日本のおサイフケータイを超えるか、Googleの顔パス決済サービスは快適!

Googleは”顔パス”で買い物ができる決済方式「Hands Free」の試験運用を開始した (下の写真)。早速使ってみたが、ポケットにスマートフォンを入れたまま支払いができ、Hands Freeは圧倒的に便利だ。スマートフォンをリーダーにかざす時代は終わりを迎えるのか、Googleが決済ビジネスでひそかに挽回を窺っている。

vwb_621_fintech_google_hands_free (p01)

Googleで払います

ハンバーガーレストランMcDonald’sでランチを買った際に、Hands Freeを試してみた (下の写真)。使い方は極めて簡単で、レジで注文を終え支払いをする時に、店員さんに「Googleで払います」と言うと会計処理が始まる。ポケットからスマートフォンを取り出す必要はない。店員さんは「イニシャルは?」と聞くので、「KM」と自分のイニシャルを答える。店員さんはPOS画面に表示される筆者の写真と本人を見比べて認証が完了する。これでトランザクションが完了し、レシートはアプリで受信した。初めて使ってみたが、あっけなく簡単に処理が進んだ。

vwb_621_fintech_google_hands_free (p02)

ドライブスルーで利用できる

スマートフォンをポケットに入れたまま、イニシャルを告げるだけで、支払処理が完了するのは極めて便利と感じた。トランザクションが完了した時点で、スマートフォンがぶるっと震えて知らせてくれた。

Hands Freeはドライブスルーでも利用できる。運転席に座った状態で財布を取り出し、窓から手を伸ばしクレジットカードを提示するのは苦痛でもある。Hands Freeを使えば言葉だけで支払いができるので、窮屈な思いをしなくて済む。Googleは、母親が子供の手を引きながら、顔パスで支払いができる利便性をアピールしている。

Hands Freeのセットアップ

Hands Freeを使う前に簡単なセットアップが必要となる。アプリをダウンロードした後、名前とイニシャルを入力し (下の写真左側)、顔写真を登録する。上述の通り、レジでイニシャルを聞かれるので、これを回答する。また、登録した写真はPOS端末に表示され、本人確認で使われる。

Hands Freeは試験運用が始まったところで、使える店舗は多くはない。アプリで事前にHands Freeを使える店舗を確認しておく。McDonald’sの他に、メキシコレストラン「Una Mas」やピザレストラン「Papa John’s Pizza」などで利用できる (下の写真右側)。

vwb_621_fintech_google_hands_free (p03)

動作概要と将来構想

Hands Freeは顧客の位置情報をもとに決済トランザクションを開始する。システムはBluetooth Low EnergyやWiFi経由でスマートフォンと交信し位置を決定する。レジ近辺にいる顧客の情報がPOS端末に表示され、店員さんがイニシャルと写真で対面している顧客を特定する仕組みとなる。

将来は店舗内に設置されたビデオカメラで認証プロセスを自動化する。撮影された顧客の顔と登録された写真を比較し、システムがバイオメトリックな認証をする。具体的な説明はないが、人工知能の画像解析技術を使い、システムが高精度で本人確認をするものと思われる。すでに、ニューラルネットを使った画像判定はヒトの能力を超えている。

Square Walletが顔パスを始めた

モバイル決済技術の最先端を走る「Square」は類似のアプリを提供してきた。これは「Square Wallet」と呼ばれiPhoneにインストールして利用する。Square Walletを使うと顔パスで支払いができる (下の写真)。支払いするときにこのアプリを立ち上げ、店舗を選択し、緑色のボタンを右にスライドして利用する (下の写真左側)。Square Walletはこれをトリガーに店舗内のPOS端末「Square Register」と交信し、クレジットカードを出さないで支払いができる。支払いが完了すると、レシートはアプリに送られる (下の写真右側)。

Square Walletはシリコンバレーの殆どのコーヒーショップで利用できた。大変便利なアプリで、コーヒーを飲むときは必ず利用していた。しかし、米国消費者の反応は異なり、Square Walletに興味を示さなかった。iPhoneを取り出し、アプリを立ち上げ、ボタンをスライドするより、財布からクレジットカードを取り出すほうが便利であると判断した。このため、Square Walletは2014年、このサービスを中止した。愛用していたアプリが使えなくなり残念に思っていた。

vwb_621_fintech_google_hands_free (p04)

手ぶらで支払いできる快適さ

ここにGoogleからHands Freeが登場し、Square Walletの代替になると期待し、リリースと同時に使ってみた。Square WalletとHands Freeはよく似ていると思っていたが、使ってみると両者は決定的に異なることが分かった。それはスマートフォンの扱いで、Hands Freeはスマートフォンを取り出す必要はなく、操作性が圧倒的に向上した。ただこれだけの違いであるが、手ぶらで支払いできる快適さは思っていた以上に大きい。Square Walletに興味を示さなかった客層がHands Freeをどう評価するのか、今後の動向をウォッチしていきたい。

Hands Freeは近未来の決済方法

日本で生活に溶け込んでいるおサイフケータイであるが、米国ではApple Payが口火を切り、幅広く普及が始まった。Apple Payで決済する際は、デバイスをリーダーにかざす操作が必要になる。スマートフォンをポケットから取り出す操作が必要となる。Apple Watchでこれを利用する際は、時計をデバイスにかざすだけで済み、利便性が大きく向上した。これで十分便利だと思っていたが、Hands Freeを使ってみると、時計をリーダーにかざす操作も苦痛になる。モバイル決済技術はおサイフケータイが完了形ではなく、どんどん進化していくのを肌で感じる。

Leave a Reply

You must be logged in to post a comment.