Googleは人間過ぎるAIの運用を開始、Duplexが電話してレストランを予約

Googleは会話型AI「Google Duplex」を公開した。Duplexは人間のように会話するAIで、レストランの店員と話してテーブルを予約する。Duplexは開発者会議Google I/Oで発表されたが、話し方があまりにも人間そっくりで、本当に存在するのか疑問視されていた。Googleはライブデモを実施し、Duplexが実存することを示し、これらの疑念を払しょくした。更に、来月7月からDuplexのサービスを開始することも明らかにした。

出典: Google

レストラン予約ビデオ

GoogleはDuplexが実際に稼働している様子をビデオで公開した。Duplexがレストランを予約する手順が紹介された。仮想アシスタントであるGoogle Assistantにレストランの予約を指示すると、背後でDuplexが電話してこれを実行する。Google I/Oではエッセンスだけが示され誤解を招いたが、ビデオではDuplexと店員の対話が忠実に描写され、完成度の高さをアピールしている。

予約を指示する

Assistantにレストラン予約を指示すると (「Hey Google, Book a table for 2 at El Cavotero on Tuesday at 7 pm」)、Assistantは予約の時間帯を確認する (「Alright. Just in case, if that’s not available, can I try between 7 pm and 8 pm?」、上の写真)。これに対し「Sure」と答えると、Assistantは内容を確認をして(「I’ll book under your name…」)、予約プロセスを起動する。

Duplexがレストランに電話

この指示に基づき、Duplexがレストランに電話をかけ、自己紹介をして、予約したい旨を告げる (「Hi, I am the Google Assistant to make a reservation for a client.」、下の写真)。これに続き、会話が録音されている旨を伝える (「The automated call will be recorded.」)。相手に人間だと誤解されないため、Duplexは会話の冒頭でAIであることを明らかにする。更に、会話の内容が録音されているとのコメントを追加する。カリフォルニア州では、通話を録音する際は、法令でこれを相手に明示することが義務付けられている。

出典: Google

予約時間の調整

次に、Duplexが予約の日時を告げる (「Can I book a table for Tuesday, the 12th?」)。これに対し、店員が何人かと尋ねると (「How big is the party?」)、Duplexは二人と返答(「It’s for 2 people」)。次に、店員が日時を尋ねると (「When did you say they want to come in?」)、Duplexは火曜日の午後7時と再度告げる (「Tuesday at 7 pm」)。店員が空き時間を確認し、7時は空いていないが8時ならあると述べると(「I don’t have 7, but we can do 8」)、Duplexは8時でも大丈夫と答え(「Year, 8 pm is fine.」)、時間調整が完了。

予約が成立

店員が名前を尋ねると(「Can I get their name?」)、DuplexはAnaと回答 (「The first name is Ana」)。店員がそれでは火曜日に(「Okay, we will see Ana Tuesday」)と内容を確認すると、Duplexはありがとうと述べて(「Okay, awesome. Thanks a lot 」)、予約が完了する。Anaのスマホには予約確認のメッセージが届き (下の写真)、一連のトランザクションが完了する。

出典: Google

Duplexを報道機関に公開

このビデオとは別に、Googleはレストラン店舗 (下の写真) に報道関係者を招待し、Duplexのデモを実施した。招待された記者たちは、レストラン店員に扮し、Duplexからの電話を受け、対話しながら予約を受け付ける作業を体験した。この中には、Duplexが余りにも人間そっくりなため、このシステムはデモのために作られた、とレポートした記者も含まれていた。このデモの内容についてCNNなど主要メディアが報道し、Duplexは実際に稼働していることが明らかになった。

出典: Google Street View

人間的である理由

Duplexを人間と感じる理由は、人間の悪い癖であるDisfluenciesを取り入れているため。Disfluenciesとは、 “えーと”など意味のない繋ぎ言葉を指し、これが会話の中に配置され、人間臭さを醸し出す。これに対して、Duplexは人間を模倣する必要はない、という意見も少なくない。AIはAIらしくぎこちなく喋るべき、というのがその理由。Googleは、Duplexを人間に近づけている理由を、ぎこちなく喋ると聞き手はイライラが募り、電話を切ってしまうケースが増えるため、と説明している。実際に、電話の音声ガイダンスは好感が持てないが、Duplexの溌溂とした女性の声には親近感を感じる。

オペレータが手助け

今回のデモで、GoogleはDuplexの背後でオペレータが運用を支えていることを明らかにした。Duplexが応対できるケースは8割程度で、処理できない時には人間のオペレータに回送される。会話の途中で問題が起こると、Duplexはオペレータに繋ぐと述べて(「I think I got confused. Hold on, let me get my operator.」)、電話を転送する。

Duplexが対応できないケース

Googleは、Duplexが対応できない具体的な事例は示していないが、デモを体験した記者たちがこれをレポートしている。デモの中で、記者たちは意地悪な質問をして、Duplexの機能の限界を試した。ある記者は、予約グループの中に食事制限をしている人がいるかと尋ねると、Duplexは回答できなかったとしている。また、車いすを使う人がいるかとの質問にも、Duplexは答えることができなかった。更に、天気に関する話題など、予約以外のトピックスにはDuplexはついていけない。Duplexは人間のように世間話ができるわけではなく、予約一筋に事務作業を遂行するキャラクターとなっている。Duplexのナレッジベースを拡大することが、今後の課題となる。

サービス開始時期

Duplexはレストランの予約の他に、ヘアサロンの予約もできる。また、祝日の営業時間の問い合わせにも対応している。これらの機能が順次、一般に公開される。数週間後に、祝日の営業時間を問い合わせる機能が、夏までにレストランとヘアサロンの予約機能が公開される。一般利用者がスマホやGoogle Homeで、Duplexを使うことができるようになる。まだ、レストランとヘアサロンの予約に限られるが、人間に代わってAIが電話して予約する時代が始まろうとしている。

Leave a Reply

You must be logged in to post a comment.