス) を活用する方式が提唱されている。Shale Gasとは、岩石に含まれる天然ガスで、アメリカ国内で大規模な埋蔵量がある。天然ガスの価格上昇と、採掘技術の発達で、Shale Gas事業が進み始めている。また、Shale Gasは石炭に比べて、クリーンに燃焼できることから、次善の策として注目を集めている。長期的には、再生可能エネルギーに移ることは間違いないが、その中継ぎとしてShale Gasが登場し、アメリカ国内でブームを引き起こしている。(上の写真はChesapeake EnergyによるFayetteville Shale (アーカンソー州) での採掘の様子。)

分散型発電技術

以前にもレポートしたが、Bloom Energy (ブルーム・エナジー) は企業向けにFuel Cell (燃料電池) 技術を開発しているベンチャー企業である。Kleiner Perkins Caufield & Byersなどから、4億ドルの投資を集め、役員には元国務省長官のColin Powellなどが名前を連ねている。

g202f_earthquake_energy

Bloom Energyの製品は、Bloom Boxと呼ばれ、天然ガスを燃料として、クリーンに発電する装置である。上の写真 (出展:Bloom Energy) は、eBay本社に設置されているBloom Box (黒っぽい箱の部分) である。他にも、GoogleやAdobeなどで導入されている。これらの企業は、二酸化炭素排出量を抑制するために、Bloom Boxを導入している。Bloom Energyは、電力会社の集中型発電から、分散型発電(Distributed Generation) に変えることを提唱している。分散型発電とは、電力消費地で発電する方式で、電力送電のためのインフラが不要となる利点がある。福島原子力発電所事故による計画停電対策として、従来のディーゼル発電に加え、Fuel Cellの導入も、遠い先の話ではなくなってきた。アメリカにおけるエネルギー政策論は、切り札はなく、現行技術を組み合わせて進んでいる。国難を切り抜けるためには、斬新な技術が必要で、日米両国ともその実力が試されている。

One Response to “原発事故と米国エネルギー政策”

  1. To The person in charge

    Dear sirs 
    I hope to tell you “The new energy technology that we can get new motive power energy in fuel oil of the engine with expansion pressure by explosive evaporation” from the bottom of my heart strongly.
    Please read my mail. 

    By the way, we can not imagine the condition that the damage of accident in Fukushima atomic power station in Japan spreads without limit.
    The fact that the human is unable to manage the accident about atomic power has been evidenced perfectly. 

    As a matter of course, many countries having a nuclear power plant of the world are driven into the situation that must concentrate their full power on the development of alternative energy of atomic power.

    By the way, I have already spent 20 years on the development of my new energy technology till today without unfortunately being yet accepted in the Japanese public institution.

    The development of the new energy technology for decreasing CO2 has been done to spread to big-size engine by shipping line or the ship engine maker, but situation to advance is too slow by many various obstacle.

    In order to diffuse my new energy technology and make useful for the world greatly, I am hoping to your help now. 

    Of course, needless to say when the new energy is inspected and is identified again I will cooperate as much as possible.
    If my wishes mentioned above are realized, I thank you really.                                 
                                     Yours sincerely,

    929-1171: Ni 160-2, Kizu, Kahoku-shi, Ishikawa-pref, Japan
    E-mail: wxdxn7493000@ybb.ne.jp

                    “Supplement”

    “Skeletal form of new energy technology”
    When fuel oil in cylinder of the engine is burned, at first fuel oil vaporizes.
    The generated evaporation gas can burn for the first time.
    The expansion pressure of evaporation of fuel oil conventionally is so small that can ignore.

    According to my new energy technology, expansion pressure of explosive evaporation by magnetism attains to 10%~20% of motive power of thermal expansion pressure of conventional explosive combustion in the engine

    The effect of the reduction rate of fuel oil of consumption amount attaining to 10%~20% will decrease inevitably incidence of the CO2 similarly.

    This new energy technology can be used in overall heat engine using the fossil fuel basically.
    The spread of this new energy technology brings vast profits economically as well as the big decrease of the CO2.

    The realization of motive power engine which controlled incidence of the CO2 to the minimum by raising the incidence of expansion pressure of explosive evaporation by magnetism to the maximum in near future is not only dream.

    Please look at the following URL (Chapter 1 and Chapter 2) about the detail contents.

    Japanese edition:http://www.archive.org/details/title_996
    English edition:
    http://www.archive.org/details/chapterdiscussionAndUseOfhypothesisInfiniteMagneticField&reCache=1

Leave a Reply

You must be logged in to post a comment.