街中でレストランを見れば評価がわかる!Google Glassがリアルとデジタルを橋渡し

拡張現実 (AR) 技術で市場をリードしているBlipparはGoogle Glass向けアプリ開発に重心を移している。Blipparは今月、「Glass Vision」として、Google GlassとARが結びつくことで、日々の生活が飛躍的に便利になるというビジョンを発表した。ここにはGoogle Glassでの新しいライフスタイルが描かれている。

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Google Glass向けAR開発

BlipparはLondonやSan Franciscoなどに拠点を置くベンチャー企業で、イメージ認識使ったデジタル広告技術を開発している。スマホでBlipparアプリを起動し、商品や雑誌を読むと、その上にマルチメディア・コンテンツが表示される。これがAR機能で、人目を引く広告方式として、市場で幅広く使われている。いまBlipparは、これをGoogle Glassに応用する取り組みを始めた。Glass Visionでは、Google GlassとARが結びつくことで、日々の生活が如何にインタラクティブになるかを示している。

手のひらがキーボード

Google GlassでBlipparを起動し、手のひらを見ると、そこがキーボードとなる (上の写真)。キーボード下段にはTwitter、Facebook、SMS、Saveのアイコンが並び、これらにタッチして利用する。キーボード上段には+アイコンが並び、これらにタッチすると、写真や情報をそのままFacebookなどに掲載できる。中段は着信メッセージで、アイコンにタッチしてメールを読む。ARを使うとGoogle Glassをキーボードで操作できる。

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Google Glassで時計を見ると、その周りに他国の時間が表示される (上の写真)。いまLondonにいて、腕時計は11:44 amを指している。この周りに時計アイコンが表示され、東京は2:44 pmであることが分かる。また今日の日付は10月21日。

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レストランの前で評価を読む

Google Glassでレストランを見るとディスプレイに店舗情報が表示される。上の写真がその事例で、通りから店舗を見ると、ここは「Tuttons」というイタリア料理店で、評価は四つ星で、美味しいが高い、ということが分かる。店内の様子や料理の写真も掲載されている。店の前でこれらの情報を読み、入るかどうかを決めることができる。勿論、スマホでアプリを起動し、「Tuttons」と入力すれば、同じ情報を読むことができる。しかし、Blipparを使うと、何も入力することなく、目の前にこれらが表示され、格段に便利である。

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商品を見ると値段が分かる

Blipparは買い物するのに便利なアプリである。ウインドウ・ショッピングをしていて、気になるスニーカーを見つけた。Google Glassで商品を見ると関連情報が表示される (上の写真)。この商品の価格はAmazonが31.99ドルで、Asos  (英国のオンラインストアー) は29.99ドルと表示されている。つまりこの店で買うより、Asosで買う方が安いことが分かる。+アイコンを押すとそのまま購入できる。また関連商品も表示される。

利用者は店舗で販売されているスニーカーでも、駐輪場に置かれている自転車でも、Google Glassで見れば、価格や商品情報が分かる。Amazon Fire Phoneのカメラで品物を読み込むと、Amazonで購入できるのと同じ原理である。しかし、Google Glassでは対象物を見るだけで処理が完了し、スマホを取り出してかざす必要はない。消費者にとってGoogle Glassは究極のショッピング・マシンとなり、買い物のコンセプトが根底から変わる。一方、小売店舗としては、商品は常にオンライン・ストアーと値段が比較され、今以上に、Showrooming (実物を店舗で見て買い物はオンラインで行う方式) が進行する。

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これは不動産物件を探している時にも利用できる。Google Glassで気に入った物件を見ると、その不動産情報が表示される (上の写真)。このケースでは物件価格は250万ポンドと表示され、建物内部の写真も掲載されている。アイコンにタッチすると間取りや詳細情報が表示される。

AR搭載の美術館ガイド

Google Glass向けAR機能はBlippar以外の企業も注目している。GuidiGOはNew YorkとParisに拠点を置くベンチャー企業で、スマホ向けに観光案内アプリを開発している。GuidiGOは今月、Google Glass向けアプリ「GuidiGO for Glass」を発表。これは美術館ガイドで、Google Glassをかけて絵画の前に立つと、アプリは作品を認識し、作品案内を音声と写真で行う。

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具体的には、利用者は作品の前に立ち、Google Glassで作品イメージを読み込む (上の写真)。アプリは画像認識機能を使って、この絵画はVincent Van Gogh作「Harvest in Provence」であると認識し、この作品についての解説を音声で行い、画像をGoogle Glassに表示する。利用者は作品解説をマルチメディアで楽しめるほか、作品番号などを入力する必要はない。このアプリはルーブル美術館などで絵画鑑賞ツールとして実証実験が始まっている。長い紐で音声ガイドを首に吊るし、片耳にヘッドセットを装着する、古風な方式から解放される日も近い。

AR市場で統合が始まる

Blipparは先週、AR老舗企業Layarを買収した。BlipparとLayarが統合することで世界最大規模のAR開発会社が誕生する。この買収により、両社の資源が統合され、消費者向けのAR技術開発が加速することとなる。Blipparは、前述の通り、Google Glass向けARに注力しており、グラスアプリ開発が本格始動する。

同社 CEOで共同創設者のAmbarish Mitraは、ARをGoogle Glass向けに展開する理由を次のように述べている。ウエアラブル市場でGoogle Glassの位置づけは 「ビジュアル層」で、素早く情報にアクセスできるのが特徴である。Blipparは、利用者が特別な操作をすることなく、必要な情報にアクセスできる方式を目指している。Mitraの発言を代表する事例は上述のレストランで、Google Glassで見るだけで、その店の評価が分かる。インターネット上には膨大な情報が集約されているが、Google GlassとARがこれをリアル社会にマッピングする役割を担っている。

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