無人ヘリの操縦を体験、衝撃的に簡単!大流行の兆しを感じた

アメリカで無人ヘリの利用が広がっている。消費者向けの無人ヘリはカメラを搭載し、上空からの撮影で使われる。所謂「フライングカメラ」である。こう聞かされてもピンとこなったが、実際に無人ヘリを操縦してみてその理由が分かった。いまブームとなっている無人ヘリをレポートする。

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無人ヘリを飛ばしてみる

無人ヘリは「Unmanned Aerial Vehicle」 (無人航空機、通称「ドローン」) の一形態で、複数枚のプロペラを搭載した小型航空機。四基のプロペラを搭載した機種は「クワッドコプター」と呼ばれ、一番普及が進んでいる。サンフランシスコでこのフライトレッスンを受け、操作方法を学んだ。これは「Photojojo」という新興企業が行っているプログラムで、インストラクターが分かり易く説明してくれた。

使用機種はDJI社の「Phantom 2」 (上の写真) 。シンプルなデザインで「空のiPhone」と言われ人気が高い。Phantom 2にアクションカメラ「GoPro Hero3+」 (機体下部のボックス) を搭載し、上空からビデオ撮影を行った。無人ヘリの魅力は実際に操作して分かった。操作は簡単で、空からみる映像は新鮮で、異次元の体験となった。初めてカメラで撮影した時の衝撃を思い出した。

無人ヘリのセットアップ

フライト前に無人ヘリのセットアップを行った。まず、Phantom 2にプロペラ4枚を装着する。プロペラは2基が対になり、それぞれ反対方向に回転する。このため、プロペラによりボルトを締める方向が異なる。次にバッテリーを装着し、ライト・インディケーターで容量を確認。フル充電で30分のフライトができる。最後にリモコンの電源を入れ、機体との無線通信のキャリブレーションを行い、セットアップが完了。

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リモコン操作は直観的

実際にリモコン (上の写真) を操作し無人ヘリを飛ばした。左右のジョイスティックを下方内側に引くと、これがパワーオンの操作で、プロペラが回転を始める。左側のジョイスティックで上昇と下降を操作する。上に押すと上昇し、下に引くと下降する。指を離すとその場所でホバリングする。風が吹いていても自動で補正し、その場所で静止する。通信が途絶えても、自律的に元の場所に戻り着陸する。右側ジョイスティックで水平方向の操作を行う。前後左右に押すと、その方向に飛行。先頭の写真の赤色の目印が前に当たる。言葉にすると長くなるが、実際の操作は直観的で、衝撃的に簡単。インストラクターはしきりに、あなたは操作が上手いと褒めてくれたが、これはソフトウェア技術の威力。誰が操作してもうまく飛ぶように設計されている。

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無人ヘリからビデオで撮影

フライトの様子は搭載したGoProカメラでビデオ撮影した。カメラはジンバルでPhantom 2に搭載され、常に前方の景色を撮影する。機体が傾いてもカメラは正面を向いている。リモコン背後のレバーを動かして、カメラを下方向に向けることもできる。上の写真は上空80フィート (24メートル)で、静止している状態。風が強かったが、Phantom 2は自律的に制御し、ほぼ静止の状態。目の前にサンフランシスコの街並みが見える。

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上の写真はカメラを真下に向けて、地上で操作している様子を映したもの。無人ヘリは子供たちに大人気で、フライト中にたくさんの親子が集まってきた。1時間弱のレッスンでPhantom 2の操作を学習できた。リモコン操作は心地よく、直観的に操作できる。ジョイスティックへのレスポンスは速く、無人ヘリは機敏に反応する。初めてのフライトは感動的だった。

無人ヘリはフライングカメラ

GoProカメラから撮影したビデオはクリアーで、上空から見る景色は素晴らしい。無人ヘリはほぼ例外なくGoProカメラを搭載しており、無人ヘリは「フライングカメラ」としての使い方が定着してきた。

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ウェブサイトには無人ヘリから撮影したビデオが数多く掲載されている。今までに見たことのないアングルから撮影されている。Jos Stiglinghはアメリカ独立記念日 (7月4日) に、フロリダ州のウエストパームビーチにおいて、DJI Phantom 2で花火を上空から撮影した (上の写真)。

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Stiglinghは少し無謀にも、無人ヘリを花火に近づけ、内側からの撮影を試みた (上の写真)。無人ヘリは花火が破裂する中を飛行しその様子を撮影。花火から飛び散る火の粉が無人ヘリをかすめ飛ぶ様子が写っている。無人ヘリは360度回転しながら花火を撮影し、三次元で花火を楽しめる。花火は上空で見ると大迫力で迫って来る。

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無人ヘリで自分撮り

無人ヘリを使って空からSelfie (自分撮り) をするケースが増えている。結婚式の記念写真やゴルフでの集合写真などで使われている。また家族が集まった時の記念写真にも使われる (上の写真)。

無人ヘリは自分のパフォーマンスを撮影するツールとしても使われている。「Follow Me」という機能を使うと、無人ヘリが自動で追いかけ、自分のプレーを空から撮影する。この機能はHEXO+というベンチャー企業などから提供され、利用者を自動で追尾してビデオ撮影する。

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上の写真は、スケートボードで公園内を滑走している様子を無人ヘリが追尾し、上空からビデオ撮影したもの。

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HEXO+はスポーツ競技で人気がある。上の写真はオートバイでジャンプ台から飛び出した様子をビデオ撮影したもの。撮影条件は専用アプリで設定する。アプリで撮影する大きさ (被写体にどれだけ接近するか) やカメラのアングルを設定。無人ヘリは被写体が動くまで上空で待機。被写体が動くと無人ヘリが追尾して設定された条件で撮影を行う。アドベンチャー・フィルムの製作では、ヘリコプターやハングライダーが使われ、パイロットが被写体に接近して撮影する。HEXO+を使うと自分一人で迫力ある映像が撮れ、誰でも手軽にアドベンチャー映画の製作ができる。

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無人ヘリを旅行にもっていく

最近では旅行する時に、カメラに加え、無人ヘリを持参する人が増えてきた。無人ヘリを専用バッグに入れて持ち運ぶ。綺麗な景色をカメラで撮影するだけでなく、無人ヘリで上空からも撮影する。上の写真はアフリカでキリンが草原を走っている様子を撮影したもの。カメラと交換レンズを持参する感覚で無人ヘリを携行する。

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安全性やプライバシー問題

無人ヘリが増えるにつれ、安全性やプライバシー問題も浮上してきた。グランドキャニオン国立公園で夕日を見ていた観光客が、無人ヘリに静寂を破られた、という問題がニュースとなった。このような問題に対応するため、アメリカ国立公園は公園内で無人ヘリの飛行を禁止すると発表した。しかし、発表の後も問題が発生している。イエローストーン国立公園では、無人ヘリがGrand Prismatic Spring (上の写真、アメリカ最大の熱水泉) に墜落するという事故が発生。無人ヘリ利用では、社会ルールを守ることが求められている。

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個人が利用できる空域

FAA (アメリカ連邦航空局) は趣味で楽しむドローンについては、ライセンス無しで運用できるとしている。但し、大中規模の空港や軍の空港から5マイル (8キロメートル) 以内は飛行禁止。高度は400フィート (120メートル) までで、常に視界に入っている必要がある。また前述の通り、国立公園内での飛行は禁止されている。これら条件を地図上にプロットすると、サンフランシスコ地区では上の写真のようになる。飛行禁止区域が赤のシェイドで示されている。四つの空港や国立公園があるため、多くの地域で飛行禁止となっている。このため、愛好者たちはバークレーのLake Merrittや、サンフランシスコ沖のTreasure Islandなどでフライトを楽しんでいる。もっとも、近くの公園で無人ヘリを飛ばしている光景を目にし、必ずしも厳格にルールが守られている訳ではない。

フライングカメラとしてブレークする兆し

無人ヘリはフライングカメラと呼ばれるが、これだけ簡単に飛ばせると、その意味を実感できる。Phantom 2の価格は829ドル (GoProカメラ付き) と安くはないが、一眼レフカメラの価格帯とオーバーラップする。一眼レフカメラを購入する感覚で無人ヘリを入手するオプションが生まれた。ソフトウェア技術の向上で格段に操作しやすくなった無人ヘリは、フライングカメラとしてブレークする兆しを感じた。

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